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2010.11.22|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(11月22日)

岡田克也幹事長/記者会見要旨
2010年11月22日(月)
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2010/20101122okada.asx

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■冒頭発言
○柳田法務大臣の辞任
■質疑
○柳田法務大臣の辞任
○郵政改革法案
○総理としての資質
○内閣支持率
○国会議員歳費1割削減
○役員会の議題
○防衛大綱の進捗状況について
○地方行脚
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■冒頭発言

○柳田法務大臣の辞任

【幹事長】先ほどもぶら下がりで少し申し上げたところですが、けさ柳田法務
大臣が官邸を訪れて、菅総理とお話をされたうえで、辞任を申し出られました。
大変残念なことですし、私も柳田さんとは平成2年初当選・同期であります。
彼は検察改革に非常に意欲を持って取り組んでいましたので、その思いは非常
に無念だと思いますが、今の国会の状況を見て、補正予算を早期に成立させる
と、そういう観点からご判断をされたものと想像しております。 もちろん、
彼の地元における発言は軽率な面があったことは否めませんが、しかし、それ
が辞任しなければならないものだったのかどうかというところは、いろいろな
意見があると思います。そういう中で国会が、現実に問責(決議案)が出れば
その結果として補正の採決が遅れるという中でご決断をされたことだと思って
おります。ぜひ野党の皆さんには補正の審議を速やかに進められて、国民の立
場に立って補正の成立に協力していただきたい。そのことをあらためて申し上
げておきたいと思います。

■質疑

○柳田法務大臣の辞任

【記者】辞任表明後も、補正予算の成立の見通し、自民党側がそれに協力する
道筋がまだ見えてこない。「自民党側から補正予算成立への確約が取れたうえ
で(柳田法務大臣の)辞任に至ったのではなくて、タイミングとして非常に悪
いパターンだったのではないか」という批判が、身内の参議院民主党からも出
ている。こういう国会運営の稚拙さを問う声をどうお考えか。

【幹事長】今、「身内の参議院」と言われたが、どなたが言っておられますか。

【山口記者】個別にはちょっと申し上げられません。

【幹事長】根拠がはっきりしないことについてはお答えする必要はないと思い
ます。今の国会は55年体制ではありません。ですから、昔の物差しでご質問
をされても、「それは違う」とはっきり申し上げたいと思います。そういった
先々のことまで握って、辞めさせるとか辞任を求めるとか、そういう古い政治
をわれわれはしておりません。

【記者】金曜日まで菅総理は「大臣は深く反省して、今後誠心誠意頑張りたい
と言っているので、頑張ってもらいたい」と、かばっているような姿勢で臨ん
だが、けさ一転して(法務大臣の)辞任に至った。昨夜公邸で、総理を交えて
どういう意見交換をされたのか。

【幹事長】国会の現状についての意見交換をいたしました。ただ、その詳細に
ついてメディアの皆さんにお話しする必要はないと思います。いろいろな国会
の見通しなどを議論したところです。

【記者】しかし、結果的に自民党側が、補正予算成立に応じる気配がない。こ
れについてどう感じているか。

【幹事長】自民党が補正予算の成立に応じる気配がないというのは、私はその
ように必ずしも承知をしておりません。そういったことが決定したとは思って
おりません。もちろん補正予算の成立にあたって野党のほうからいろいろな要
求は出てくると思いますが、そういったことをしっかり乗り越えて、国民の立
場で補正予算の成立を目指したいと考えております。

【記者】岡田幹事長は昼のぶら下がりで、自民党側の補正予算成立の4条件に
ついて、基本的な考え方は返していると言われたが、民主党の基本的な考え方
は何になるか。

【幹事長】4条件については、国対ベースで今いろいろな議論をしているとこ
ろでありますが、法務大臣の件以外ということになりますと、ひとつは防衛省
の通達の話。これは政府の中で今、考え方の取りまとめをしているところだと
理解しております。基本的に取り消す必要はないと判断していると聞いており
ます。これは政府の問題であります。 それから小沢元代表の問題については、
私のほうで鋭意努力をしているところであります。ビデオについては今日、既
に返事はしているところであります。

【記者】辞任のタイミングも含めてだが、問責の可決が確実視される中での大
臣の辞任というのは、野党が結束すれば大臣の首が取れるという前例を残し、
今後、問責カードの重みを増す結果になったのではないか。

【幹事長】いろいろな解釈があるでしょう。それは自由に解釈されたらいいん
じゃないですか。別に問責の決議ということではなくて、大臣のご判断で辞任
されたということですから。

【記者】柳田大臣が辞任したタイミングが、なぜ今日だったとお考えか。

【幹事長】それは柳田大臣が今日判断して辞任されたということに尽きると思
います。

【記者】総理に呼ばれて、総理に「国会運営に影響を与えないように」と言わ
れ、その場で辞表を書いたのではないか。党の、政権としての意向があったと
思うが。

【幹事長】総理といろいろお話はされたと聞いておりますが、私は同席してお
りませんので、詳細は承知しておりません。いずれにしても柳田大臣が自ら辞
任を決意して辞表をお書きになったということです。

【記者】先ほど出た防衛省の事務次官通達について、自民党側は取り消しを求
めているが、幹事長はどうお考えか。

【幹事長】これは政府の中で検討しておりますので、私がそれについていちい
ちコメントする必要は、必ずしもないと思います。しかし、これは防衛省の中
の通達でありますので、なぜそれが問題になっているのかということを、私は
必ずしもよくわからないわけであります。

【記者】今回の大臣辞任に至るまで、菅総理のリーダーシップは発揮されたと
考えるか。また、どのような形で発揮されたと考えるか。

【幹事長】リーダーシップというのは、何に対するリーダーシップですか。

【記者】辞任に至ったという経緯に対してです。国会運営を昨夜協議されたと
いう中で、総理としてどういうリーダーシップを発揮したかという、結論に至
るまでのプロセスへのリーダーシップ。それから、結果において、けさ官邸に
呼んで、こういう結論を導いたということへのリーダーシップの2点です。

【幹事長】基本的にこれは大臣ご自身がお決めになることで、決められるのは
大臣と、そして任命権者である総理大臣。総理大臣がお決めになるまでもなく、
大臣自身が辞任の意思を明らかにされたということです。この過程における
リーダーシップということの、私は質問の意味がよくわからないです。

【記者】幹事長が、柳田法相が官邸に行かれることを知ったのはいつか。

【幹事長】そのことにはお答えしないほうがいいと思います。

【記者】野党側は、仙谷官房長官や馬淵国交大臣についても、問責決議の提出
を検討するということだ。幹事長は、野党側が問責決議を提出する権利を乱用
していると感じるか。

【幹事長】問責決議というのは、多数があれば出せます。問責を出すかどうか
は政党の判断ですけれども、基本的に多くの方が納得するような理由がなけれ
ば、私は、乱発するということは、政党政治あるいは議会政治にとって、必ず
しもいいことではないと思います。基本的には任命権者が任命するわけで、仙
谷さんの場合は「暴力装置」と言ったことがよく取り上げられますが、人間だ
れしも言い間違いはあるわけで、それが理由だとすると私は少し違うように思
います。馬淵さんに至っては、何が問責の理由になっているのか、私には理解
しがたいわけです。

【記者】幹事長は先ほど「55年体制とは違うので、握って辞めさせるような
政治はしない」と言った。今回も握っていないし、今後も事前に野党と折衝し
て落としどころを見つけるような政治はしないという理解でいいか。

【幹事長】意思疎通をよくすることは重要だし、それは必要に応じてやってお
ります。しかし、最終的にこうやればこれを約束すると、特に人事に絡む話で
そういうことは、基本的にはないのだろうと私は思っております。

【記者】昨夜の公邸での会談だが、けさ柳田氏を呼ぶことも含め、対応につい
て総理一任とはなっていなかったのか。

【幹事長】(会談の)中身を、私がお話しすることはありません。

【記者】先ほど仙谷長官の発言の件をめぐって「誰しも言い間違いがある」と
言った。「暴力装置」という表現は、言い間違いというよりは、その人の考え
方に基づくと理解するのが一般的ではないか。なぜ言い間違いだと思うのか。

【幹事長】なぜ「考え方に基づくもの」と言われたのか私はよくわからないの
ですが、いずれにしても国会において適切な発言かと言われればそうではない
わけで、それを故意に言ったとは、私は思っておりません。

【記者】なぜ(法務大臣は)今日急に辞めたのか。辞める必要がないと思うな
ら辞めないで仕事を突っ走ればよかったし、辞めるならばもっと早くに辞めれ
ばよかったと思う。中途半端なところでポロッと決めて、それが全く効果を発
揮していないことについてどう考えるか。

【幹事長】それはあなたのご判断だと思います。今日が中途半端だったという
のは、あなたのご意見で、そういうご意見もあるかと思います。われわれはそ
う判断しておりませんし、基本的に、辞める、辞めないというのはご本人が決
めたことですから、なぜ今日だったかと言われても、それは答弁できないこと
を聞かれているに等しいと思います。

【記者】公明党の井上幹事長が、今回の辞任を受けて、補正予算成立に向けて
会期中に結論を得て成立させたいと発言した。この受け止めと、来年の通常国
会での本予算審議を見据えた公明党との協力関係の構築についてどのようにお
考えか。

【幹事長】とにかく今は、補正予算を早く成立させることを最優先に考えてお
ります。その先のことについてあまり楽観的なこととか、希望的なことを言う
つもりはありません。一つひとつ努力していきたい。それが国民の立場に立っ
た政治であると考えております。

【記者】仙谷現官房長官は、2003年に憲法調査会の会合で、2005年に
早稲田大学での講演で、同じように「暴力装置」という言葉を使っている。本
人のHPにも以前は載っていた。過去の3点の実例からすると、決して「言い
間違い」とは言いにくいのではないか。

【幹事長】まず、よく調べられたことに敬意を表したいと思います(笑)。
「暴力装置」という言葉の意味するところですが、「実力組織」と同じ意味で
使っておられるのかもしれません。これは私の推定ですが。同じ意味だとして
も、それは国会で使うには必ずしも適切でないということだと思います。

【記者】補正の採決までに小沢元代表の国会招致の問題を具体的に進める考え
はあるか。

【幹事長】今、努力をしているところです。

【記者】拉致被害者の家族から、担当大臣がまた代わることについて落胆、民
主党への不信・不満の声が上がっているが。

【幹事長】それは大変申し訳ないことだと思います。せっかく拉致家族の皆さ
んと柳田大臣もお会いをしたりして、ご本人も意欲を持っておられましたし、
お互い少し打ち解けて関係が構築されつつある中での交代ですから、そういう
意味では残念だし、おそらく柳田大臣も心残りだろうと思います。しかし、辞
めなければ補正が前に進まないという状況です。問責ということと、補正とい
うことを結びつけること自身が本筋ではないということを間接的に語っている
一つの例ではないかと思います。そういったことに対する意見があまり出ない
のを、私はむしろ不思議に思っております。

【記者】この問題も、小沢さんの問題もそうだと思うが、執行部と参院執行部
の間で意見のズレというかコミュニケーションが十分でないという指摘がある
が。

【幹事長】毎日のように会って意見を交わしておりますので、コミュニケーシ
ョンは十分だと思います。ただ、外に対する表現ぶりが、若干違っているのか
もしれません。

【記者】幹事長は、柳田法相は辞任を表明する必要はなかったと、率直にはお
思いか。

【幹事長】辞任を表明しなければ、補正予算について全く進まない、あるいは
問責決議が出れば国会が不正常になる。そういう中で苦渋の決断をされたと思
います。ただし、先ほど申し上げたように、柳田さんの地元における発言が適
切なものであったかというと、不適切な面があったことも事実。しかし、それ
が辞任に値するようなことであったのかどうかについては、私は必ずしもそう
は思っていない。いろいろな意見があるところだと思いますが、私はそう考え
ております。

【記者】結果的に、不信任決議案が出た馬淵大臣と仙谷長官は、今の段階では
辞めていない。問責決議案が出ていない柳田法相が辞めたという形になった。
この違いについてどうお考えか。

【幹事長】お二人の場合は、不信任決議案は否決されているわけです。同列に
論ずるのは、私には質問の趣旨がよくわからないのです。

【記者】柳田さんの辞任を本来なら引き留めよう、辞任しなくていいと言いた
かったか。

【幹事長】個人の心情としてはそうです。ただ私は幹事長として、国会全体に
ついて、特に補正予算を一刻も早く成立させる責任があります。そういう立場
から言うと、彼が決断してくれたことはありがたかった。残念だけど、ありが
たいことだったと思っております。

【記者】小沢さんの国会招致について努力しているところだと言われたが、具
体的には、会談を要請しているということか。

【幹事長】この場で以前に申し上げたと思いますが、国会についての責任を持
っているのは役員会です。その役員会で、全員ではありませんが多数の人が、
政倫審(衆議院政治倫理審査会)に自ら出てきてお話をいただくことが望まし
いという判断をされて、そういったことはご本人に伝えてあります。おそらく
さまざまな豊富な経験を持ち、功績のある方ですから、そういうことをしっか
りと踏まえて考えていただけるのではないかと思っているところです。

【記者】昨日の時点の柳田さんのぶら下がりでは、続投に意欲を示していた。
けさ一転辞任となったが、どなたかの働きかけがあったとお考えか。

【幹事長】わかりません。少なくとも私はしておりません。昨日のぶら下がり
と今日の決断の間に何があったのか。そもそも昨日のぶら下がりの意図は何だ
ったのかということについて、私は承知をしておりません。

【記者】柳田大臣を辞任に追い込んだのは、補正と引き換えに辞めてもらわな
いといけないような状況をつくった執行部及び国対の力不足ではないか。

【幹事長】柳田さんの発言が必ずしも辞任に値するものではないというのは、
私の意見を申し上げました。しかし、さまざまな意見もあるところだし、メデ
ィアの皆さんはほとんどの方がこぞって「辞任すべきだ」と言われたのではな
いでしょうか。

○郵政改革法案

【記者】先日の民主党・社民党・国民新党の三党幹事長会談では、郵政改革法
案の成立に向けたスケジュールを早急に提示するという結論だったと思う。国
民新党の下地幹事長または亀井代表とこの件について近々話をして、スケジ
ュールを提示する考えはあるか。また今国会で法案を成立させるというお考え
か。

【幹事長】まず、郵政法案の取り扱いについては、両党のトップ、つまり菅代
表と亀井代表の間で合意がありますので、それは最大限尊重されるべきである
と、かねてから申し上げているとおりであります。具体的にどのように進めて
いくのかについては、必要に応じて意見交換を行っているところです。特に亀
井代表とは、電話でかなり話はしております。

○総理としての資質

【記者】菅直人さんという人の総理としての資質について、一連の尖閣諸島を
めぐる騒動でも不手際が目立った。胡錦濤さんとのAPECでの会談でも、あ
いさつさえメモを見る始末だった。記者会見を見ていても、質問が核心に触れ
るとはぐらかす。難しい経済問題は、記者の質問の意味さえわかっていない。
果たしてこれで国民の期待にこたえる政治ができるのか。できる材料があると
考えるならば示してほしい。

【幹事長】記者会見では、総理大臣ですから、あまり正面から答えられない問
題も当然あります。そういうものについては、少し間接的に答えざるを得ない。
立場上、全部正面から直球で答えられる問題だけではないということだと思い
ます。私は菅総理と話しておりまして、外交や経済について考えが足らないと
か、知識が不足していると感じたことはありません。

もう一つ、加えさせていただきます。今日の国会の審議で、私は自民党のあ
る質問者の質問を見ておりましたけれども、一国の総理に対して使っていい言
葉とそうでない言葉もあるし、敬意を持って接しないと、結局、日本自身の勢
いを、日本人自身が足を引っ張っているかのような、そういう感じがしないわ
けではありません。

特に国会はそうなのですが、やはり一国のリーダーに対して、いろいろな厳
しい質問はいいと思うのですが、言葉遣いとか、質問の中身自身が、総理が何
回も聞かないとわからないような質問とか、そういったことが本当に望ましい
ことなのかどうか、私自身は疑問に思います。それから、評論家の方とか、い
ろいろな方がおっしゃるわけですけれども、果たしてそれが本当に正鵠を射た
ものであるのかどうか。必ずしもそうじゃないものが非常に多いのではないか
と、私は受け止めております。田中さん(記者)の質問がそうだとは言ってい
ませんからね(笑)。

【記者】かつて、漢字が読めない総理がいた。菅さんもよく読み間違えがある
し、それに近いものがあるのではないか。言葉遣いに気をつけなければいけな
いというのはもっともなことだが、そうせざるを得ない状況に導いた人の能力
の問題があるのではないか。

【幹事長】麻生元総理が字を読み間違えるとかいったことに対して、いろいろ
国会の中でも、あるいはメディアも批判をしましたが、そういったことで一国
のリーダーを批判するのは果たして適切なのかということを私は思っておりま
した。もっと本質的なところで、いろいろ意見があるのはいいと思いますが、
字の読み間違いとか、私だって当然ありますし、そのこととリーダーの本質と
は必ずしも直結しませんので、私は揚げ足取りのような印象を持って、麻生総
理のときも受けとめておりました。

やはり一国のリーダーに対して敬意をもって接することは必要なことではな
いかと思います。あまり国会の中でいろいろなやり取り、もちろん非常にいい
やり取りもあるわけですけれども、結局それは国会の権威自身が落ちることに
ならないかということを私は心配しております。

○内閣支持率

【記者】FNNと産経新聞の合同世論調査で菅内閣の支持率が21%となった。
15%減少して急降下ぶりがすさまじいが、どうお考えか。

【幹事長】いろいろな理由があると思います。もちろん外交の問題とかそうい
ったことも重なりました。ただ、菅総理は連日テレビで、国会中継に等しいよ
うな、出ずっぱりに近い状態であります。たくさん出て、そして野党議員の厳
しい攻撃を受ければ、やはり支持率はいいほうにはなかなか作用しないという
のは、今までの各政権、歴史の語るところだと私は思います。

国会審議の中でこれだけテレビに出ずっぱりの総理大臣というのは珍しいと
思います。「党首討論がない」と批判するメディアもありましたが、党首討論
するまでもなく、毎日のように総理が答弁をされているわけです。本来であれ
ばもう少しメリハリをつけたいところですが、しかし、補正予算をしっかり通
すために、われわれは野党の要請をなるべく受けて、それは内閣の支持率とい
う観点からいうと決して望ましいことではないかもしれませんが、それを続け
ているということであります。残念ですけれども、しかし補正を早く通すため
にはやむを得ないことだと思っております。

【記者】先週夜、小沢さんが行った会合の中で「破れかぶれ解散もあるのでは
ないか心配している」という話が漏れ伝わっている。党内から解散についての
言及があることについて、また党代表・幹事長経験者からそういう発言がある
ことに対してどのように思われるか。

【幹事長】いろいろな意見を述べることは自由だと思います。

【記者】世論調査の「今、総理にふさわしい人は」という質問で、小沢元代表
が8%でトップになったことについて、どうお考えか。

【幹事長】いろいろな調査がありますので、それにいちいちコメントすること
はしておりません。

【記者】小沢さんがトップになったことは、現政権の指導力不足を映し出して
いるのでは。

【幹事長】そういう見方もあるかもしれません。

【記者】今これだけ支持率も下がっているが、政治に対してあきらめていると
ころに世論が向かっていると推測する。政治家の一人としてどんなことを思っ
ているか。どんなことを国民に対して言いたいか。

【幹事長】この15カ月間、民主党政権の中でなし遂げてきたものはたくさん
あります。私は地方に出るとよく申し上げるのですが、例えば子ども手当、こ
れについても、いろいろな批判はあります。額が少ないという批判もあれば、
ばらまきだという批判もあれば、もっと他のこと、保育とかに使うべきだと、
いろいろな批判がありますが、しかし、これだけの予算を子育て支援に充てた
ことは、今までの政権はできなかったことです。

その背景にあるのは、やはり子育てというのは個人・家族に任せきるのでは
なくて、社会全体で支えていかなくてはいけないという大きな発想の転換なの
です。そういうところについて、われわれは全くブレていません。あとは技術
的な額の問題とか、同じ子育ての中でも、ほかにもっといいことがあると。そ
ういうことについては議論して、取り入れる必要があれば取り入れていけばい
いわけですけれども、大きく考え方が変わったということに対して、まだ国民
の皆さんに伝わっていないかもしれません。そういったことをしっかりと主張
していくことだと、私は思います。

農業についても、直接支払い制度(戸別所得補償制度)。これは今までの農
政の反省に立って、15年、30年、あるいは50年以上の農政というものが、
結局農家の意欲を削いで、結果として高齢化が進み、若い人が農業に取り組ま
ない。一方で自給率は下がり続ける。この惨たんたる農業政策に対して、われ
われはEU型の新しい制度に大転換したわけです。それに対して、「それでコ
メの値段が下がった」とか、私は必ずしも論理的ではないと思いますが、ご批
判もあります。これも「ばらまきだ」とか、「より大きなところに集中すべき
だ」とか、いろいろな議論がある。そういったことは、これから議論して必要
があれば直していけばいいことであって、直接生産農家に対して支払うという
大きな転換がなされたことは、戦後農政の大転換であります。そういうことを
しっかりと主張していかなければいけないと思います。

メディアも含めてあちこちから批判されますと、政治家そのものが縮こまっ
てしまう傾向があるのは残念なことで、堂々とわれわれが15カ月やり遂げた
ことを主張していけばいいと思っております。もちろん、まだまだお約束した
中でできているものは一部に過ぎません。われわれが約束したことについてし
っかりと一つひとつやり遂げていく。地方分権の問題とか、やらなきゃいけな
いことはたくさんあるわけですから、そういったことを、自信をもって進んで
いくことが大事だと思います。

【記者】「仮定の話にはお答えにならない幹事長」ということだが、可能性が
高まってきているように思うので質問する。今回までのさまざまな事態につい
て「もし岡田政権だったら」というお考えはあるか。失言をした大臣の辞任問
題も含めて。

【幹事長】仮定の問題にはお答えしないことにしています(笑)。ただ、大事
なことは菅総理をいかにみんなが支えていくかということだと思います。私は、
幹事長の最大の仕事は政権を支えるということだと思いますので、そのために
しっかり努力していきたいと思います。

○国会議員歳費1割削減

【記者】国会議員歳費1割削減について、政治改革推進本部の総会で党内では
了承されたが、今国会も会期が残り少なくなってきた中でどう進めるのか。ま
た野党側にどのような対応を求めるのか。

【幹事長】議運では、公明党も自民党も議員歳費については1割削減を言われ
たわけです。党内議論を自民党はどれくらいしたのか、私は承知しておりませ
んが、民主党はまだ決定しておりませんでしたので、「民主党が1割削減を否
決した」と言って宣伝されたわけです。それはともかくとして、公明党も自民
党も、それからみんなの党は3割削減だったと思いますのでちょっと違うので
すが、だいぶ(考え方が)出そろってまいりましたので、各党に呼びかけて、
この国会ではなかなか難しいかもしれませんが、次期通常国会でこれを実現し
たいと考えております。

○役員会での議題

【記者】今日の昼の役員会で、柳田さんの件以外にどんな話が出たか。

【幹事長】定例の役員会でありますので、いろいろなことを議論しました。基
本的には常任幹事会に報告したところで正式に決まるわけで、あまり今の段階
で申し上げないほうがいいと思いますが、例えば党に対して功労のあった方に
対する表彰制度というものについて、基準を明らかにして、1月に予定してい
る次回の党大会で表彰しようと。統一地方選挙がありますので、今回で引退さ
れる地方議員の方々がかなりいらっしゃいます。そういう方の中で、ご要望も
出ておりました。

私は大阪に行きましたときに、引退される地方議員の方が、ご自身ではなく
て、奥さんの表彰制度はないのかと言われまして、「残念ながら奥さんの表彰
はご自身でやってください」とお答えしました。考えてみれば、確かに長く党
に対してご功績のあった方に対して、党本部として感謝の意を伝えることは大
事なことだと思って、そういう制度を提案しているところであります。詳しく
は司会者(藤本議員)にお聞きください(笑)。

○防衛大綱の進捗状況について

【記者】マニフェストでは本年度中の策定をうたっているが、スケジュール的
な問題で、今週か来週に、党政調から上がってこないと間に合わないのではな
いか。

【幹事長】これは私が答えるというよりも政調会長がお話になることだと思い
ますが、中川さん(党外交・安全保障調査会長の中川正春衆院議員)から私に
対しても概要の説明がありました。私は今、党務に専念して、政策はあまり見
ないことにしておりますので、聞き置いたという段階です。しかし、かなり議
論は煮詰まっていると理解しております。

○地方行脚

【記者】地方行脚で、東北・北海道については、岩手県を除いて全部回ったと
思う。小沢元代表が県連代表を務める岩手県を訪れる予定はあるのか。統一選
に向けて岩手県の状況について小沢さんとお話をする予定はあるか。

【幹事長】岩手県もどこか(の時点)で行きたいと考えております。ただ、年
内は大体もう張り付けは終わっていますので、2月以降、1月は、あまり地方
を回る予定はありません。来られても、地元も迷惑というところもあると思い
ます。いろいろな行事がそれぞれありますから。ですから2月以降で、どこか
で回りたいと考えております。ただ、統一地方選挙についての意見交換をあわ
せて今、行っているわけですが、そういう観点からいうと岩手県は優等生であ
ります。追加的にさらに候補者を出してくださいとか、そういうことを言う状
況にはないということであります。

【記者】「47都道府県を年内に回る」と言っていたと思う。2月以降に回る
というのは岩手県は例外なのか。

【幹事長】47都道府県を年内に回るということは、私は必ずしも申し上げて
おりません。それは枝野さんや長妻さんとも手分けをして、なるべく回る、と
いうことを申し上げてきたわけです。私自身はかなり順調に回っておりますの
で、統一地方選挙までに一回りできるのではないかと思っているところです。

地方の日程を詰め過ぎるのも考えもので、この土日などは、柳田法務大臣の
件でいろいろな意見交換なども必要でしたので、車で移動中に電話などでやら
ざるを得ませんでしたが、中には直接お会いをして話をしたほうがよかった方
もいらっしゃったということです。いずれにしても、車だけはなるべく、申し
訳ないのですが、セダンではなくて3列シートのあるバンにしていただいて、
一番後ろに座って、あまり周りに声が聞こえないようにヒソヒソ話でお話をし
ているということです。




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