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2009.09.18|マスコミ

岡田外相インタビュー 日米関係など 国益の最善求める

2009.9.18 伊勢新聞社

【東京】鳩山新内閣で外相に就任した岡田克也氏は十七日、伊勢新聞など報道各社のインタビューに応じた。

 ―自民党政権からの大きな政策転換として、インド洋の自衛隊による給油活動、日米地位協定、普天間移設の各問題があるが取り組みに優先順位はあるのか。
 政権交代が行われた結果の具体的な転換として、よくその三つを挙げられるが、基本的に政権交代に伴う外交の転換はもっと大きなことで、ちょっと違うと感じる。その上で、それぞれの問題解決に努力していきたい。

 ―日米地位協定の改定は沖縄県民の要望が強いが、アメリカ側は交渉に応じる用意があるのか。
 早急に個別の話を進めるべきでない。相手のある話だ。深い議論をし、私なりに順番をつけて一つ一つやりたい。

 ―インド洋の給油活動は単純に延長しないと会見で言ったが、具体的には。また小沢幹事長が代表時代に憲法違反だと言ったことについては。
 単純に延長しないというのは、単純に延長しないということで、それ以上のことを言うつもりはない。当時の小沢代表が憲法違反と言われたが、党としては言っていない。

 ―普天間移転問題で、鳩山首相は代表時に最低でも県外移転と言っていたが、その旗を降ろすことはあるのか。
 旗を降ろすことはない。思いとしては県外移転の気持ちはある。ただこれは相手のある話なので、あまり最初から選択の余地を狭めては交渉はうまくいくはずはない。交渉前に具体的なこと申し上げるべきでないと考える。個々の細かいところに議論が行き過ぎている。本当にこの問題を解決しようとしたら、ある程度懐の深さを持たないといけない。

 ―政権交代に伴う政策転換はもっと大きな話だと言うが、それは何か。
 若干、違和感を覚えるのは、すぐに個別の話になること。説明責任の範囲はあるが、これから交渉することについて、事細かく言うのはいいことと思わない。政権が変わるということは、基本的なスタンスとして、日米関係で言えばブッシュ政権の時は、小泉首相が「アメリカの言っていることをやっていれば間違いない」と言い、オバマ大統領に代わったら「核のない社会は素晴らしい」と。全く自らのスタンスが決まっておらず、相手に合わせているだけに思える。日本には日本の国益がある。主張すべきは主張し、妥協すべきは妥協し、最善を求める。

 ―「核の傘」の問題について。核の先制不使用は、核抑止力が低下するとの議論はあるが。
 抑止力が低下するというのは、どういうことかよく分からない。核兵器というのは非人道的な兵器。それを使用するのを、私は「それで良し」とする考えは理解できない。よく先制不使用の議論を批判するメディアなども、一方で核の廃絶を言っている。核廃絶を目指す一方、先制不使用はだめだというのは、同じ次元の議論で成り立たないのではないか。

 ―北朝鮮の問題については。
 六カ国の枠組みの中で基本的に議論する。個別にやることは北朝鮮にとって有利な局面をつくるだけだ。

 ―核密約問題で大臣命令を出したが。
 政権交代のタイミングでないとなかなかできない。いいチャンスだと役所もとらえてほしい。

 ―問題があった場合、責任は誰が取るのか。
 基本的にはトップ。総理か外相だ。

 ―それは今のトップか。
 今ではないでしょう。それは。

 ―文書が破棄されている可能性も指摘されているが、担当者の処分は。
 それは仮定の議論だ。まずは事実関係を明確にしていく。

(C)伊勢新聞社





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