トピックス

2009.07.13|記者会見

民主党幹事長としての定例記者会見(09年7月10日)

岡田克也幹事長/定例記者会見要旨
2009年7月10日(金)

★会見の模様は民主党ウェブサイトでもご覧になれます。
300k⇒ http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090710okada_v300.asx
 56k⇒ http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090713okada_v56.asx


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○都議選:感触は悪くないが、最後まで気を抜かずしっかり頑張る
○2009年の党員・サポーター:26万5千人が登録、この制度も定着したと思う
○核密約:あくまでシラを切る総理、外相は国民から見れば信任されない
○サミット-先進国だけで80%削減との温暖化長期目標を確認したことは評価
○橋下知事提案:地方の拒否権となると憲法の規定もあり、党内で議論が必要
○不信任案提出の要件・目的:出すときには決断して出す、それ以外言及しない
○不信任案を出す出さないは政治決断、現時点ではそういう決断はしていない
○不信任案提出に対する都議選の影響:コメントしない
○サミットでの総理のリーダーシップ:ほとんど伝わってこない
○都議選で力を入れたい選挙区:1人区や定数の半分を立てているところは重要
○破棄された核密約の検証:隠された可能性がかなりある、徹底的に調べる
○今国会の麻生政権:ほとんど存在感のない総理、自民党内のバトルが目立った
○核のない世界:様々な活動をしてきた者としてオバマ氏のリーダーシップを嬉しく
思う
○核の傘:日本を守るために米国が核を使用するというなら何らかの協議がないとお
かしい
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■都議選:感触は悪くないが、最後まで気を抜かずしっかり頑張る

【幹事長】都議会議員選挙もいよいよ残り少ない時間となりました。私もこれから都
内各地区回ることにしていますが、最後の最後まで力を振り絞って、何とかいい結果
を出したいと考えています。

昨日も、私は2つしか回らなかったのですが、感触は悪くないと思っています。しか
し、大きな選挙区の中で複数人が争う選挙ですので、昨日行った大田区や世田谷区も
8人区で、我が党あるいは推薦している候補者が半分の4人出ているということなの
で、投票率やちょっとしたことで全員当選もあれば複数人が落ちるということもあり
得ると思います。したがって、最後まで気を抜かずにしっかり頑張っていきたいと考
えています。

■2009年の党員・サポーター:26万5千人が登録、この制度も定着したと思う

【幹事長】党からのご報告としては、これは事務的ご報告ですが、2009年の党員・サ
ポーターの登録結果が出たということで、5月30日末現在で26万5.千人ということで
す。すでに代表と私の連名で礼状を発送したところです。

昨年が26万9千人ということで、4千人ほど残念ながら減っていますが、昨年は代表選
が予定された年であったということを考えると、かなりこの党員・サポーター制度も
定着したかなと思っています。

■核密約:あくまでシラを切る総理、外相は国民から見れば信任されない

【幹事長】私から2点申し上げたいと思いますが、1つは今日の朝刊に、情報公開法の
施行前に、核持ち込みに関する密約の関連文書を廃棄したということが伝えられてい
ます。

そのことに対して今朝、中曽根外務大臣は「そういう密約そのものがない。ないもの
はない」とお答えになりました。こういう資料を廃棄するということは、それだけで
犯罪行為です。その可能性があるにもかかわらず、建前だけでこの問題の深刻さを真
面目に受け止めずに切って捨ててしまっている中曽根外務大臣というのは、私は全く
理解できないし情けないと思っています。

そもそも、外務省のOBの発言が最近目立ちますが、それは結局後輩のことも考え
て、この桎梏(しっこく)といいますか、ずっと国会などで違ったことを言ってき
た、そういうものは存在しないということ言ってきたことに対して、ここでやはり変
えなければいけないという思いでOBの皆さんは発言していると思います。

現役の官僚であれば、今まで言ってきたこと違うことを言うことはなかなか難しい、
そこは政治家の判断です。外務大臣や総理大臣が「今まで言ってきたことは、申し訳
ないが違っていた」ということをきちんと勇気を持って認めることしか、この嘘に嘘
を重ねたとされる、断定はしませんがほぼアメリカの情報公開などで明らかになって
いますが、こういう問題の解決の糸口はないわけです。

これだけOBが、ある意味では、勇気を奮って事実を述べているなかで、あくまでシ
ラを切る外務大臣、総理大臣というのはそれだけで私は、言葉に気をつけなければい
けませんが、国民から見れば信任されない内閣だと考えています。

■サミット:先進国だけで80%削減との温暖化長期目標を確認したことは評価

【幹事長】サミットですが、これはということはなかなか、サミット自身の位置づけ
も変わってきていることもあると思いますが、あまり中身がないのではないかという
印象を受けますが、そういう中で、先進国だけで80%以上削減するという温暖化長期
目標、2050年までに80%異常削減するということをお互い確認し合ったことは評価さ
れると思います。

今までは60~80、あるいは世界全体で50というのがありましたが、先進国だけで80と
いうことは評価されることだと思います。

残念だったことは、それを前提にしながらも、世界全体で50ということについて合意
されなかったことは残念ですが、G8限りとはいえ80という数字が確認されたこと
は、一歩前進だと言えると思います。

あとはそういう中で、じゃあ日本が2050年一体どれだけ削減するのか、みんなでは80
削減するが自分だけは別だという論理展開は許されないと私は思いますが、是非麻生
総理がお帰りになったら日本についてどうするかお聞きしたいものだと考えていま
す。

<質疑応答>

■橋下知事提案:地方の拒否権となると憲法の規定もあり、党内で議論が必要

【記者】地方分権に関してですが、先日、大阪府の橋下知事と民主党の地方分権担当
者が会談されて、橋下知事はこれまで民主党が主張していた二層制を撤回したことを
評価して、さらに国が地方に関する政策を決定する場合は地方に拒否権や同意権を与
えてほしいと要求して、原口ネクストキャビネット総務担当が「マニフェストに入れ
たい」と発言したんですが、実際にマニフェストに入れることを検討する考えがある
のか。また橋下知事の評価をお聞かせ下さい。

【幹事長】橋下さんは非常に存在感のある知事ですから、私もいつも発言について傾
聴しています。ただ、知事の中でも様々な意見があることも事実、知事会としても1
つにまとまっている部分と様々な意見が分かれている部分もあると思います。

今回のことに関して言うと、協議機関を設けるということは我々の政策の中にすでに
入っています。そういう中で、「拒否権」ということの中身にもよりますが、協議す
るということは協議が調わなかったときにどうするかということはもちろん問題にな
るわけですが、そのことについてどうするかということは、我々はまだ決めていませ
ん。

国には法律制定権があり、法律は条例に優先すると現憲法ではなっていますので、そ
ういうことを含めて、党の中で少し議論が必要な問題ではないかと考えています。

■不信任案提出の要件・目的:出すときには決断して出す、それ以外言及しない

【記者】不信任決議案についてですが、昨日菅代行は船舶検査法や臓器移植法など法
案の成立とは必ずしも関係しないという言い方をされて、一方で鳩山代表はその辺の
成立を待ってという考え方を示唆しています。不信任を判断するにあたっての前提と
なる要件があるとお考えなのかどうか。そもそも不信任を出すとしたら、幹事長とし
てはその目的をどのようにお考えか。

【幹事長】私の発言は一貫しています。内閣不信任案は出すときには決断して出すと
いうことです。それ以外言及することは不信任案の価値そのものを減じるので、私は
言及しないということです。

不信任案を提出するにあたっての基本的には責任者である私がそう述べているわけで
すから、そのことでお答えはしていると思います。

■不信任案を出す出さないは政治決断、現時点ではそういう決断はしていない

【記者】冒頭のご発言で、外交文書廃棄の問題1つを取ってみても信任されない内閣
であると…

【幹事長】「国民に」ね。そこは注意深く使い分けたつもりですよ。

【記者】なるほど。現時点ですでに不信任に値する内閣だというお考えではあるとい
うことでよろしいでしょうか。

【幹事長】いまの麻生内閣が国民から信任されていないことは明らかです。しかし、
不信任案を出す出さないというは、そういう中で1つの政治決断ですから、現時点で
はそういう決断はしていないということです。

■不信任案提出に対する都議選の影響:コメントしない

【記者】週末12日に都議選の投開票がありますが、それが不信任、問責提出に与え
る影響についてはどのようにお考えか。

【幹事長】ここで「影響がある」と言うと、じゃあどういう場合どうだという質問に
なると思いますので、そのことも含めて私はコメントしません。

■サミットでの総理のリーダーシップ:ほとんど伝わってこない

【記者】冒頭でサミットへの言及があったが、外交を得意と自認している麻生総理が
悪戦苦闘しているとも伝えられているが、麻生総理のサミットの場でのリーダーシッ
プ、日本の代表としての姿勢についてどのようにご覧になっているか。

【幹事長】ほとんど伝わってこないですね。我々も詳細を承知しているわけではあり
ませんが、テレビの画面などで出てくる、座っているオバマ大統領に話しかける麻生
総理、まさかあれが「協議」ということではないと思いますが、別途何らかのディス
カッションは行われたのだと思いますが、そこはよく分かりません。

それは日本国民としては、オバマ大統領と日本国総理大臣が協議あるいは会談したと
いうことであれば、それはああいう姿ではないと思いたい。

そうでないとあまりにも寂しすぎますよね。

■都議選で力を入れたい選挙区:1人区や定数の半分を立てているところは重要

【記者】都議会選挙について幹事長として注目している、あるいは力を入れたいとい
う選挙区があれば教えてください。

【幹事長】特にここがということはありません。しかし、まず1人区は非常に重要で
すね。そして、あとはたくさん立てているところ、基本的には私はそういうところし
か回らないことにしていますが、先ほどの大田区や世田谷区のように推薦候補も合わ
せて定数の半分を立てているところとか、1人区、1議席を争っているところとか、そ
ういうところが非常に重要だと思います。

■破棄された核密約の検証:隠された可能性がかなりある、徹底的に調べる

【記者】先ほどの密約廃棄の話ですが、資料がもうないとなった以上、政権を交代し
た場合にどのように検証するのか、どうしていくのか具体的な案はあるのでしょう
か。

【幹事長】本当になくなったかどうかは分かりません。隠されている可能性もありま
す。普通は本当に捨てるということはしないだろうと、どこか別のところに隠された
可能性がかなりあると思いますので、それは徹底的に調べるということです。

政権が交代した良い機会なのでここで正直に出すということは、当事者として考える
のではないかと。いつまでも違うことを言い続けるということは辛いことですから、
総理や大臣がきちんと受け止めるということであれば、出てくるのではないかと思っ
ています。

■今国会の麻生政権:ほとんど存在感のない総理、自民党内のバトルが目立った

【記者】国会の会期末に近づいていますが、麻生政権、自公政権についての評価をお
聞かせください。

【幹事長】いろいろ手を変え品を変え、同じことを聞こうとしているように思います
が(笑)、まだ会期末ではありません。時間もあります。ですから、これから法案が
それぞれどうなるかということもありますが、ほとんど存在感のない総理だったとい
うのが、この国会をずっとやってきての私の印象です。記憶に残る発言というのはほ
とんどないのですが、ただ1つ、オバマ大統領のプラハ演説に対して、今まで聞いた
中で「最も心打たれる」だったか「印象に残る」だったか忘れましたが、演説だった
と言われた、それだけは私記憶していますが、他に何か総理として発信をされたとい
う記憶が私にはありません。

国会の対決もさることながら、自民党の中のバトルが目立った国会ではなかったかと
思います。やはり自分たちで選んだ以上、選んだことに責任を持つべきだと思います
が、今は都議選の最中ということもあって少し治まっているようですが、ほぼ圧勝と
いう形で麻生総理が誕生しながら、みんなで足を引っ張っている姿に対して、国民の
皆さんが基本的に自民党はもう終わったと感じているのではないかと思います。

■核のない世界:様々な活動をしてきた者としてオバマ氏のリーダーシップを嬉しく
思う

【記者】G8の首脳声明で、「核のない世界を目指す」という声明が発表されました。
また、オバマ大統領が来年の3月に核安全保障サミットを開催したいという考えを発
表しました。岡田幹事長は       北東アジア非核地帯構想を掲げています
が、こうした一連の世界での動きについての受け止めをお聞かせください。

【幹事長】北東アジア非核兵器条約だけではなくて、核議連(民主党核軍縮促進議員
連盟)を3年前に作って様々な活動をしてきた者として、そういうオバマ大統領の
リーダーシップは非常に嬉しく思っています。

私が従来から言っているのは、その条約の話に加えて、核の先制不使用、そして核非
保有国に対する核使用の禁止ということですが、そういう問題についても是非、これ
から二国間あるいは多国間で議論していってもらいたいと考えています。

■核の傘:日本を守るために米国が核を使用するというなら何らかの協議がないとお
かしい

【記者】核の傘についてアメリカと真剣に話さなければならないということが出てく
ると思いますが、その点についてどのようにお考えでしょうか。核の傘によって日本
は守られているという部分があると思いますが、そういう現状からもう一度話し合う
お考えはあるのか。

【幹事長】核の傘について、現状では核の傘の下にあることは事実です。ただ、例え
ば日本を守るためにアメリカが核を使用する、あるいは、その可能性があるというこ
とをもって抑止にするということが核の傘ですが、実は日米間ではほとんど議論でき
ていないと思います。

私が常々不思議に思っているのは、例えば日本の基地から直接発進行動をとる場合の
事前協議制度というのがあります。これ自身かなり形骸化しているとは思いますが、
同じ発想でいえば日本を守るために核を使うということになれば、日本政府に対して
何らかの協議がなければおかしい。

勝手に先制使用とか言って、ブッシュ政権のときには核の先制使用ということを言っ
ていましたが、日本を守るためと称して核を先制使用されてしまうと。そうすると核
の報復は日本に来るということもあり得るわけで、やはりそこは核の傘という以上、
どういう場合に核を使用するかということも含めて、日米間でその前提となる情報も
含めて、きちんと共有しなければならないと思います。そういうことがほとんどでき
ていないと私には思えます。




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