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2010.10.21|夕刊フジ

夕刊フジコラム「ズバリ直球」10年10月21日号

中国四川省成都市や綿陽市、陝西省西安市、浙江省杭州市などで16、17日、大規模な「反日デモ」が発生した。沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件に反発したもので、一部暴徒によって、日系スーパーや日本料理店などが襲撃された。極めて遺憾な事態だ。

もちろん、暴徒による非合法行為は許されない。ただ、日中関係は、両国だけでなく、アジアや世界の平和と繁栄にとって重要だ。領土や主権で妥協することはないが、しかし、お互い冷静に対応すべきだ。政治が国民感情を煽るようなことがあってはならない。

さて、幹事長就任から1カ月過ぎた。約束した「公平で透明な党運営」「全員野球」を基本方針として、全力投球でやってきた。

「公平で透明」という点では、政治資金の取り扱いを変えることにした。これまではすべて財務委員長決裁だったが、一定額以上を幹事長決裁とする。また、「個人に数億円が支出」「領収書がない」などと指摘された「組織対策費」はやめる。政治資金規正法で、国会議員は1円から領収書の保管・開示が義務付けられている。政党でも、同様の姿勢で臨んでいく。

「全員野球」という点では、所属議員の方々にいろいろな仕事をお願いした。私をサポートしていただく幹事長補佐には、当選1回の新人13人を抜擢した。新人といっても地方議員など様々な分野で活躍してきた人ばかり。十分、即戦力だ。

また、「現場主義」の立場から、地方の声を直接聴くため、今月上旬から週末を利用して地方行脚もスタートさせた。

すでに、石川県や秋田県、青森県、和歌山県、大阪府、北海道などを回り、輪島塗工房やりんご農家、大阪の中小企業、ホタテ漁の現場などを視察し、タウンミーテイングや意見交換会などで、地域活性化への意欲や苦悩、政治への要望などをうかがってきた。

どれも貴重な経験だったが、中でも、秋田県小坂町で視察した資源リサイクル事業は印象深かった。廃棄された携帯電話や電子部品のプリント基板から、金や銀、白金などを取り出すもので、1日数千万円分もの金が回収できるという。

こういった資源リサイクル事業は「静脈産業」と呼ばれている。人体の血液循環システムに例えたもので、逆に、資源を加工して製品にする製造業は「動脈産業」という。小坂町では江戸時代に鉱山が発見され、鉱石から鉱物を取り出す技術が発達してきた。こうした技術を利用して、廃棄物の中から有用物質を取り出しているのだ。

日本は資源に乏しい国だが、実は、ゴミとして廃棄される工業製品や家電製品の中には、金や銀、レアメタルなどが大量に蓄積されており「都市鉱山」とも呼ばれている。コストや手間ヒマなど、乗り越えるべき課題はあるが、「日本の都市鉱山は世界有数」という指摘もあり、今後、さらに注目されるだろう。

地方行脚は、枝野幸男幹事長代理や長妻昭筆頭副幹事長とも手分けして、年内に47都道府県すべてを回るつもりだ。来春には、与党として初めての統一地方選挙がある。日本を立て直すため、新しい政治を確たるものにするため、民主党の地方議員を増やして、党の足腰を強めていきたい。




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