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2009.09.18|記者会見

岡田外務大臣会見記録(平成21年9月18日)

岡田外務大臣会見記録(平成21年9月18日(金曜日)17時45分~ 於:本省会見室)

○冒頭発言
(1)大臣会見に関する基本方針
(2)国連総会等への出席
(3)キャンベル米国務次官補との会談
○キャンベル米国務次官補との会談
○「密約」問題に関する調査命令
○外務省の情報発信体制(会見のオープン化、事務次官会見の中止等)
○鈴木議員の衆議院外交委員長就任
○米軍基地再編問題
○北朝鮮拉致問題
○新大臣を迎える会
○国連総会等への出席
○核の先制不使用
○温暖化に関する閣僚委員会

冒頭発言
(1)大臣会見に関する基本方針について

(外務大臣)私から三点申し上げたいと思います。既に少しご説明していたことでありますが、大臣会見に関する基本的な方針ということでお話しをしたいと思います。この会見をこれから毎週2回を原則に行いたいと考えております。従来ですと国会開催中は閣議の後に行ってきたというケースが多かったと思いますが、少なくとも週1回は省内で会見をしたいと考えています。できれば2回ともと思いますが、そこは時間との関係、そして場合によっては週1回はぶら下がりに変えることがありますが、それも併せて週2回は必ず会見を行うということです。そしてその会見につきましては、外務省記者会所属メディアに限らず、原則として全てのメディアに開放したいと考えております。
 具体的には、日本新聞協会会員、日本民間放送連盟会員、日本雑誌協会会員、日本インターネット報道協会会員、日本外国特派員協会(FCCJ)会員及び外国記者登録証保持者ということにしたいと思っています。それ以外にいわゆるフリーランスの方々についても、今申し上げた様々なメディアに定期的に記事を提供する方については含めたいと考えています。そういった方々に事前に登録を行って頂くことによって基本的に全ての方に会見に出席して頂けるようにしたいと考えております。

•配付資料「大臣会見に関する基本方針について」(PDF)

(2)国連総会出席

(外務大臣)二番目ですが、私の国連総会等への出席ということで、日程は随分固まって参りました。月曜日の21日に成田を発ちニューヨークに参ります。日米外相会談、日米豪閣僚戦略対話等がありますので、少し早めに日本を出るということになります。その他、現在調整中ですが、様々な二国間会談、先程ミリバンド英国外相と電話会談を致しました。電話会談というかご挨拶を頂いた訳ですが、それも含めて二国間会談を精力的に行っていきたいと思います。その他G8外相会合等、様々な会合がございます。勿論、総理がご出席して演説される際には私も同席をさせて頂きますし、バイの会談についても必要に応じて私も同席をさせて頂くつもりです。最初にしては、かなり長い日程になりますが、最終的には土曜日の夕方に日本へ戻るという日程です。

(3)キャンベル米国務次官補との会談

(外務大臣)三番目にキャンベル米国務次官補が訪日中で、私も本日お会いしました。様々な意見交換を45分ほど致しました。最後は国会が始まるということで駆け足になりましたが、このような中で私自身旧知の友人であるキャンベル次官補と面会できることは感慨深いと申し上げ、そして、クリントン米国務長官との面会を楽しみにしていると申し上げました。日米同盟については30年、50年先も持続可能であり、そして更に深い関係が築けるように努力したいということを申し上げました。同時にオバマ大統領の来日にあたってしっかりとした準備をしたいと、このキャンベル次官補との会談をその第一歩にしたいと申し上げました。
 キャンベル次官補からは日米で緊密に協力して、21世紀の課題に対処していくことを楽しみにしていると、ルース大使はオバマ大統領が最も信頼を寄せている人物であるということを仰っていました。私からは当面私自身が力を入れていこうと思う課題として、三点あると申し上げました。これは皆様に就任の時の会見で申し上げた通りであります。在日米軍の再編の問題、アフガニスタン・パキスタンへの復興支援、12月のCOP15に向けた地球温暖化問題、この3つに当面力を入れたいと申し上げました。併せて「密約」の問題についても取り組むことで既に事務次官に対して命令をして、解明に取り組んでいるということを申し上げました。以上のようなことで、様々な、非常に有益な意見交換ができたと考えております。

キャンベル米国務次官補との会談
(問)キャンベル次官補との会談ですが、在日米軍の関係でキャンベル次官補は再協議する用意があるというような趣旨の発言を報道機関との会見で仰っていたんですが、今日の会談では見直しについてはどういう意見交換をされたのでしょうか。

(外務大臣)今日、キャンベル次官補が言われたのは、原則は従来の合意されたものということを言われながら、それでなければだめだというような堅い言い方ではなかったと思います。

(問)大臣としては、それをお聞きになって、今後、交渉の余地は大いにあるというか、交渉を急がなければいけないとお考えになったのでしょうか。

(外務大臣)交渉の中身はともかくとして、この問題について私が申し上げたのは、沖縄で4つの小選挙区があり、その小選挙区で当選してきた人々は、我が党であったり、社民党であったりするけれども、普天間の辺野古への移転については反対ということを明確に言ってきたということです。それから我々は連立政権である。それから我が党自身もマニフェストの中では言っていないけれども、普天間の問題について、いろいろ発言してきたということもお話しておきました。そういう日本の政治的な状況について説明しておきました。

(問)キャンベル次官補についてですが、大臣が密約問題について言及されたのに対して、キャンベル次官補からどのような認識が示されたか教えてください。

(外務大臣)私の方から言及する時に、そもそも米国側が公表したものによって、日本の説明と食い違いがでてきたような問題だと申し上げました。従って、米国にとって支障がでることは基本的にないと申し上げました。

(問)キャンベル次官補からはそれに対する意見なり、感想はあったのでしょうか。

(外務大臣)特にそのことについてはありません。ただ、50年代、60年代のことであると理解していると、そのことがこれからの日米の関係に影響を及ぼすようなことではないと理解しているというお話でした。

(問)キャンベル次官補とは、北朝鮮問題についてのやりとりはあったのでしょうか。あったなら、その内容を教えていただけないでしょうか。

(外務大臣)北朝鮮の問題について、今日は特に話しておりません。時間も限られていた中ですから。

(問)キャンベル次官補との会談の中で、インド洋で日本が行っている給油について何かありましたか。

(外務大臣)ありません。アフガニスタン、パキスタンの復興支援については言及がありましたけれども、船(への給油)の話はありませんでした。

(問)米軍再編の関係ですが、大臣の方から取り組むべき課題という言い方をされたとのことですが、(大臣から)明確に反対しますという表現はされたのですか。

(外務大臣)日本の状況を説明した上で、これからよく協議をしなければいけない問題だと申し上げました。

(問)キャンベルさんとの話の中で、復興支援については発言があったということでしたが。

(外務大臣)重要性について私もキャンベル次官補も意見が一致したということです。そして、日本の、具体的な表現はちょっと忘れましたが、様々な、今まで行ってきたご支援に対して評価するというような話もありました。おそらく、警察官に対する給与を日本が出していることとか、JICAを通じて行っていた様々な、アフガンへの復興支援について言及されたものだと思います。

「密約」問題に関する調査命令
(問)「核密約」の関係ですけれども、大臣の次官に対する命令は、従来からいろいろと話題になってきた「核密約」だけではなくて、4つの「密約」について指示されています。4つを束ねて調査するというところの意図とか考え方をお聞かせください。

(外務大臣)基本的にこの4つがですね、メディアなどでも報じられていることですので、どうせ調べるわけですから、この際ひとつだけではなく4つ全部を徹底的に調べさせようということで申し上げました。4つと言っても事実上は2つ、沖縄返還にかかわるものと安保改定にかかわるもの、2つにすることができます。
 折角のご質問ですから、若干申し上げておきますと、この前もちょっと申し上げましたが、ファイルの数が日米安保関係で、正確に言いますと2694冊。それから、沖縄返還関係で571冊。それから、アメリカ大使館の中に約400冊。アメリカ大使館の中に当時の資料が残っているということであります。こういうものが調査の対象になります。
 これを調査するためには、マンパワーが必要になります。アメリカ大使館のものはアメリカ大使館の中でやってもらいたいと思いますが、これ2つだけでも大変な量になります。従いまして、事務次官の下で調査チームを9月25日に立ち上げるということにしております。もちろん正式に立ち上がるまでの間も、順次調査はスタートさせていきたいと思っております。全体のとりまとめとして、北野官房審議官にヘッドになっていただこうということを、先ほど次官と相談しました。そして、全体で14から15人のメンバーで調査にあたるということにしたいと思います。その中の何人かは在外公館から一時的に戻ってもらって、その調査に参加をしてもらうというふうに考えております。

(問)密約が存在する存在しないということと別の問題として、今も有効かどうかという問題もあると思います。これはアメリカ側に対してうまく聞けば早く答えが出るのではないかと考えられるのですが、今、日米間で「核密約」は生きている、有効だというような意識がアメリカ側にあるかということを、例えばクリントン長官と会われる際とか、いろんなチャンネルで確認するという手もあるかと思うのですが、いかがでしょうか。

(外務大臣)今有効かどうかというよりも、「密約」が存在したか否かということが重要だと思っています。これはアメリカに聞くのではなく、日本自身がきちんと調査して情報公開することが重要だと考えています。

(問)核持ち込みの件で、有効かどうかというよりは、まず事実関係だと仰いましたが、有効かどうかというのは非常に重要ではないかと思います。今でも米国が有効と認識しているのであれば、我が国の国是である非核三原則との関係で抵触するのではないか。無効ということであれば、歴史の過去の出来事だと思うのですが、そういった点についてはどうでしょうか。

(外務大臣)有効かどうかという前に、そのようなものがあったのか無かったのかという確認が先だと思います。この確認無くして、有効かどうかを言うのは、私にはちょっと理解できません。これからどうかという話は出てくると思いますが、まずは事実関係をはっきりさせること、それをやっている中でいろいろなことを議論するということは、手が緩んでしまう可能性があります。まず事実関係を明確にし、国民に対して情報開示をして、その上でどうするかというのは、事実に基づいてすればいいと頭の中で整理しています。

(問)事実関係と言うことですが、調査の結果、「密約」なるものが存在していたということが明らかになった場合、歴代の外務省幹部の方は「密約は無い」と答弁してきた訳ですが、その責任を問われる考えはありますか。

(外務大臣)この問題については、調査の結果を見ないと一概には言えませんが、基本的に総理大臣や外務大臣が「無い」と言っている時に、(外務省の幹部が)「いや、あります。」と答弁しろと言うのは少し酷かなという感じは持っています。

外務省の情報発信体制(会見のオープン化、事務次官会見の中止等)
(問)今回、会見を全てのメディアに開放するということを仰っていましたが、私が取材したところ、外務省と経済産業省以外の省庁では基本的に私のようなフリーランスの記者は大臣会見に出席することができなくて、出席できたとしてもオブザーバーとしての参加で質問もできないというような状況なのですが、このような閉鎖的な状況で、今回、会見をオープンにするという方針を発表された大臣としては、どのようにお感じになっていますか。

(外務大臣)それぞれの省庁で考え方があると思います。それと大臣の考え方ですね。私は最初は幹事長代理だった時ですかね、政調会長をやった時だったですかね、その時の民主党の会見をオープンにしました。私が幹事長になり、或いは代表になるに従って、オープンの範囲が広がってきました。私が全ての大臣をやれば、全部オープンになると思いますが、現状ではありえませんが。外務省なり経産省がオープンにして、それが支障がないということになれば、それが広がりをもってくるのではないかと思っています。基本的には、その省庁及び大臣が決めることです。

(問)会見の関係で、閣議後の会見というのは、閣議が日本の動静の中で非常に大きな位置づけをもっているということで、記者クラブの方も閣議が終わった後に会見をやっていただくということがいいのではないかと考えていたところがあります。お昼のニュースや夕刊がある中で、外相という非常に重要なポジションの方が(閣議後の)会見をやられないということには多少びっくりしました。今日、改めて方針を示されたわけですが、どのような運用がお互いにとって一番良いのかどうか、またはこれが決まりだからやってしまおうという姿勢なのでしょうか。

(外務大臣)基本的にはこういう方針でやりたいと思います。これからも閣議後ということはないわけではないのですが、少なくとも1回は省の中できちんとやりたいと申し上げたのは、閣議後の限られた時間の中で、つまり国会が始まるわけですから、やるのは本当の会見に値するものではないのではないかと私は判断しました。もう少ししっかりと皆さんの質問も頂きながら、誠実に答えるというのが本来の会見のあるべき姿で、閣議があった直後というのはそれなりにニュース性があるかもしれませんが、外交問題というのは、閣議案件のうちのごく一部に過ぎませんので、やはり基本的にはここ(外務省会見室)に戻ってしっかりとやる。そのことを考えたときに、国会の日程等を考えると時間はなかなか限られてくるということであります。もちろん、今日はこのような時間で始まっていますが、国会と重ならない範囲で他に考えられるのであれば、多少移動させることはやぶさかではありません。もうひとつ、閣議後の会見ということになると、国会の中でやるということになりがちで、そうすると事実上オープンにしたといっても、国会に入るにはなかなか大変な手続きがいりますから、それはオープンにしたことにならないのではないかという思いもあって、私は今の形を申し上げているわけです。もしそれでなにか私の説明に異論があるということであれば、また仰って頂きたいと思います。私の基本はオープンに、国民の知る権利、なるべく多くの方に直接、会見に立ち会ってもらいたいという考え方です。

(問)今、会見の話が出ましたけれども、今幹事社をやっていまして報道課の方ともやりとりさせていただいたのですが、大臣のお考えが良く分からないまま、半ば夕方になりますと一方的に言われたようなところがあって、先ほどの方もおっしゃっていたように、民放は夕方にメインのニュースを構えていますし、時間的問題とかも考えると、大臣のお考えもあるでしょうし、こちら側のできない要望もあるので、調整をきちんとさせていただきたいという提案です。できるだけお互い知恵を絞りたいなと。大臣のお考えは分かりましたので、より良くするためにどうするべきか相談させて頂きたい。

(外務大臣)今の件は、今日皆様がお集まりになって何か意見交換をされると聞いていたのですけれども、そういう集約があるのであれば聞かして頂きたいと思いますが、いろんなニュースの時間もありますが、一方で国会もありますから、結局この時間より前になるということは、従来と同じように国会が始まる前ということになります。限られた時間になりますね、本当にそれでいいのか。それから先ほど言いましたように、一部の人が入れないということに対してどう考えるのか、そういうことについて、もしご意見があるのであれば聞かせていただきながら、基本的に私はこの時間しかないんじゃないかと、少なくとも週一回は、というふうに思っています。

(問)駐米大使や国連大使の記者会見が急遽中止になるということがあってですね、官房長官からの記者会見では、大臣の方からそれはやって差支えないということで元に戻したという経緯があったそうなんですが、どういう経緯でこれは中止になったのでしょうか。

(外務大臣)中止になった経緯はよくわかりません。私はそういうことは言っておりません。ただ、基本的に事務次官の会見もやらないという方針が示された中で、大使についてもその類推の中で、予防的にといいますか、正式にはまだ決まっていないという中で、そういう措置が取られたのかなと思います。私の方は、大使は国を代表する者としてそれぞれに赴任していただいていますので、その会見は当然やっていただく、やらないと困ると、そういうふうに申し上げているところです。ついでに申し上げますと、外務報道官についてもですね、従来からこれは省全体を代表した形で行われていますので、それも変わらずやっていただきたいというように考えております。事務次官の会見はそういう意味でなくなりますけれども、これは政府としての方針ですから、懇談の形でやっていただくことは、これは取材を集団的に行うのと同じですから、それはかまわないと思っています。

(問)大使の会見のことをおっしゃられましたけれども、その問題に象徴されるように、官僚というのはそれぞれの識見と責任をもって外交の一部を担っています。我々は官僚かどうかという立場だけで報道すべきか判断しているのではなく、立場を含め、その発言内容も含め判断して報道している。つまり外相が言ったから報道する、事務次官が言ったから報道しないというわけではなく、外相がおっしゃても報道しないこともあるし、事務次官が言っても報道することもある。しかしながら政府の方針といいますか、外務省の方針としては、官僚というだけで発言は公にさせない、事務次官というだけで発言はさせないとおっしゃっている。それは結局、省内に政治家に対する批判を許さないという雰囲気を作ることになるわけでして、私としては一般的に使われる悪い意味での官僚的な対応だと感じられます。我々は実際に事務次官のご意見をお伺いしたいとしてインタビューを申し込んで実施することもありますが、そういったことも禁止されるということだと思いますが、そういったことをする理由が理解できないのですが、説明していただきたい。

(外務大臣)具体的にどこまで制限するかということは、今日の閣議で議論になりまして、もう一度官房長官のところで基準を示すということになりましたので、それを待ちたいと思います。ただ、事務次官というのは、大臣や副大臣の下にあります。ですから、より責任のある者がきちんと述べれば十分だと思います。

(問)それは1か0かという問題ではなくて、事務次官も仕事を前に考えもあるわけで、我々も意見を聞きたいということがあるわけです。それを大臣が職務上補うからといって、大臣の判断で発言してはならないという職務命令を出されるということは、我々としては報道の自由を制限されていると受けとるわけです。
 もちろん事務次官は大臣の部下ですから、発言するなということで発言できなくなるわけですが、そのことを考え直していただきたいということなんです。

(外務大臣)事実関係については懇談という場があるわけですから、そこで聞いていただければいいわけです。政策、最終的な意見に当たる部分については、政治家が行うというのが、我々内閣の方針です。

(問)我々は政治的な部分だけではなく、公の場面で責任ある発言を聞くという権利というか、国民に対する責任を持っているわけですから、色々な政治家にも聞きますし、次官にも聞きますし、色々な方にも聞きます。

(外務大臣)それは考え方の違いですね。イギリスなどでも官僚の発言というものは、制限されています。

(問)政治家として積極的に発言したいという訳ですが、この一方的に書かれた紙を拝見すると、大臣会見は週2回となっています。これまでも週2回実施しているので、発言の機会は増えない訳です。オープンにするといいながら、外務省として情報を発信する機会を減らしている訳です。

(外務大臣)減らしているというのはどういう意味ですか。

(問)これまで大臣が2回だとすると、それに加えて事務次官の会見もあったわけですが、事務次官の会見はやめるし、大臣の会見は増やさない。時間の点でも我々の考え方は受入れられない。

(外務大臣)事実関係を聞いてから質問してもらいたいと思います。事務次官の会見は失くしますが、副大臣の会見は増やします。

(問)事務次官の会見の代わりに副大臣の会見を行うということですか。

(外務大臣)副大臣の会見を増やすということです。

(問)取材の関連なのですが、今日は事務次官の定例懇談がある日ですが中止になりました。国際協力局長の定例懇談も中止になりました。他にもいくつか中止になっております。何か大臣との間で懇談をやらないといった指示はあったのでしょうか。

(外務大臣)全くありません。初めて聞きました。

鈴木議員の衆議院外交委員長就任
(問)今日、新党大地の鈴木宗男代表が衆議院の外務委員会での委員長選任のやりとりにおいて、自民党の方から、あっせん収賄罪で裁判継続中の被告人を役員につけた前例がないと反発がありましたが、それについての受け止めと感想をお願いします。

(外務大臣)様々な意見があると思いますが、我が党としては賛成をして、そしてすでに決まりました。自民党が反対されたのは事実です。

(問)鈴木宗男議員は外務省の幹部の方を実名で告発したりしましたが、そういった方が外務委員長のポストに就いたことをどう考えられるのか。今後、鈴木氏は密約や報償費の問題で調べたいと言っていますが、全面的に外務省として協力されるのでしょうか。

(外務大臣)委員長人事は、委員が決めることですので、それに対してコメントをするべきではありません。党として賛成をしました。また、様々なことをおっしゃられていますが、委員長として言っておられるのか、政治家として言っておられるのかよくわかりませんが、委員長が委員長の権限の中で行われることには当然協力していきたいと思っています。

米軍基地再編問題
(問)北沢防衛相が、現実的には県外ですとか、国外移設については難しいのではないかという考えを会見で述べられたのですが、これについて外相はどのようにお考えになりますか。

(外務大臣)これから様々な交渉があることなので、最初からいろいろな発言を、政府内の調整なしに言うのは、ややいかがなものかという感じがします。

(問)米軍再編について伺います。報道各社とのインタビューで、年内が一つの判断基準だという回答がありましたが、その判断対象というのは、建設関連の予算を付けるかどうかということを判断することなのか。それとも辺野古以外の移設先を年内に決めるということまで決める判断なのでしょうか。

(外務大臣)相手のあることなので、具体的に交渉を始めてみないと分かりません。

(問)それでは何に対する判断なのでしょうか。

(外務大臣)(年内に)予算の話はありますので、予算を付けるということは現状のまま進めていくということを意味すると思いますので、そうするかそうしないかという意味で、年内がひとつの判断基準だと申し上げました。

北朝鮮拉致問題
(問)拉致問題についてお尋ねします。鳩山内閣では中井さんが拉致問題の担当大臣に就任されましたが、外務大臣との役割分担がどうなるのか。北朝鮮は宋日昊朝日国交正常化交渉担当大使が、拉致問題解決の基準について議論、整備すべきではないかと日本のメディアに対して語っているのですが、拉致問題解決の基準について大臣はどうお考えでしょうか。

(外務大臣)北朝鮮側がどのような思いで言われたのか、私は承知しておりませんので、今それに対して特にコメントする用意ができておりません。中井氏とはコミュニケーションを良くして、連携を取りながら進めていきたいと思っております。(日本側の拉致問題担当大臣については)従来も拉致問題担当という職がおかれていたので、基本的にはその役割分担を踏襲してやっていきたいと考えております。

新大臣を迎える会
(問)今日、外務省で新大臣をお迎えする会が予定されていましたが、中止されました。その理由と、大臣として所属の官僚一人一人に対してメッセージを発する機会は大切だと思いますが、そのあたりどういう風にお考えでしょうか。

(外務大臣)来週一週間出張するので、今日是非やりたかったのですが、副大臣が正式に就任する前に行うのはいかがなものかと。私だけでやるのではなく、副大臣、政務官そろってやった方がよいという中で、(副大臣が認証式のために)皇居に行く前にやるのはいかがなものかということです。

国連総会等への出席
(問)ニューヨークでの国際会議について、新しい政権として岡田外務大臣は、様々なアピールをされると思うのですが、岡田外務大臣が特に強調してアピールされたいことはありますでしょうか。

(外務大臣)相手によって変わりますが、私自身としては、当面の課題として3つあげましたが、地球温暖化の問題、アフガニスタン・パキスタンへの復興支援はグローバルな問題でありますので、そういう点について強調したいと考えています。後は相手によって、二国間の問題とかになると思います。

(問)CTBT(包括的核実験禁止条約)発効促進会議に米国も10年ぶりに参加するということですが、どのようなことを我が国として主張されますか。

(外務大臣)米国が、(CTBT発効促進会議に)参加するということは、大変意義深いことだと思います。私も核の問題については、少なからず関心を持っており、取り組んで参りましたので、オバマ大統領のプラハ演説もありますが、核廃絶に向かって具体的にどういうアクションを世界がとるべきかについて発信していきたいと思います。

(問)国連総会において、安保理改革ということが非常に重要になるのではないかと思います。これまで日本外交は常任理事国入りを目指してきた訳ですが、岡田外務大臣としては、安保理改革についてどう臨まれますか。

(外務大臣)外務大臣に就任して2日しか経っていないので、どういう機会を捉えて安保理改革を実現していくということまで議論した訳ではありませんが、日本自身、常任理事国になるということは、私は当然のことだし、国益に合うと思っていますので、そういう方向で努力していきたいと思います。

核の先制不使用
(問)大臣は先日の会見でも、核の先制使用は認めるべきではないという考えを示されましたが、本日のキャンベル米国務次官補との会談の議題になったのでしょうか。あるいは、今後政府間の議題にするのはいつ頃のタイミングとお考えでしょうか。

(外務大臣)本日は議題になっておりません。様々な課題がある中で、どういう優先順位を付けていくかということだと思います。私が当面注目しているのは、(核不拡散・核軍縮国際委員会の)エヴァンズ・川口両共同議長によるレポートが広島で発表されることとなっています。そのレポートの中でどのように触れられるのか、まずそういう点がきっかけになるのではないかと思っています。

温暖化に関する閣僚委員会
(問)20日(日曜日)に温暖化に関する閣僚委員会があると思いますが、どのようなことを議論され、(大臣は)どのような主張をするつもりでしょうか。

(外務大臣)先方からご連絡を頂いたばかりで、どういうテーマになるのかを聞いていませんので、何とも申し上げられません。民主党自体では既に考えはまとまっておりまして、鳩山総理が代表の時代にそのことを明らかにされました。2020年に(温暖化ガスの90年比)25%減ということを明確に言われました。そう言うことを前提に、何をどういうタイミングで行うべきかということが議論の中心ではないかと想像しています。私から言えることは、きちんと決められたことをやりましょうというしかありません。私自身が温暖化委員会の本部長として、責任をもってやってきたことでもありますので、そのことをしっかりやっていくということを強調したいと思っています。




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