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2009.07.22|記者会見

民主党幹事長としての定例記者会見(09年7月17日)

岡田 克也幹事長/定例記者会見要旨
2009年7月17日(金)

★会見の模様は民主党ウェブサイトでもご覧になれます。
300k⇒ http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090717okada_v300.asx
 56k⇒ http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090717okada_v56.asx

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○解散・総選挙へ:与党の混乱で国民が政治に失望しないよう、しっかり政策論争を
○与党の混乱:もっとしっかりしろ!
○民主党候補は浮かれることなく、真摯に真面目に国民に政策を訴えていく
○日米間の懸案:まず両国トップの信頼関係をつくり上げ、優先順位を付けて協議
○インド洋給油活動:政権交代後にしっかりと現状把握の上、対応を決めていく
○分裂含み:複数のマニフェストが出れば、自民党は終わったと国民は判断する
○共産党の衆院選基本方針:民主党の態度は変わらない
○非核三原則:国民への説明と米国への説明が違ったとなれば議論が必要になる
○社民党との関係:選挙が終わるまではお互い琴線に触れる発言は控えるべき
○田中康夫氏の鞍替え:憶測で物を言わぬ、決まったときに申し上げる
○西松元社長判決:まだ地裁レベル、現段階であまりコメントしないほうがいい
○キャンベル米国務次官補との会談:今日の然るべきときには明らかに
○代表選規約改正:火曜日の常幹で考え方をご報告したい
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■解散・総選挙へ:与党の混乱で国民が政治に失望しないよう、しっかり政策論争を

【幹事長】私からは特段申し上げることはないのですが、先ほどようやく火曜日の本会議が立てられたといいますか、その方向性が確認されたと聞いています。

ここに来るまでいろいろと混乱もあったように聞いています。ここまで政権与党が混乱して大丈夫なのかという思いがするのは私だけではないと思います。ただ、これでほぼ火曜日の解散そして総選挙は固まったと思いますので、あとはお互いしっかりマニフェストをまとめて、政策論争に入っていきたいと思います。

非常に危機感を持ちますのは、主として与党の混乱ですが、国民の皆さんが政治全体に対して関心をなくしてしまう、あるいは失望してしまうということは大変な状況ですから、そうならないように大いにしっかり政策論争で選挙戦を戦っていきたいと思っています。

<質疑応答>

■与党の混乱:もっとしっかりしろ!
■民主党候補は浮かれることなく、真摯に真面目に国民に政策を訴えていく

【記者】与党内の混乱と、改めて参院選後ようやく解散・総選挙がほぼ決まったが、これまでの期間を振り返ってようやく決まったことに対する感想を聞きたい。

【幹事長】与党の混乱についてはいま申し上げたとおりで、それ以上コメントすることは特にありません。「もっとしっかりしろ!」と言いたいです。

わが党としては、今日までのところほぼ思い描いた展開になっていると思います。でき得れば、今週月曜日に解散することが望ましいと思ってきましたが、内閣不信任案の提出も事前にいろいろ情報が出すぎて、その結果として1週間延びた。つまり、あまりにもそういった情報が出ることで、危機感を持った与党の中でいろいろな抵抗が出てきて、麻生総理としてはただちに解散というにはいかなくなった。先に延びた。

したがって、投票日も8月上旬から8月30日に延びたということはありますが、おおむね我々の思い描いてきたシナリオどおりに物事が進んでいると思っています。

ただ、一部に楽観論がありますが、これからまだ長いですから何が起こるかわかりません。風向きもちょっとしたことで大きく変わるということは2005年の選挙でも経験しているので、しっかりと浮かれることなく国民の皆さんに真摯に真面目に政策を訴えていくことをわが党の候補者にはしっかり求めたいと考えています。

■日米間の懸案:まず両国トップの信頼関係をつくり上げ、優先順位を付けて協議

【記者】これまで民主党の政策で日米地位協定の見直しや普天間基地の県外もしく国外への移転、インド洋の給油活動からの撤退をこれまで訴えてきたが、それを今回の選挙戦でも訴えていくのか。また、アメリカのカート・キャンベル国務次官補が来日しており、幹事長とそういった話をされたのか。

【幹事長】カート・キャンベルさんは古い友人ですが、お会いするかどうかは、いまの段階ではコメントしません。会った場合には、会ったということはお知らせしたいと思いますが、現時点では申し上げません。それから、話の中身はあまりコメントすべきではないと思います。

最初のご質問ですが、基本的には民主党の考え方は変わっていません。ですから、日米地位協定の見直しあるいはインド洋に派遣した艦船について我々は反対したのは事実ですから、普天間基地の国外を含む県外移転ということも申し上げてきて、その考え方が変わったということはありません。

ただ、我々も日米同盟を非常に重視する立場なので、様々な懸案事項がある中で、それを全部机の上に並べて「さあどうだ」と言うことは百害あって一利なしと。

まず、日米間でしっかりと信頼関係を作り上げていく、特に両トップのオバマ大統領ともし我々が政権交代を実現できれば鳩山総理の間で信頼関係を作り上げ、マクロ的な課題、温暖化とか貧困の問題あるいは経済危機への対応などについて同盟国として共同歩調をとっていく。

そういう中で、日米間の懸案についても優先順位をつけて協議していく、解決していくということだと思います。いままで言ってきたことを全部一遍に解決するというのは、喧嘩をするなら簡単ですが、解決しようと思えばお互い話し合いですから、そのことは十分に踏まえながら進めていきたいと思っています。

■インド洋給油活動:政権交代後にしっかりと現状把握の上、対応を決めていく

【記者】インド洋での給油活動については、政権をとった場合でもただちに海上自衛隊を撤退させるという選択肢ではなくて、現行法の期限までは撤退させるという選択をとらないというお考えか。

【幹事長】少なくとも政権を取ったその日に「帰ってこい」と、そういうことはあり得ないわけですから、政権交代をしたあと当然外務大臣も決まります。そして、しっかりと現状把握をして、今後の対応について決めていくということになると思います。

法律上1月まで期間があるということも、1月まで戻すということはないということを申し上げるつもりはありませんが、期限というものがあって現にいま出ているわけですから、そういうことも念頭に置きながら判断していかなければいけないと思います。

■分裂含み:複数のマニフェストが出れば、自民党は終わったと国民は判断する

【記者】自民党内の混乱について、「麻生降ろし」は最終的に両院議員懇談会で落ち着くようだが、自民党はこのまま分裂含みの選挙戦になる可能性があるわけですが、前回2005年の総選挙とは同じではないが、また自民党の動きがクローズアップされるような選挙戦にならないとも言えないが、そういう懸念についてどのようにお考えか。

【幹事長】懸念はしていませんが、ただ自民党として選挙をする以上、例えば複数のマニフェストが存在するということはあり得ないわけで、国民を欺くものです。

したがって、党の中で様々な意見があるでしょうが、それを集約して1つのマニフェストにまとめて、そして自民党として堂々と戦ってもらいたい。姑息な手段をとって、場所、選挙区によって言うことが違う、元になっているマニフェストも複数存在するということは許し難い、国民の目を欺くことだと思います。国民の皆さんもそういったことがもしあったとすれば、それだけで自民党は終わったと判断されるのではないでしょうか。

■共産党の衆院選基本方針:民主党の態度は変わらない

【記者】昨日共産党が発表した衆院選に向けた基本方針の中で、民主党政権が樹立することを前提に課題によって一致できることは一致して、方向性が間違っているものについては防波堤になりたいとの軌道修正をした方針を出したことについてどのように考えているか。また政権交代後の共産党との関係についてそれによって変わることがあるのか。

【幹事長】共産党には共産党のお考えがあっていろいろ言われているのだと思います。我々の態度は全く変わりません、いままでと同じです。

いままでもずいぶんご批判もいただきましたし、同じ野党ということで国会の中で協力することはありましたが、それ以上のものは特にありませんので、そういう状況は変わらないということです。

■非核三原則:国民への説明と米国への説明が違ったとなれば議論が必要になる

【記者】鳩山代表が核の持ち込みの密約について「現実的な対応がなされてきた面もある」と、一定の理解とも取れるような発言をしたが、これについて非核三原則の見直しと絡めて社民党が反発をしているがこれに対するお考えと、今後政権を取った場合に解釈の見直しまで含めて検討されるのか。

【幹事長】非核三原則、特に持ち込みのところについて、政府が国民に対して説明してきたことと、アメリカに説明してきたことがどうも違うということが明らかになりつつあります。それはやはり許し難いことで、そういう二枚舌外交は厳しく批判されなければなりません。

民主党政権になったときにそういう事実があるのかどうかを検証して、そのような事実があれば、その事実を明らかにしていくことは必要なことだと思います。ずいぶん時間も経っていますから、それで国益が損なわれるということはないと思います。

現時点では、核搭載潜水艦以外に艦船で核を搭載したものはないとされていますので、あまり持ち込みの話に焦点が当たるようなことにはなっていないと思いますが、国民に対する説明とアメリカに対する説明が違うということが明らかになったときに、それではどうするのか、どうするかということは、これからの課題として議論していかなくてはならないと思います。

我々としては非核三原則、その中には持ち込みは国民に対して一時的な寄港も通過も持ち込みであると説明してきた事実はありますから、その事実の重さを十分に踏まえたうえで検討していかなくてはならない問題だと思います。

■社民党との関係:選挙が終わるまではお互い琴線に触れる発言は控えるべき

【記者】社民党からは、党の琴線に触れる点について何度も発言されていることについていかがなものかということだが、そういった安保などデリケートな問題について今後どのようにするお考えか。

【幹事長】まだ我々政権交代を実現したわけではないので、我々はそれを望んでいるわけですが、政権を交代して、もし社民党と連立を組むということであれば、社民党からははっきりとした答えというか、方向性はそうかなという感じはありますが、最終的な発言はいただいていないと私は理解しているので、それは選挙が終わってからの話ではないのではないでしょうか。それまではお互いに琴線に触れるような発言は控えたほうがいいと思いますけど。なるべくね。

■非核三原則の見直し:事実関係を明確にしたうえで議論すべき

【記者】非核三原則に関してこれまで二枚舌外交をしてきたことが明らかになり、そのことの整合性を今後どうとっていくのかという議論が必要との話だが、その中で社民党が心配している非核三原則の見直しというのはないと現時点で断言できないか。

【幹事長】事実関係そのものも、実は報道はされていますがはっきりしていません。私が先ほど言ったようなことが果たして事実なのか、つまり、アメリカ側にはこう説明してきたというここの部分がはっきりしないわけですから、事実をきちんと明確にしたうえで議論すべきことだと思います。あまり憶測で物を言わないほうがいいと思っています。

■田中康夫氏の鞍替え:憶測で物を言わぬ、決まったときに申し上げる

【記者】新党日本の田中康夫代表が兵庫8区で出馬されるのではないかとの報道が連日あるが、出馬された場合どのような影響があるのか。また小沢代行の東京12区への国替えについての検討状況について伺いたい。

【幹事長】兵庫8区の話について私は全く聞いていません。したがって、報道以上のことは聞いていませんのでコメントいたしません。

東京12区の話も同じであり、どこの選挙区から出るとか、これこそ議員の琴線にふれることですので、あまり憶測で物を言わないほうがいいと思います。決まったときに申し上げたいと思います。

■西松元社長判決:まだ地裁レベル、現段階であまりコメントしないほうがいい

【記者】今日、東京地裁で西松建設の元社長に対して有罪が下されました。西松建設側から小沢代表代行側へのダミー献金の事実が認定されたということになりますが、この事実についてどうお考えになるか。また21日に解散した場合、今後衆院選への影響について。

【幹事長】私も判決文を読んでいませんし、報道でしか承知していませんので、正確なコメントは控えたいと思います。ただ「天の声」ということに対して裁判所の判決は否定的というか検察の主張そのものではなかったと理解しています。

いずれにしても、まだ地裁レベルでの判決ですので、当然これからも争われることになると思います。途中の段階であまりコメントしないほうがいいと思っています。

衆院選への影響は、判決の中身をよく精査しないとわかりません。ただ有罪判決を受けるだろうというということはご本人も事実を争っていなかったので、当然予想されたことだと思います。

本来の問題というのは、大久保秘書の裁判できちんと議論されるべきことだと思います。

■キャンベル米国務次官補との会談:今日の然るべきときには明らかに

【記者】キャンベル国務次官補とはまだ会談されてないのか。今回言わない理由は何か。

【幹事長】別にそれはありません。今回はどちらかというと公的にお会いするということではありますが、古い友人ですから、少し形式的にというより、実質的にお話ししたいと思っています。

そういう意味では、公的でありつつ私的という、そういう面も持った会談、会見になるだろうと思っています。今日の然るべきときには明らかにしたいと思います。

■代表選規約改正:火曜日の常幹で考え方をご報告したい

【記者】代表選挙の規約の改正について、総選挙までにということだったと思うが、来週の常任幹事会で決定するお考えか。

【幹事長】川端委員長の下で、野田さんに入っていただいて、ご議論いただいてきました。おおむね考え方がまとまってきたので、私としては火曜日の常幹にかけて、こういう考え方がまとめられたということをご報告したいと思っています。

ただ、やるとしてもそこまでで、常幹で議論してこれを承認するとか、そういうところまではたぶん行かないだろうと思います。選挙に入ってしまいますので、考え方だけご報告いただいてあとは選挙が終わってからということになるのではないかと思っています。




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