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2009.12.01|記者会見

外務大臣会見記録(平成21年12月1日)

外務大臣会見記録(平成21年12月1日(火曜日)15時00分~ 於:本省会見室)

○冒頭発言
 (1)天野前外務省不拡散・原子力担当大使の国際原子力機関(IAEA)事務局長就任
 (2)政務三役会議

○米軍再編問題
○沖縄返還に際する「密約」に関する情報公開訴訟
○日露関係
○ハーグ条約
○行政刷新会議(事業仕分け)
○観光立国への取り組み

冒頭発言
(1)天野前外務省不拡散・原子力担当大使の国際原子力機関(IAEA)事務局長就任

(外務大臣)本日、天野之弥(あまのゆきや)前外務省不拡散・原子力担当大使が第5代IAEA事務局長に就任いたしました。日本人として、またアジアから初めて、原子力の平和的利用と核不拡散の両立を目指す国際機関であるIAEAの事務局長が誕生したということは、昨今の核軍縮・不拡散の大きな国際的な機運が盛り上がりを見せている中で、誠に意義深く喜ばしい限りです。北朝鮮やイランの核問題、それから原子力技術協力の強化の必要性など、様々な課題に直面しているIAEA事務局のトップとして、これらの課題に果敢に取り組むことを期待いたします。

(2)政務三役会議

(外務大臣)今日、私(大臣)から、総合政策海洋本部、閣議の模様についてお話をしました。ちなみに私(大臣)は(閣議で)何も発言はありませんでした。政務三役としては、これから行政刷新会議で出された結論に対する対応について、今週中に対処方針を策定し、政務三役会議において決定をしようとしたところであります。

米軍再編問題
(フリーランス 岩上氏)昨日、大阪に行き、大阪府の橋下知事に直接取材して参りました。先般こちらでも質問させていただいた件ですけれども、沖縄の基地負担の軽減を関西の方で引き受ける、あるいはそういう問題を検討するということについてどうお考えかお尋ねしたところ、はっきりとした口調で、「もし政府から正式なお話があれば、関西として沖縄の基地負担軽減のために前向きに検討したい。また、そういう話し合いに入りたい。そして、本土の日本人すべてが沖縄の基地負担軽減に全力をあげて取り組まなければいけない」と非常に熱っぽく語っておられました。それに関連して、小沢幹事長にも沖縄振興策の陳情に上がりたいと仰ってました。改めまして、岡田大臣としてはこの熱い橋下知事のお言葉を聞かれてどうお考えになりますか、お聞かせいただければと思います。

(外務大臣)大阪府知事がそういった気持ちをお持ちいただいていることは非常に歓迎すべきことだと思います。この日米同盟に伴う様々な負担、それが沖縄に偏っているということは、まぎれもない事実であります。約75%の(米軍)基地が沖縄にあるということであります。それを少しでも軽減するために日本全体として努力をしなければならない訳で、そういう中での知事のご発言ですから、私(大臣)としては歓迎したいと思います。ただ、その真意はよく把握しておりませんので、一度何らかの形でよく聞いてみたいと思います。

(朝日新聞 鵜?記者)普天間の関連ですが、週末にはワーキング・グループが事務レベルの方で開かれると承知しております。また、週末には沖縄へ大臣が行かれる御予定もあると聞いているのですが、そのあたりのことで何か仰っていただけることがあればお願いいたします。

(外務大臣)大臣レベルでも防衛大臣と私(大臣)が、アメリカ側からは、ルース大使が、アメリカ側のヘッドになると思いますが、説明を聞き議論をするということになると思います。まだ中身は承知しておりませんので、現段階で中身についてのコメントは控えたいと思います。「沖縄にはなるべく機会があれば再度(行きたい)」というように申し上げておりましたので、その機会が来たということであります。金曜の夜に行きますので、事実上一日ですが、前回、回れなかったところを中心に、土曜日一日かけて基地も見ますし、色々な方と意見交換して行きたいと思っております。

(琉球新報 滝本記者)今日と昨日、大臣が官邸の方に入られて、北澤防衛大臣とも、官房長官ともお話しをされていたとお聞きしております。そのお話し合いは、普天間についてお話し合いを詰めておられると推測申し上げるんですが、どういった内容でお話しをされているのでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)は官邸で誰と会ったか、どういう話をしたか、言わないことをモットーとしております。

(共同通信 西野記者)予算の関連ですが、大臣は普天間の問題について、予算の問題もあるので年内に決着するのが望ましいと言うことを繰り返し仰っていたと思います。嘉手納(基地)統合案を一つの案として、政府案となるかという検討は、やはり予算と絡んでくるというように私は理解していますが、もしそうであるとすると、嘉手納(基地)統合案を検証・検討し続けるのは、何時頃までがタイムリミットだとお考えでしょうか。

(外務大臣)まず年内が望ましいと私(大臣)は言っておりますが、同時に最終的に決めるのは総理であるとも言っております。毎回言わないと、また引用が偏ってされると困りますので。嘉手納の話についての御質問ですが、全体がこのワーキング・グループの検討がどういうスケジュールで行われるのかは、先程申し上げたとおりであります。全体の中で決まってくることであると思います。繰り返しますと、私は、年内が望ましいと思いますが、最後は総理が決めると言うことです。中身も時期もです。

(読売新聞 村尾記者)普天間の話に関連ですが、今週末に沖縄に行かれて、今週内にワーキンググループがあるということで、昨日と今日と官邸で協議も重ねられているようですが、大臣のご認識としては、調整が加速してきたと感じていらっしゃるでしょうか。

(外務大臣)官邸で何を議論したかということは、私(大臣)は申し上げませんので、その質問にも非常にお答えしにくい訳です。ただ従来から言っておりますように、「迅速にできるだけ早く」と思っておりますので、そういう思いで、今は様々な活動をしているところです。

(日経新聞 山内記者)先程、大臣は「迅速にできるだけ早くという思いで」と仰いましたが、普天間問題を巡って、社民党は年内決着に難色を示しています。認識のズレが未だに大きいように感じるのですが、連立政権内の調整は今後どうやっていくつもりでしょうか。

(外務大臣)もちろん、我々もいろいろ取り組んでいるところですが、連立の問題ですから、基本的には官邸でやっておられると思っております。

(読売新聞 川崎記者)今週末に沖縄へ行かれるということで、「再度の機会が来た」と仰いましたけれども、この機会という意味は、年内決着に向けて決断の時期が近づいてきたから、再度沖縄を訪問するという意味なのかどうか、そこをお伺いします。

(外務大臣)基本的には、前回と変わっておりません。沖縄の皆さんの声を率直に聞きたいということです。

(読売新聞 川崎記者)その関連でもう一点、今回沖縄では名護市と糸満市の二カ所で住民の方の意見を聞くと伺っておりますが、名護市はキャンプ・シュワブを抱えて、現行案の移設計画の先ですが、糸満市については、米軍基地はない訳です。この糸満市に行かれる理由は何でしょうか。

(外務大臣)ここ(糸満市)は必ずしも外務大臣として行くということではありません。この二カ所は玉城衆議院議員と瑞慶覧(ずけらん)衆議院議員の主催する会合に出席するということですので、ここは公務という位置付けを私(大臣)はしておりません。ただ、率直に意見を聞く会であると思っております。

(読売新聞 川崎記者)名護市についても同様でしょうか。

(外務大臣)同じです。それぞれの衆議院議員の選挙区の皆さんが集まるということです。率直に意見を聞くというのを、どのようにしたらよいかと考えたのですが、どういう形にすれば一般の方々に集まっていただけるか、思い浮かばなかったものですから、このような形で集まっていただくことになりました。したがって、声をかけるのは、民主党の衆議院議員ですから、ここは大臣という位置付けではないと私(大臣)は思っております。

(フリーランス 岩上氏)本日、亀井(金融・郵政担当)大臣の記者会見に出席致しまして、普天間基地に関する質問をさせていただきました。亀井大臣は日頃こういった問題に関してコメントされることは少ないのですが、本日は非常に時間をかけて話していただきまして、「急ぐべきではない」と、それから、「基地をどこに移すかという問題に矮小化されているけれども、日本全体で非常に(沖縄の)負担の問題に関しては見直さなければいけないことがたくさんある。慌てないでじっくり時間をかけてしっかりやろう。基本政策委員会でも連立を組んでいるのだから、一致をみるようなやり方で議論を進めるべきだ」というような形で仰っておりました。先程、社民党に関しての話もありましたけれども、連立の国民新党も急がない方が良い、もっと見直しをじっくりやるべきだという論調が社民党と合っているような気がします。これについて大臣のご見解をお示しいただきたいと思います。

(外務大臣)特にコメントすることはありません。そのための基本政策、閣僚委員会もある訳ですから、いつ、どのようなテーマで取り上げるかというのは、まさしく官邸にかかっている訳です。必要があるということであれば、私(大臣)がいくらでもご説明いたしますが、全体の作戦といいますか、いつどのように説明するかということは、最終的には官邸が決められるということです。

(琉球新報 滝本記者)週末の来沖についての関連でお願いします。名護市と糸満市という話がありますが、仲井眞知事とも再びお会いになられるというお話もあって、前回行かれ、お会いされてお話もきかれた中で再度お会いになるならば、どういう理由でお会いになるのかということをお伺いしたいのですが。

(外務大臣)知事との日程はまだセットされておりません。

(読売新聞 村尾記者)大臣がかねがね一つの案として掲げてこられた嘉手納基地への統合案ですが、「いろいろ米国が言っている、運用上難しいということには、今のところ納得できないところもある」をずっと仰ってこられましたが、今の時点でまだそういうご見解には変わりはないということでよろしいでしょうか。

(外務大臣)途中の段階での話はしない方が良いと思います。もちろん、平時と緊急時とでは違うだろうと思います。ただ、「運用上非常に難しい」ということを言われる方は日本にも結構いらっしゃいますけれども、どのくらい検証した上で言っておられるのかというのは、私(大臣)にはわかりません。私(大臣)は自分なりに納得するような検証をしっかりやりたいと思って今日までまいりました。

沖縄返還に際する「密約」に関する情報公開訴訟
(NHK 梶原記者)今日、東京地方裁判所で、沖縄の返還をめぐる密約に関して、外務省の元アメリカ局長の吉野さんが証言をされます。まだ詳細はわからないのですが、吉野元局長はこれまでも密約の存在を認めるような発言をされていますが、元外務省幹部がこうした発言をされるということについて、大臣自身どのように捉えられているのかをお聞かせ下さい。

(外務大臣)中身はまだ承知しておりません。したがって、特にコメントはありません。ただ、吉野元局長が証言をされることについて、外務省として特にそれがいけないという立場ではありません。

(テレビ朝日 新堀記者)有識者委員会も始まっておりますが、改めて今回裁判の場で、ある種密約的な部分が明らかになってくるところも踏まえた上で、日米だけではなく、いわゆる外交文書の取り扱いについて大臣が今度どうされていきたいのか。何かもっとオープンな形というのを何か考えていらっしゃるのか。先日、北岡伸一東大教授(有識者委員会議長)も、諸外国に比べて、昔のことまでずっと明らかになっていないのは不自然だと仰っておられたのですが、そういった今後の外交文書のオープンの仕方等についてどのようなお考えかをお聞かせ願えますか。

(外務大臣)私(大臣)はもう少しオープンにするべきだろうと考えています。ですから、有識者会議にもお願いをしたところです。具体的には有識者会議の提言を待ちたいと思います。

(毎日新聞 須藤記者)行政府と司法との関係があり微妙な問題だとは思いますが、吉野さんは元とはいえ、外務省の幹部であって、それが司法の場で正式に密約はあったという証言をされるということなのですが、一方で行政府の立場としては現在の外務省としては密約についてはあったと認めたというわけではもちろんないと思いますので、そのあたりの関係はしばらくはっきりしないというか、外務省の方が公式の場で公に密約があったということを証言することと、今の外務省の立場というものは微妙な関係だと思うのですが、そのあたりのことは密約調査委員会の調査を待つという対応でよろしいのでしょうか。ちょっと御確認も含めてお尋ねします。

(外務大臣)それ以外にありえないと思います。

(NHK 梶原記者)吉野元局長のことに関連してなんですが、吉野元局長が、ここのところ一貫して「密約はあった」という証言をしている中で、日本政府というのは一貫して「密約もなく文書もない」と否定してきました。調査もしてなかったと思うのですが、こうした政府の姿勢、或いは自公政権がとっていた姿勢について御所見があればお願いします。

(外務大臣)今、有識者による調査といいますか、協議が進んでいるところですので、私はそれに先だって何か物言いすることはありません。

(NHK 別府記者)吉野元局長の本日の東京地裁での関連の質問ですが、吉野元局長の証言で大きなヤマ(を迎える)ということで、大変、関心も高いのですが、この1970年の西山事件、私もまだ小さかった頃ですが、先輩の同僚の記者が逮捕されるという歴史的な事件です。外務大臣として、この西山事件をどのように捉えていらっしゃるのでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)も生まれておりましたが、大スクープが一転して逮捕ということになったので、非常に驚いた記憶があります。何歳くらいだったのかは、憶えていませんが、一体何が起こったのだろうという印象を受けたことを思い出します。
 こういった裁判を通じて真実が明らかになるということであれば、それは非常に大きなことだと思います。中身はコメント致しません。

日露関係
(北海道新聞 佐藤記者)ロシアのナルイシュキン大統領府長官が、昨日鳩山総理とお会いになった際に、「領土問題について静かに建設的な雰囲気の中で話を続けていく用意がある」としながら、続けて「交渉相手に対する過剰な圧力は、建設的な話し合いの妨げになる」というように述べられたと聞いています。これに先立つ講演でも長官の方から、「ロシアに不法占拠されているというような不適切な言い方をすることは、非生産的な態度だ」という発言をされました。ロシアの政府高官が、日本でこのような発言をされたことについて、外務大臣としての受け止めをお聞かせ下さい。

(外務大臣)それぞれ日露両国で立場が違うわけですから、ロシアの高官として、そういう発言になることは、私(大臣)は全面否定する訳にはいきません。しかし日本には日本の主張があるということです。お互いの意見が食い違っているということです。だから交渉する訳です。

ハーグ条約
(朝日新聞 鵜飼記者)子の奪取に関するハーグ条約の件でお伺いしたいのですが、本日、子の親権問題に関する日仏連絡協議会第1回会合が開かれると思います。これで恐らく問題となっている個別具体的な例について、どういった対応ができるのかといったことが話し合われると思っていますが、今回この協議会を立ち上げられた意義と、ハーグ条約加盟に向けた考え方や検討状況を改めてお聞かせ願いますでしょうか。

(外務大臣)今回の日仏連絡協議会の中では、フランスからはフランス政府として把握している35の事案のリストが渡されました。個別の事案について、お答えすることはできませんが、そのような事実関係がございます。外務省の中に、全て併任ではありますが、子の親権問題担当室を設け、この問題について検討していきます。具体的に今ある問題の対処の問題と今後の条約加入の適否の問題も含め、外務省としてはここで議論をしていくことになります。特に欧米諸国から、私(大臣)も外相レベルで様々な意見をもらっております。既に対応をしている訳ですが、日本としての対応を早急に検討したいと考えております。難しい問題があることも事実です。

行政刷新会議(事業仕分け)
(毎日新聞 須藤記者) 冒頭にあった行政刷新会議の件についてお尋ねします。政務三役で今週中に対処方針を出したいということなんですが、色々なデータ仕分けの結果の中の一つで、ODAのハコモノ無償について、行政刷新会議の結論として縮減と仕分けされたと思います。ハコモノと言ってもODAの場合、途上国ではインフラ整備も全然出来ていないので、学校を作るなど、日本で言うハコモノとはちょっと意味が違うと思います。今の段階で大臣として、ODAのハコモノ無償の問題について、意見があれば、仰って頂きたいと思います。

(外務大臣)御指摘は御指摘として、大切にしたいと思います。ただODAのあり方そのものについて、もう一回全体的な議論をきちんとした上で、今後どうすべきかということを検討すべき話です。これから再来年度の予算要求、つまり来年の夏ぐらいまでを目処にODAのあり方についての議論を、省内だけではなくて、JICAやNGOの皆さんも含めて議論していかなくてはいけないと思います。今回、来年度予算について、ハコモノ無償については3分の1というお話しも出ましたので、それはそのまま受けられるかどうかは検討しますが、なるべく御趣旨は尊重していきたいと思っております。

観光立国への取り組み
(ニコニコ動画 七尾記者)視聴者からの質問を代読します。観光立国の取り組みについて、外国人観光客数が低迷する昨今、観光立国の実現に向け、年内に省庁を横断しての対策本部を設置するとの報道がありました。これにつきまして、外務省が参加するとすれば、省としてどのような課題を負って参加するお考えでしょうか。

(外務大臣)いろいろなご要望が寄せられております。例えば、国によっては日本の旅行社が活動できないので、活動できるようにする。つまり、その国でツアーを募集する等ができるようにする。ただ、なかなかビザがおりない。もちろん、これは難しい問題があります。しかし、なるべくきちんと裏付けをとりながら、ビザをおりやすくして観光客として日本にもっと来て貰おうとなりますと、外務省が責任を負っている部分になります。そういったところが外務省に関係あるところだと思います。




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