ホーム > トピックス > 国会会議録 > 平成20年10月07日 第170回国会 衆議院予算委員会 「解散総選挙、地球温暖化、靖国参拝に関して」

トピックス

2008.10.07|国会会議録

平成20年10月07日 第170回国会 衆議院予算委員会 「解散総選挙、地球温暖化、靖国参拝に関して」

岡田委員 民主党の岡田克也です。
 まず、国政の基本に関することで幾つか総理に質問したいと思います。
 福田総理が、前総理が突然おやめになりました。私、あの突然の記者会見を見ておりまして、どうも納得がいかない、だんだん腹も立ってきました。つまり、なぜおやめになったのかの説明がほとんど私にはわかりませんでした。そして、国民に対して、やめることについての謝罪がありませんでした。
 総理は、あの記者会見、あるいは、福田総理がそういった理由の説明もなくおやめになったことについて、どう思われますか。

麻生内閣総理大臣 これは、総裁選挙に入りました後、ほとんどの会場で私の方からおわびかたがたお話をさせていただいたところでもあります。
 ちょっと例は二つある、もう一方の方は病気というので少し事情は違うとは思いますが、いずれにしても、二回続けて任期半ばにして内閣総理大臣の職をやめるということに関しましては、これはいろいろな意味で国民に御迷惑をおかけした結果を招いておるということは確かだと思いますので、その点に関しましてはおわびを申し上げます、そのように申し上げたところです。
 理由につきましては、ちょっと私に聞かれてもお答えのしようがないんですけれども、あれで、うんと言われた方もいらっしゃいますし、そうじゃない方もいらっしゃるということで。私にとりましては、その後続けて政治の空白をあけることなく直ちにというのが私に与えられた仕事でもありましたので、当時は幹事長でしたので、幹事長としてその後の総裁選挙を速やかに行うことに全力を挙げておりましたので、内容を分析したというのは、正直なところ、そんなに詳しく分析したわけではありません。
 ただ、何でもそうですけれども、やめるときの決意というのは極めて重たいものだ、私自身はそう思って、それ以上を申し上げるつもりはございません。

岡田委員 やめることは確かに重いことです。しかし、当時幹事長の職にあった麻生総理にとって、なぜやめるのかということは当然問われたと思うんですけれども、国民に対してきちんと説明されるおつもりはありませんか。

麻生内閣総理大臣 基本的に、幹事長として、その前のときも幹事長、在職期間は、一回目が二十四日、二回目が三十一日と、幹事長というのはなかなか長く務まらぬものだなと改めて、私には向かぬ職なのかなと正直思いながら二回目は伺いましたけれども、正直、二回目の方は驚きました。これは正直なところです。ただ、驚きましたけれども、私どもとしては、直ちにいかに対応するかを考えました。いろいろ自分なりに真剣に考えた上での結論だと言われましたので、それ以上深く理由を追い求めたわけではありません。

岡田委員 安倍さん、そして福田さんと、一年間でそれぞれおやめになったわけですね。もちろん本人の事情あるいは資質の問題もあるかと思いますけれども、やはりそれを支えるだけのものが自由民主党になかった、そういうことをもって私は、もう自由民主党は政権政党としては落第だ、こう思うんですが、いかがですか。

麻生内閣総理大臣 そこは見解が違うと存じます。
 基本的に、やめられた、病気その他いろいろ、お二方、それぞれ理由は違います。ただ、それによって直ちに自由民主党に政権担当能力がないと短絡的に結びつけるつもりはございません。

岡田委員 先ほど来聞いておりますと、要するに、福田さんがおやめになった理由を説明するつもりはないと。御存じないはずありませんからね、当然引きとめられたはずだし。そのことだけはわかりました。
 さて、この予算委員会、今審議をしておりますけれども、一時期、総裁選挙のさなかで、麻生さんは自分は一言も言っていないというふうに言われていますけれども、与党の幹部の中で、総裁選挙で盛り上げて、そして新総裁が選ばれれば、その余韻のある間に直ちに解散、十月二十六日ないしは十一月二日が投票日だ、こういう話が大分ありましたよね。(発言する者あり)でも、これは別にマスコミが勝手に言ったんじゃなくて、与党の幹部も確かに言っていますよ。
 そういう、予算委員会すら開かずに冒頭で解散するという考え方は、私は議会人としていかがなものかと思いますが、総理はどうですか。

麻生内閣総理大臣 解散については、与野党の中でも今がいいとか御要望がいろいろありましたのはよう知っております。野党の方からもなるべく早くやれという御要望もいろいろありましたし、与党の中からもあったのはよう知っておるところではありますが。
 私は、岡田さん、今、世の中というのは、選挙よりは、やはり、リーマンが表に出たんですけれども、結構ずっと長く続いておりましたからよく御存じのとおりなので、これはぐあいが悪くなるだろうなと去年のうちから思っていない方は、よほど経済とかそういったものがお詳しくない方だと思いますよ。だから、そういった意味では、金融問題がこれだけ大きくなれば実物経済にかなり影響が出てくるであろうということは多くの方が思っておられた、私はそう思います。
 したがって、ことしの初めぐらいから急激に景気感が悪くなってきたという意識がありますので、私は全国回らせていただきましたけれども、やはり景気に対する不安というものは物すごく強く感じております。特に、東京周辺よりは地方の方が大きい、私はそういう感じが強くしますので、そういった意味では、今この種の景気対策というものをやらないと、これは先ほどの松本先生の御質問だったと記憶しますが、一九二九年以来のというお話があっておりましたが、私も、あれに匹敵するほどの大きい、しかも今回ヨーロッパもかなり巻き込んでおりますから、その意味では日本に影響は必ず出てくるであろうと思っております。
 そういった意味では、目先、やはり景気対策とか、そういう金融対策とかいうものが優先されるべきものだ、私自身はそう思っております。

岡田委員 ですから、我々、この補正予算の審議をいたずらに引き延ばすつもりはない、そのことははっきりと申し上げているわけでございます。もし本当に金融危機も含めて前からわかっていたということであれば、本来であれば、この補正予算の中にそういうことも含めて当然提出されるべきであったというふうに思うわけです。
 景気の問題があるということはわかるんです。しかし、麻生総理、ちょっと恐縮ですけれども、麻生総理の今のこの内閣の位置づけというのは、仮免内閣とか選挙管理内閣と言う方もいますけれども、基本的に国民の信を得ていない、そういう内閣ですね。安倍内閣や福田内閣が弱かったのも、やはり選挙を通じて選ばれた総理じゃなかったということだと思うんです。そういう意味では、しっかり選挙をやって、そして、自信がおありなら、基盤を固めて、そういった根本的な金融経済対策も含めておやりになったらいいと思うんですが、いかがですか。

麻生内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、どのみち来年の九月十一日までには任期満了ということになりますので、それほど先行き長くないということなんだと思います。
 それでありますから、当面、今急いでおります景気対策、特に、これも先ほどの松本先生の御質問だったと思いますが、年末の資金繰り対策など、我々が今回のものをつくらせていただいたのが八月の二十八日だか七日だったかと記憶します。
 リーマンの話が表に出て騒ぎになりましたのが九月の十五日、半ばぐらいだったと思います。その後、わっと広がって、AIGの方はアメリカは何とかしましたけれども、波及効果は結構大きくて、ヨーロッパの方で取りつけ騒ぎが起きたりいろいろしておりますのは、もう御存じのとおりです。ヨーロッパの中で協調もできておりませんから、いろいろヨーロッパの中でも荒れておるのも御存じのとおり。
 こういったもので今のところ日本もそれの直接被害が金融のシステムとしては出てきていないのは、我々としては過去の経験則に習った、学習したからだと思います。
 ただ、問題は、これから先どういったことになってくるかというのをよく見きわめてちゃんと対策をしておかないと迷惑をかけることになる。それをきちんとしないで、はい、解散というのを国民が望んでいるかといえば、私は、それよりはまずは景気対策だろうというお気持ちの方が強いというように思いますので、政府としてはそれにきちんとこたえた上での解散ということが正しい道筋ではないか、私自身はそう思っております。(拍手)

岡田委員 随分拍手が沸きましたけれども、わかりやすく言えば、やはり、選挙の結果に対する調査の結果が、今そのときにあらずということなんじゃないですか。その段階で急に政府の考え方が変わったというふうに私は思っておりますけれども。
 さて、では次に、地球温暖化についてちょっと申し上げたいと思います。
 地球温暖化問題に対する総理の基本的な考え方をお聞きしたいんです。所信の表明の中でもいろいろ言われましたけれども、私は、福田総理と比べて大分思い入れが少ないのかな、さらっというふうに聞こえてしまうんですけれども、地球温暖化問題についての総理の基本的な考え方をお聞きしたいと思います。

麻生内閣総理大臣 所信表明の中では、問題を絞りましたので、この種の話を申し上げませんでしたが、これは、日本にとってはいろいろな意味で、成長の制約になるという説もありますけれども、環境技術とか、またそれに関連いたしますエネルギー効率、フュエルエフィシェンシー、燃料効率の話は今、日本は世界一、アメリカの二倍、中国の八倍、ロシアの十八・五倍の燃料効率、これはIEAが発表している数字ですけれども、そういうような日本のすぐれた技術というものは、これは世界が日本並みにしてもらえさえすれば明らかにCO2は下がりますし、石油の消費量も減りますし、いろいろな意味で日本の技術というものは海外に伝えられる。逆に言えば、成長産業になり得る分野。
 また、いろいろなところで水が足りなくなったり、水がもたなくなったりしておりますのがいっぱいありますけれども、我々も、かつて、東京湾にはもうほとんど生物がいないとかいう騒ぎになった時代もありました。それをきちんと、多くの住民の協力を得、また廃棄物のいろいろな規制をし、いろいろな再生技術をやって、結果的には東京湾の一部にはキスがすんでいるというところまで回復してきたというのは、住民の努力やら技術の進歩やら、ありとあらゆる努力の結果なのであって、日本が世界に誇れる環境技術というものは大きなものなのであって、ぜひ日本並みにしてくれ、おれたちは少なくとも国土の七五%、七〇%が緑で覆われているんだ、そういったようなところは堂々ともっと誇ってしかるべきところではないかと思っておりますので、私は、これを制約要因とは考えず、むしろ成長要因と考えるべきというところが多分福田総理とは少し違うのかもしれません。
 私は、これは決して悪い話ばかりではありませんということをずっと申し上げておりましたので、そこは少し違っておるかもしれませんけれども、基本として成長と両立し得るものだと思っておりますので、この話というものは関心としてはかなり強い分野の一つであります。

岡田委員 この地球温暖化の問題を、成長にとっての制約要因じゃなくて成長要因である、経済にとっての、そういうふうに考えるべきだというのは私も同じ。恐らく福田さんも同じだったと思うんです。
 ただ、今お話しになった中で、若干私なりの感想を申し上げると、確かにGDP原単位はかなり日本はいいんですね。ただ、一人当たりで見るとOECDの中で平均値です、日本は。それから、GDP原単位というのは為替とかいろいろなもので変わるわけですから、私は、余り楽観していると、いつの間にか追いつき追い越せになってしまうんじゃないかというふうに考えております。
 今、総理は日本に関して言われたんですが、私は、この温暖化の問題を考えるときに、日本にとってどうかということも大事ですけれども、それ以上に、人類にとってどうか、あるいは地球全体にとってどうか、そういう視点が大事だと思うんです。そういう視点から考えて、この温暖化の問題について総理はどういうふうに考えておられるか。

麻生内閣総理大臣 まことにおっしゃるとおりだと思います。
 今、伸び盛りの国というんですか、何とか新興国の中で、中国の十三億、インドの十億等々、人口の大きな国において経済成長の発展の真っ最中。したがって、生活が、自転車からモーターバイク、モーターバイクから自動車というように変わっていくと一人当たりの石油消費量が激増するという流れの中にあってということを考えますと、やはり地球全体でそういった新興国の経済成長をちゃんと考えながら、かつ、いわゆるCO2だ、SOxだ、NOxだということを考えていかないかぬということになると、これはなかなか先進国の都合だけじゃいかない。そういったところも考えてどうするかというのが、これこそ国際協調だと思います。
 少なくとも、過日行われた洞爺湖サミットに、各国みんな、私の表現を言わせていただければ、水を飲みたくないと言っていた人をとにかく水飲み場までみんな連れてきて、みんな水は飲もうという約束まで取りつけられたことは、あの洞爺湖サミットは評価されてしかるべき一つの会議だったと、多分後世言われると僕は思いますが、今のところ、何となく日本における評価は低い。
 しかし、少なくとも、中国を含めてあの会議に出てきて一兆円の話をしておりますので、私は、今おっしゃるように、今後とも、岡田先生、やはり海外と連携をとりながら、そういった人口の多く、今発展を急激にしつつある国々との間の連携を密にしない限りは成功はしない、何となく数値だけ決めてこういうふうにしようといったって、実行を伴わなければ意味がありませんので、そういったところまで考えるのにいろいろなことを我々は考えていかなければならないし、これは多分、日本がリーダーシップをとってでも、どうしてもこれはやるべきということを言い続ける必要があるのかなという感じがいたしております。

岡田委員 そこで、世界全体がこの問題をクリアしていくために、やはり、数値目標といいますか、数字が一つ極めて重要になると思うんですね。二〇五〇年に世界全体で温暖化ガスの排出量を半減するというのは安倍さんも主張されたところだし、福田さんも、そしてG8サミットでも、まあ不十分ですけれども、先進国の中で共通認識になったということであります。
 当然、麻生総理も、二〇五〇年半減、世界全体で半減ということは前提に考えておられると思いますけれども、福田総理の時代に、二〇五〇年に日本自身として六〇から八〇%削減ということを言われたわけですね。この点については、認識は共通されていますか。

麻生内閣総理大臣 六〇から八〇。二五から四〇じゃないですか。(岡田委員「それは二〇二〇年。二〇五〇年の話」と呼ぶ)僕は、ちょっと正直、今その数字を詳しく持っていないんで。どれですか。
 済みません、間違えました。
 基本的には、二〇五〇年、今から四十二年先に六〇から八〇という数値目標を掲げておって、これはみんな合意しておるわけですので、この点につきましては、今後ともその線に沿って努力していくというのは当然のことだと思っております。六〇から、あれが六〇でしたっけね、六〇でやり続けるというのは当然だと存じます。

岡田委員 二〇五〇年、六〇から八〇という数字は、国際的な合意はない。ただ、福田総理はそれを言われたということですが、違いますか。

麻生内閣総理大臣 そのとおりです。

岡田委員 ちょっと、今お聞きしていると、心もとないな。二〇五〇年の数字が、福田総理の言われた数字がまだ頭に入っておられないかなという感じですけれども。
 二〇二〇年に、これは中期目標の話なんですね、福田総理は、今は言わないとサミットの前に言われたんですね。今は言わない、しかし、来年には日本も設定をする、こういうふうに言われました。
 この二〇二〇年の中期目標を来年設定するということについて、総理は同じ考えなのか、そして、その際にどういう数字を考えておられるのか。

衛藤委員長 まず、先に環境大臣斉藤鉄夫君。

岡田委員 いや、総理の考えを聞きたいんです。環境大臣には後で聞きます、私。環境大臣じゃなくて総理に聞いているんです。

衛藤委員長 予算委員長が裁きますから。先に大臣。

岡田委員 総理の考えを聞いているんです。環境大臣の考えは聞いていない。総理に聞いているんです、総理に。

衛藤委員長 委員長の議事整理権に従ってください。

岡田委員 いや、総理に聞いているんです。環境大臣には後から聞きますから、いいです。要りません。総理、総理。

衛藤委員長 先に環境大臣斉藤鉄夫君。

斉藤国務大臣 委員長の御指名ですので、お答えさせていただきます。(岡田委員「総理、お答えください。総理、総理の考えを聞いているんです」と呼ぶ)

衛藤委員長 内閣総理大臣麻生太郎君。

麻生内閣総理大臣 今御指摘のありました二〇から四〇の件につきましては、来年にこの話を、半ばごろでしたか、来年中にこの中期目標を設定するということに関しましては、実行させていただきたいと思います。
 今後とも、これは、オープンというか開かれた場所で有識者等々お集まりいただいて会議をしていただくことになっているのは、少なくとも日本の国の持っているのを削減できる可能性というものと、その実現のためのコスト、幾らかかるんだという話等々は、我々としては詰めないかぬところだと思いますので、言うだけなら簡単ですけれども、実行しないとどうにもなりませんので、そのためにどうするかという、コスト等々を含めて両方検討させていただくということにいたしております。

斉藤国務大臣 二〇五〇年に地球全体の二酸化炭素排出量を半減させる、これは、G8でも共同の目標として持とうということが合意されたところでございまして、人類の歴史上大きなステップだと思っております。
 地球全体で半分にするということであれば、先進国はもっと減らさないといけないということで、日本として六〇から八〇%削減する、これは低炭素社会づくりアクションプランの中に政府・与党として決めたところでございます。
 そして、その目標を達成するために、いわゆる中期目標が必要になってまいります。この中期目標をどう決めるかということにつきましては、二〇二〇年から三〇年の間に地球全体の排出量をピークアウト、頭打ちにして、二〇五〇年までに半減させる、そのためには先進国はより強い努力が必要でございまして、いわゆる科学者の集まりであるIPCCは、日本が二五から四〇%の削減が中期目標として必要であろう、このように言っております。
 今後、このIPCCの結論等をよく踏まえながら、日本はセクター別アプローチという手法を提案しておりますけれども、その手法を使って中期目標を定める、これを来年の半ばぐらいには政府として提案したいと思っております。

岡田委員 斉藤さんにもう一つお聞きしておきますけれども、環境大臣になる前に随分いろいろな環境のシンポジウムで御一緒しましたね。そのときに公明党の政調会長として言われていたのが、二〇二〇年に最低でも二五%削減するということを公言されていたと思いますが、そのお考えは今も変わらないですか、大臣になって。それとも、大臣になって考えが変わられたんですか。

斉藤国務大臣 産業革命の前は、大気中の濃度は数万年にわたって二八〇ppmでした。ずっと一定でした。産業革命が始まって、どんどんいわゆる石炭、石油を燃やし始めて、今、三七〇まで上がっております。これを将来四五〇とか五〇〇ppmまでに安定化させなければ、抑えなければ地球は破滅を迎える、これがほぼ、九〇%以上の科学者が確認をした科学の結論でございます。
 そのためには、先ほど申し上げた二〇五〇年の目標、そして、その二〇五〇年の目標を達成するためには、日本、先進国として、中期目標を、二〇二〇年ないし三〇年の間に二五%から四〇%減らさなくてはいけないというのが科学からの要請でございます。
 政治は科学の要請に謙虚でなくてはならない、このように思っておりまして、そういう目標に向かって努力をする、このことが必要だ、公明党の政調会長時代、そのように申し上げておりました。
 今回の自民党と公明党の政権与党合意の中に、科学の知見を大切にして中期目標を定める、そして来年のしかるべきときにこの中期目標を発表する、このように政権合意が成ったところでございます。
 公明党の政調会長のときと言うことが違ったではないかということでございますが、公明党のときは、それが正しいと思っておりました。今も、科学の要請は尊重しなくてはいけない、政治は科学に謙虚でなくてはいけない、それは当然変わっておりませんが、政府の責任者という立場になりました。
 また、これから最も大切なのは、アメリカ、中国、インドを巻き込んでいくことです。その巻き込むときに、こちらの手のうちを最初に出してしまうと、その巻き込みもうまくいかないというようなことも予想されます。結果的にこの中印米を巻き込んで国際的な枠組みができるように、全力を挙げてまいります。

岡田委員 長々と御答弁されましたけれども、公明党の政策責任者のときは二五%削減と言ったけれども、政府の一員となった今は二五という数字は言えない、こういうことですね。簡単に言えばそういうことだと思うんですよ、今のお話は。
 そこで、麻生大臣にちょっとお聞きしますが、先ほどコストがかかると言われましたね、コストがかかると。確かに、いろいろな、省エネとか代エネ、代替エネルギーの導入とか、そういうことをやっていく中で、いろいろな意味でのコストがかかるというのはわかるんですけれども、それは、単なるコストではなくて、総理、最初におっしゃったように、成長のための一つのエンジンにもなる、こういうことだと思うんですね。
 例えば、ハイブリッドカーをこれからたくさん入れる、あるいは電気自動車をたくさん入れないとクリアできないと。それは、その分追加的なコストかもしれませんけれども、しかし、たくさん入れれば費用も下がっていきますし、そのことによって、炭素に依存しない、そういう経済成長ができるのであれば、それはプラスの面もあるので、単にコスト、コストと言ってマイナスであるかのような言い方というのは私はいかがなものかと思いますが、どうでしょうか。

麻生内閣総理大臣 おっしゃるとおりです。
 ただ、商売をやっておられた、あなたが商売しておられたわけではないが、商売しておられるのでおわかりと思いますが、コストというのは、資金繰りからいきますと手前にコストがかかりますので、その点も考えないといかぬ。これは現実的な話でそう申し上げているだけであって、これがマイナス要因だからできないと申し上げているつもりはございません。

岡田委員 そこで、ちょっと具体的な問題を一つお聞きしたいと思うんですけれども、今、日本は、京都議定書で、地球温暖化ガスの排出量を九〇年比六%削減という義務を負っております。しかし、現時点では、六・二%プラスということになって、このままではとても責任を果たせない、そういう状況にございます。
 そこで、例えば、一九九〇年から二〇〇六年までの、最近値の二〇〇六年までの、六・二%ふえたその内訳を見ますと、CO2排出量では十一・四億トンから十二・七億トンへと一・三億トンふえちゃっているんですね。六・二%の内訳というのは、一・三億トンの増ということになります。しかし一方で、石炭火力だけで一・三億トンCO2の排出量がふえているんです。だから、この間の、一九九〇年から二〇〇六年までのこの伸び、ほとんどすべてを、一〇〇%近くを石炭火力の伸びで説明できてしまうんですね。
 この間、十数年間、ひたすらに石炭火力を新設し、あるいは稼働率を上げてきた、そのことは私は政策の大きな失敗だと思うんですが、いかがですか。

斉藤国務大臣 今、岡田委員おっしゃるとおり、一九九〇年における二酸化炭素排出量は十一億四千四百万トン、二〇〇六年度ですけれども、十六年たって約一一%ふえまして十二億七千四百万トン、一億三千万トンふえました。これは全体の量です。そのうち石炭は、一九九〇年度三億九百万トンでしたが、二〇〇六年度に四億三千七百万トン、四二%ふえております。これも約一億三千万トン。
 この間、日本がふやした二酸化炭素排出量のほとんどを石炭火力が持っている。これは、原子力がうまく回らなくなって、事故等で回らなくなって、その分を石炭火力で補っているというふうな特殊要因もございますけれども、基本的に、電源を多様化していくという基本戦略、それと一九九〇年代から始まりました電源の自由化、エネルギーの自由化、この二つの大きな要因があろうかと思います。
 そういう中で、私は、この石炭火力を一〇〇%否定するつもりはございません、エネルギーセキュリティーの観点から、賦存量の多い石炭についての存在を認めていくということは重要ですけれども、しかしながら、今後は、この古い石炭火力を置きかえることによって、大幅に二酸化炭素排出量を低減できるでありますとか、石炭ガス化複合技術などや、それから二酸化炭素の回収、貯蔵、こういう技術と組み合わせて二酸化炭素排出量を大きく低減させる、そういう技術と組み合わせた石炭火力ということでないと国民の理解は得られない、また京都議定書の達成に貢献することにならない、このように思っておりますので、そのような姿勢で臨んでいきたいと思います。

岡田委員 私は、これは本当に惜しいことをしたと思うんですよ。一九九〇年から二〇〇六年まで六・二%ふえてしまった、その増分は、石炭火力の増設や、それから原子力の稼働率が下がったことで石炭火力の稼働率を上げたということも含めてですけれども、これでほとんど一〇〇%説明できてしまう。
 逆に言いますと、一九九〇年の段階で、確かに石炭は安いし安定的だというメリットはありました。しかし、そこにもう一つ温暖化という視点を政府がきちんと出せば、石炭火力の新増設ではなくて、再生可能エネルギーをドイツのように積極的に入れることで、少なくとも、六・二%ふえるんじゃなくて、フラットにはなったと思うんですよ、一九九〇年と同じだけにはなったと。そのチャンスをわざわざ逃してしまったんですよ。これは明らかに政策の失敗なんですよ、政府の失敗なんですよ。
 ですから、これからはもう少しそういったことも配慮するということだと思いますけれども、私は、京都議定書、京都という名前がつくこの国際的な約束事をこのままいくと日本はとても守れないような状況、その原因の一つはやはり政府がつくり出したんだということ、そのことをしっかりと認識していただく必要があると思いますけれども、総理、何かお考えありますか。感想ありますか。

麻生内閣総理大臣 今言われた数字は、先ほど斉藤大臣の答弁のとおりなんだと存じます。ほとんどの分が石炭ということなんだと思いますが、多様化する一端として、今言われてみればそのとおりでしょうが、やはり原子力発電を使えなくなったところは大きかったし、いろいろな意味で、後追いになりますけれども、ああすればよかった、こうすればよかったという点はいろいろ今になれば思い当たらないわけではない。まことにおっしゃるとおりだと思いますが、今後はそういったことも配慮してやっていくべきという御指摘は正しいと存じます。

岡田委員 先ほどから、中期目標の話とか二〇五〇年の数字の話を総理としていますと、まだ温暖化の問題をきちんと認識されていないのかな、そんな気がしてならないわけで、ここはやはり全人類的な課題、私は、政治の中で極めて大きなプライオリティーを持った問題だと思いますから、しっかりとこの温暖化の問題に取り組んでいただきたい、そのことを申し上げておきたいと思います。
 そして、それは単に姿勢だけの問題ではなくて、例えば温暖化税、炭素税をどう考えるか、あるいは排出権取引をどう考えるか、あるいは再生可能エネルギーを例えばドイツのように価格を高く設定して入れていくというような仕組みをどう考えるか、そういうことを具体的に進めていかなければならない、こういうふうに思うんですけれども、いかがですか。そういうお気持ちはありますか。

麻生内閣総理大臣 これこそ経産省やら環境省が細目詰めつつあるところだと思いますが、取引の話やら何やらは今月中か来月中かにスタートさせていただこうと思って、とにかく試行錯誤の話でありますので、排出権取引の話は今、目先一番近いとは思いますが、そういったところを少しずつでありますけれども確実にやらせていただこうと思っております。
 細目につきましては、環境大臣の方から伺っていただければと存じます。

岡田委員 この問題にこだわりますけれども、例えば排出権取引一つとっても、強制的なキャップをかぶせないんです、今の試行というのは。自分でキャップをつくる、それでは意味がないわけです、やはり強制的にキャップをかぶせる中で取引をしていかないと。そういう意味で、極めて今対応がおくれているということを申し上げておきたいと思います。
 さて、ちょっと靖国神社の問題についてお聞きしたいと思います。
 総理は、二〇〇八年二月号の雑誌「諸君!」の中で、「断固、総理大臣は靖国参拝すべきだと思う。」「総理大臣が靖国に参拝しないのは異常」であるというふうに発言されましたが、今も同じ考えですか。

麻生内閣総理大臣 靖国神社のあり方につきましては、雑誌にも書きましたし新聞にも書きましたし、いずれもお読みいただきまして、ありがとうございました。
 これにつきましては、僕は、基本的には靖国神社というものが政治の場で話題になるのが最大の問題だと思っています。これは、最も静かなところに置かれるべきものが政治問題になっているところがこの国にとっての不幸なところだと思いますし、祭られている方々にとりましても甚だ迷惑この上ないと思っておられると、私自身はずっとそう思っております。
 その上で、靖国神社が宗教法人であるがゆえにという点が多々問題になっているところでもありますので、あの論文の中にも書かせていただきましたが、少なくとも、靖国神社というところが、とうとい命を国家のためにささげてくれた人々を国家が最高の栄誉をもって祭るということを禁止しているかのごとき状況は明らかに偏っている、間違っている、私自身はそう思っております。
 したがって、その上でこの問題を、一宗教法人に丸投げしてきたような形のこれまでのところが最大の問題なんだと思いますので、私どもは、このあり方につきましては、これは一概に一宗教法人にこちらが介入してどうのこうのとか言える立場にはないのは御存じのとおりでありますので、行政府としてこの宗教法人のあり方についてどうのこうのというのは、こちらから今言える立場にないというのが現在置かれている状況、その上でいろいろな話をしていただかないかぬところだと存じます。

岡田委員 今総理が言われた、国家のために命を亡くされた方々あるいはその遺族の皆さんに対して最大の敬意を払うべきことは当然だと私も思います。そして、こういう問題を余り政治の場で声を荒げて議論したくないとは思います。しかし、やはり基本的な、憲法の原則にかかわることであれば議論しなければいけないこともあるというふうに思います。
 今説明された総理のお考えについては後ほど御質問したいと思いますが、総理は現時点で、靖国神社に参拝するお気持ちはあるんですか、ないんですか。

麻生内閣総理大臣 私として、今この場で行くとも行かないともお答えをすることはないということだと存じます。これはずっと、多分同じ答えを、外務大臣のときも同じようなことを申し上げていたと思いますので、総理になってもその立場は同じであります。

岡田委員 さて、総理の言われた、靖国神社を非宗教的なものにすると。
 総理は、靖国の名称をもともとの招魂社にでも戻して宗教法人を任意解散し、管轄を政府に移管して国が追悼行為を行うべきだ、こういうふうに言われていますね。もちろん、総理も言われるように、これは宗教法人である現在の靖国神社がみずから自主的にやるということが前提で、国が強制できることではありません。
 しかし、もし靖国神社にその意があるとしたときに、こういった考え方、つまり国の施設にしてしまうということ、私は非常に違和感を持ってこのお話を聞くわけですけれども、これは信教の自由との関係というのはどうなるんですか。

麻生内閣総理大臣 これはかかって、あれは遺族会等々がみんなでやっておられるところも多々ありますので、遺族の方々の意思というのは極めて大きいと私は存じます、そう思っております。
 したがって、靖国神社に祭られておられる方々は、靖国神社で会おうという前提で戦死された方が多いと存じますので、その意味では、遺族の方々の意思というものは極めて尊重されてしかるべきだ、私はそう思っておりますので、政治家がどうしろこうしろと言う種類の話ではない、そう申し上げております。
 宗教法人であるがゆえに難しいということでありますので、それならば、別の第三者法人というのであれば、神社という名前が問題なのであれば、靖国廟でも結構でしょうし、招魂社でもよろしいでしょうし、いろいろな形があろうと思っております。
 これは私の意見を押しつけるつもりは全くございませんので、こういった意見につきましては、広くいろいろな方々の御議論をいただいた上、結論を得ていただければと存じます。

岡田委員 総理にお聞きしたいんですけれども、例えば、靖国神社の名称を変えるとか、あるいは宗教法人を解散するということであれば、今の靖国神社、そういうふうに変えるということであれば、それで宗教性は除去されるというふうにお考えなんですか。

麻生内閣総理大臣 これは、重ねて申し上げますが、私の方で変えろとかやめろとか言う立場に全くありませんので、ちょっとその点に関しましてはお答えのしようがありませんが、少なくとも遺族並びに宗教法人靖国神社で考えていただかねばならぬところだと存じます。

岡田委員 私は、この靖国神社というのは、亡くなった兵士の霊を、その遺族の霊ではなくて国家神道下の神霊として祭っているものだ、今はもう国家神道はないとしても、それは靖国神社がいわば神様として祭っているものだというふうに思うわけですね。そこの部分はいかにしても変えようがないとすれば、それは国の施設にすることはできるはずがないというふうに思うわけです、そこに宗教性というのは残っていますから。
 ですから、私は、総理の御提案というのは、憲法の定める信教の自由というものに対する基本的な理解を欠いているんじゃないかというふうに思うわけですよ。
 今総理は、みずから述べられた考え方について、いや、それは遺族の皆さんのお考えに任せるということで、いわば逃げておられるわけですけれども、一度雑誌にきちんと書かれた以上は、明確にお答えいただきたいんですよ。これは、信教の自由との関係はどうなるんですか。

麻生内閣総理大臣 これを書きましてから大分たちますけれども、いまだかつて、岡田先生含めまして、正式な文書での反論をいただいたことは、実は一回もありません。必ず来るものだと思って私は待っておったんですけれども、この二年間、全く何もならずにここまで来ました。どうしてですかね。ここまで待っておられたわけですか。
 私は、そういう意味で、ここまで待っておられるほど辛抱強いようにはとても思えないんですが、少なくともこの話に関してはいまだかつて御異論をいただいたことがありませんので、そういった御意見もあるというのは私どもとして参考にさせていただきますけれども、私の意見としてはあれを申し上げたということで、そういった、宗教法人としてはどうかとかという意見も含めまして、私は意見としてあのとき書かせていただいたということでありまして、これは内閣総理大臣として書いたわけでもありませんし、少なくともあのときに自分として雑誌と朝日新聞と両方書かせていただいたと思いますが、それが今の私の申し上げているところであります。

岡田委員 いや、私がお聞きしているのは、亡くなった兵士の霊を神として祭るという、これは、国家神道であるにしろ、そうでないと考えるにしろ、一つの宗教であります。そこの基本骨格が変わらないまま国の施設にするということは、それはあり得ないことだと私は思うんですが、いかがですかと聞いているわけです。

麻生内閣総理大臣 考え方としてはいろいろあろうと思いますが、少なくとも、亡くなられた方々は、そういう約束で皆あのころは、政府がお約束をした、その前提に基づいて亡くなっておられる、戦死しておられるんだ、私はそう思います。
 あと、こちら側の都合でもう神じゃないよというようにしろという御意見のように聞こえますが、私は、それはかなり死者に対していかがなものかなと正直思いますので、いろいろな考え方があろうと思いますが、これはいろいろ御議論いただければよろしいんだと思っております。

岡田委員 総理は私の言うことをわかってかわからずか誤解しておられるんですが、私は、神でなくせと言っているんじゃないんです。そういう、神であるということを前提にして国の施設にすることは無理だと言っているわけです。今の靖国神社のままならいいんですよ。だけれども、それをそういう宗教性を持ったまま国の施設にするということは、信教の自由からいって無理だと言っているわけです。無理なことを総理が堂々と雑誌に書いておられるから、それは思慮が足らないんじゃないかということを言っているわけですよ。いかがですか。

麻生内閣総理大臣 これは御存じな上で聞いておられるんだと思いますが、これは宗教法人の話ですので、我々として何ら強制することはできないんです。したがって、これは靖国神社側で考えていただく、もしくは遺族会で考えていただく以外に方法はない。それも雑誌に書いたと存じますが、そういったことでありますので、今の御意見は岡田さんの御意見として拝聴させていただきます。
 だからと言われましても、これは自分の意見として申し上げておりますが、重ねて申し上げます。最終的には、これは靖国神社という宗教法人とそれを支えておられます遺族会で判断をしていただく以外に方法はないのではないかと申し上げております。

岡田委員 それはすべての議論の前提ですよ、もちろん。そのことを前提にした上で、あえて麻生太郎としての考え方をわざわざ雑誌に書かれたわけでしょう。
 ですから、何といいますか、軽いんですよ。軽いんです。政治家としてみずから意見を出したのなら、そのことを堂々と説明してもらいたいんですよ。そんなに総理になる前となってからでころころ変わるんじゃ困るんですよ。政治家としての信念を持って語っていただきたいんですよ。今全く説明していませんね、総理もよくわかっておられると思いますけれども。そのことを申し上げておきたいと思います。
 さて、残された時間も余りございませんが、分権について一言聞いておきます。地方分権です。
 総理は、分権について、知事や市町村長には地域の経営者になってもらわなければならない、そのため権限と責任を持てるようにすると所信表明で言われました。
 ところが、小泉政権のもとでの三位一体改革、そのときの総務大臣が麻生総理その人であります。あの三位一体の改革は、私は、知事会初め地方六団体がかなり頑張って自分たちの案をまとめたけれども、その後、霞が関でがたがたにされて、結局、ほとんど意味のないものになったと思うんですね。そのときの責任者が麻生さんです。
 なぜあのとき失敗したんでしょうか。そして、あのとき総務大臣として取り組みながらまとめ切れなかった麻生さんが、どうして総理になればできるんですか。お答えいただきたいと思います。

麻生内閣総理大臣 三位一体の改革のときには、補助金の削減と三兆円の税源移譲と地方交付税の見直し、これが多分三つ一緒だったと思いますが、これによって、地方の自主性とかいわゆる主体性を高めるとともに、国と地方との間で財政の健全化をかなり進めることができた、三兆円は間違いなく行きましたから。それは、いまだかつて全く前例がないほど、三兆円の税源移譲というのは、国税が地方税に三兆円を一挙に移したというのは過去に例がありませんから、その意味では地方税財政改革の第一歩になったことは間違いない、私は基本的にそう思っております。
 しかしながら、結果として、地方交付税の削減という問題ができましたので、財政力というか財政指数の弱い小さな地方行政体においては厳しいとの声が上がったのも事実であります。私の選挙区を含めてそうですから。
 しかし、これからの地方財源のあり方とか地方税制のあり方というものにつきましては、これは今からいろいろ詰めていかないかぬところだと思います。少なくとも、地方分権改革推進会議等々において目下議論中だと理解をしておりますが、それの勧告を踏まえて、こういった問題は、今後、自主的な地方財源を確保するという観点からさらに進めていかれるべき問題なんであって、全体としては、いわゆる地方自治権に基づきました道州制とか地域主権型の道州制というのが、最終的な方向として、そちらの方向に向かうべきものだと私自身はそう思っております。

岡田委員 三兆円の税源移譲は私は評価しています。ただ、問題は四兆円の国庫補助負担金の改革なんですね、私が言ったのは。これを小泉総理は知事会と地方六団体に丸投げして、けんけんがくがく議論して、まとまらないと思ったけれども案がまとまってきた。それをそのまま受け入れるかと思ったら、また霞が関にそれをほうり投げて、結果的には似ても似つかないものになったということだと思うんです。
 小泉総理とも議論したことがありますけれども、例えば児童手当制度について、国の補助率が三分の二だったのが三分の一にした。これは何の意味もないわけですね。地方の負担は倍になった、しかし権限は国が持ち続ける、こういうことですから、補助金改革としては零点。こういう話が非常に多かったわけですよ。具体的に国が権限を放すことはなかった。この失敗をまた繰り返すんじゃないかということを私は指摘したわけです。
 四兆円の国庫補助負担金改革については失敗であったということは、お認めになりますね。

麻生内閣総理大臣 補助金の改革の点につきましては、これは基本的に、補助という言葉ではなくて、地方交付税なり地方交付金なりいろいろな形があろうと思いますが、そういった全然別のものにして一切補助とかいう関係を切るべき。三分の一だったものを五分の一にするとか十分の一にするとかいったって、補助金という名前がくっついて十分の一の関与があるといろいろ差し込んでこられる可能性があるから、それはやめるべきなんですということはずっと申し上げたところで、これはいろいろやり合って、その後は外務大臣にかわっておりますので、何ともそこのところ、最終権限までは私も残念ながら負い切れなかったところではありますけれども。
 この補助金の制度というものに関しましては、基本的に、補助金という制度から、地方が自主的に決める、そういった方向に行くのが正しい流れだと存じます。

岡田委員 ここのところがきちんとしないと、我々は一括交付金ということを言っておるわけですけれども、地方の権限がふえませんから、地方の自由度がありませんから、結局何の意味もない。同じ失敗を繰り返さないようにということを申し上げておきたいと思います。
 最後に、総理、これをごらんください。わかりますか。これは二〇〇五年の総選挙の自民党の公約。(麻生内閣総理大臣「民主党がつくったのかと思った」と呼ぶ)これは自民党です。「郵政民営化なくして、小さな政府なし。」
 まず、「小さな政府」というのは、二〇〇五年の自民党のキャッチフレーズだったんですね。しかし、総理は所信表明の中で「簡素にして国民に温かい政府」と言っておられるわけですよ。総理は「小さな政府」という考え方についてどう思われているんですか。

麻生内閣総理大臣 簡素になると小さくなるんだと、私自身はそう思っているんですけれども。小さいという表現じゃないとということは思わないので、郵政民営化なくして簡素な政府なしと書いていただいてもよろしいんだと思いますが。
 少なくともこういった形で、私は小さければいいというものでもないのではないかと。なぜなら、福祉の話がよく出ますけれども、福祉の場合は、今、小福祉・小負担を求めているのが国民の声かというと、私は、そうではないんじゃないかと。傍ら、北欧のように高福祉・高負担かというと、そうでもない。日本の場合は、行き着くところは、何となく中福祉・中負担かなという感じを正直な実感として持っております。
 したがって、小さな政府イコール小負担・小福祉ということになろうと存じますので、そういった意味では、簡素にして温かい政府という表現を使わせていただいたんですが、少なくとも、簡素化されたものというのは、流れとしては正しいと思っております。

岡田委員 あと、「改革を止めるな。」と。あるいは小泉総理は、改革なくして成長なしと。麻生総理は、緊急な上にも緊急の課題は日本経済の立て直しであると。大分トーンが違うんですね。
 前回の総選挙のときに、私も非常にびっくりしたんですが、今まで改革ということとはほとんど関係のなかった自民党の候補者の方が、ほとんどの方のポスターに改革と書かれたんです。それで、今度の選挙のときに一体何人の人が改革と書かれているかというと、それは、見れば一目瞭然だと思うんです。
 私は、マニフェストというものはやはり選挙のときの国民に対するお約束ですから、「改革を止めるな。」と言って進んだのが、いつの間にか、緊急に大事なのは景気対策ですよと。それだけ変わっていることに対して、少なくともきちんと説明責任がある、そういうふうに思うんですけれども、総理、この「改革を止めるな。」ということを二〇〇五年に約束したことに対してどういうふうにお考えでしょうか。約束は果たされたというふうにお考えでしょうか。

麻生内閣総理大臣 平成十七年度のいわゆる郵政選挙と言われるときのマニフェストというものを見ますと、行政改革のところでは、郵政民営化、これは、法律が成立しておりますのは、平成十九年十月に民営化ができ上がっております。公務員改革、同じく十九年の六月にこれは法律が成立しております。政策金融公庫につきましても、これは二十年十月に政策金融機関は四つを一つにする等々、いずれも行政改革が進んだというのは事実だと思っております。
 また、非正規労働者対策といってパートタイム労働法の改正とかフリーター常用化プランを実施させていただきましたし、社会保険庁につきましても、今、廃止し分割するという改革法が既に成立をしたところであります。
 あの当時、外交につきましてもマニフェストに書かせていただきましたが、防衛庁の省昇格も平成十九年一月に成りましたし、インド洋におけます、イラクにおけます自衛隊の活動等々も同じ。
 いずれにいたしましても、まだまだ道半ばなところはあろうと存じます。例えば、持続可能な社会保障制度の構築、食料自給率の向上、教育の質的向上、少子化対策、地球温暖化対策など、いずれも書かせておりますが、これはまだ道半ばなものだと思います。未達成のものにつきましては、引き続き努力をしてまいるのは当然だと存じます。

岡田委員 それぞれの選挙区で有権者の皆さんは、二〇〇五年に候補者が何を訴え、そして今回何を訴えるか、そこにきちんと整合性があるか、そのことは、もちろん我々民主党も含めてしっかり見られているということを申し上げておきたいと思います。
 以上です。




TOP