トピックス

2010.08.12|夕刊フジ

夕刊フジコラム「ズバリ直球」10年8月12日号

原爆投下から65年、8月6日に広島市で開かれた原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)に、国連の潘基文事務総長やルース駐日米大使、駐日英仏公使らが初めて参加してくれた。これは歴史的な出来事といえる。
 
まず、現職の国連事務総長が被爆地を訪れるのは初めて。潘総長は5日に長崎市を訪れ、原爆資料館などを視察した後、爆心地公園にある原爆落下中心地碑で献花してくれた。先日、2時間ほど食事をしながら話をしたが、核兵器廃絶にかける強い思いが伝わってきた。
 
ルース大使の式典参加も素晴らしい。大使は昨年10月、実父と子息の親子3代で広島市の原爆ドームや原爆資料館を視察して、強い印象を持たれたと聞いている。将来、米国大統領の広島、長崎訪問につながればうれしいことだ。
 
昨年4月、オバマ米大統領はプラハ演説で「核兵器のない世界」を追求する決意を示された。その後、米国とロシアの間で、戦術核に関する新たな合意も出来ている。世界的にいい流れが出来つつある。

私も新人議員時代から、核の問題をライフワークとして取り組んできた。式典で、潘総長や菅直人首相の話を聞きながら、「核兵器のない世界」を目指す決意を新たにした。

さて、全国各地で100歳以上の高齢者の所在確認が取れなくなる問題が多発している。報道では10日現在、百数十人が不明という。

最初に、東京都足立区で111歳とされていた男性の遺体が自宅で見つかったニュースを聞いた時、私はとても奇異な感じを受けた。その後、これほど多くの所在不明者が出てきた。どうして、今まで分からなかったのか不思議だ。

高齢のため住所地とは違う施設などに入っている可能性もあるだろう。年金支給がどうなっているのか。介護保険はどうなのか。これらが一元化されていれば、もっと早く把握できたのではないか。いろいろ考える。100歳以上でこれなら、80歳以上、90歳以上に調査対象を広げたらどうなるのか。やはり、同様のことがあるのではないか。

国と地方、どちらに責任があるかは別にして、行政としては、一刻も早く、実態をきちんと把握することが大切だと考えている。




TOP