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2004.09.27|マスコミ

マリコのここまで聞いていいのかな 232回

民主党代表に再選した岡田克也さん。
先の参院選では議席を大きく伸ばし、「まじめ」「カタブツ」というイメージが功を奏したように思われます。「政権をとる!」と意を決する民主党は、女性支持率がいまいちなのが課題の様子。
女のシビアさを熟知する林さんの意見に、じっくり耳を傾けていた岡田さんでした。

岡田克也★民主党代表
おかだ・かつや 1953年、三重県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省に入省。90年、36歳で衆議院選挙に出馬し、初当選。93年、自民党離党後、新生党、新進党を経て、98年、民主党の結成に参加。党政調会長、党幹事長を歴任し、今年5月、民主党代表に就任。7月11日の参院選で民主党は比例区で第1党となり、自民党の改選議席を上回った。8月30日に告示された民主党代表選では、無投票で再選された。

国民にかなうはずのない夢を 見せた小泉さんは、罪ですよ

林 きょう、自民党本部の前を通ってからこちら(民主党本部)に来たんですけど、もうじき政権を取りたいという政党の本部にしては……。

岡田 はあ。

林 うっそーって感じ(笑い)。入り口にお巡りさんがいっぱいいる自民党本部と違って、ここはお巡りさんもいないし。

岡田 だって、悪いことしてないですから。(笑い)

林 でも、狭くないですか?

岡田 このぐらいでちょうどいいんですよ。だいいち、お金がありませんしね。党の建物にお金を使うなんて、もったいないですよ。

林 建物ぐらいはもっと華やかでもと思うんですけど(笑い)。岡田さん、参院選前に急遽、代表に決まったとき、「岡田じゃカタすぎて勝てない」なんて、さんざん言われましたよね。

岡田 いろんなことを言う人がいますからねえ、常に。

林 でも、選挙が近づくにつれて、マスコミも民主党優位に予想して、街頭のおばちゃんたちも、「キャッ、いい男だねえ」なんて言っちゃったり。

岡田 ハハハハ。いままで、不当に扱われてきたんですよ。

林 ずっと「まじめ」「カタブツ」って言われてましたものね。

岡田 それも、イメージが偏ってるんですけどね。

林 ホントは違うのにって?

岡田 まあ、ねえ。(笑い)

林 ふつう、「おカタい」って言われると、テレビのバラエティーに急に出ちゃったりして、変にパフォーマンスするじゃないですか。それをしなかったのが勝因の一つだと思いますけど。

岡田 向かないことをしても失敗するだけですから。(笑い)

林 参院選の開票のときも、大躍進したのにほとんど笑顔がなくて。

岡田 われわれの志はそんなに低くないですよ。あの選挙は、われわれが政権を取るまでのプロセスですからね。皆さんにあれだけ支持していただいた以上、次は必ず政権交代するという責任が、あの瞬間に生じたわけです。責任重大ですよ。

林 ニコニコしていられる状況じゃない?

岡田 いまのこの国の状況、たとえば財政一つにしたって、絶望的状況ですからね。地方を合わせた長期債務残高が720兆円というだけで絶望的な気分なのに、そういうことに本気に取り組むなら、まなじりを決しなきゃいけないですよ。政治家がニヤニヤ、ニコニコしてる余裕はないんじゃないか、それぐらいこの国の状況は厳しいと思いますけどね。

林 この前の参院選は、「反自民」という思いで民主党に投票した人って多かったですよね。民主党というだけでフレッシュなイメージがついて。民主党から立候補した人、すごく得してる気がしましたけど。

岡田 自民党よりはね。そもそも、自民党は候補者がたくさん埋まっていて、若い人はなかなか立てませんから。二世、三世の方が結果的に優先されてますので、優秀な若手が民主党に集まっているのは事実です。

林 そうかもしれないですけど、一方で、民主党に限らず、タレント候補なんか見てると、「この人に国政を任せていいの?」って思っちゃうような人もいましたけど……。

岡田 そうですか……。

林 それに、民主党に風が向いてるからってだけで、立候補したいという人、いません?

岡田 そういう人、僕らは求めてないです。自民党を批判して立候補したけど、タイミングがきたら自民党に移ってしまうという人、多すぎますから。いまの閣僚の顔ぶれを見たって、そういう経歴の方がけっこういらっしゃいますよ。

林 候補者の見極めって難しいとは思うんですけど、一定レベルの人を立てるのって大変ですよね。岡田さん、女性議員を増やしたいっておっしゃってますけど……。

岡田 民主党の支持率は、男性のほうがいまでも高いんです。少し解消しましたけど、これからは女性に支持される政党でないといけないと思うんで。先月発表した党改革の中でも、女性の国会議員をいまの1割から10年後には3割に持っていくとか、地方議員も含めて女性の候補者を増やすことを提言してるんです。

林 でも、女性の候補者ほど難しいと思いますよ。美人すぎても反感買いますし、高学歴すぎるのもねえ。女は女に厳しいですから。(笑い)

岡田 今回の参院選で、惜しくも議席に届かなかった女性候補がいるんです。選挙の途中で見てると、女性の支持が男性の支持より低かったりして……。ちょっと驚きました。

林 女性って、嫉妬深いし。

岡田 僕はそういう言い方はしませんけど……。(笑い)

林 小説家ですから、つい意地悪く考えちゃって(笑い)。「この人、オジサン議員にちやほやされて喜んでそうだわ」って感覚的に思うと、もう、票は入れない。

岡田 コワいですね?。

林 コワいですよ?。候補者に限らず、女性の見る目はシビアですよ。私、以前、民主党の「政権を獲得したときの閣僚名簿」で、がっかりしたことがあったんですよ。こういうのだったら、女性に受けるんじゃないかって安直に考えられているようで。

岡田 以前のは、選挙が終わった段階でいったん解消してます。

林 ホッ、とか言って。(笑い)

岡田 あれも難しいんです。民間から登用する場合、具体的に政権を取る可能性がないと、名前を出すことになかなか了解していただけないんで。いまは党の国会議員だけで構成しているものがあるので、政権を取ったらそれがベースになると思います。
しかし、われわれが政権を取ったときは、もっと幅広く民間からも登用したいと思うんです。林さん、ひとつ大臣にいかがですか。

林 いいんですか? じゃあ、文部科学大臣、なんて(笑い)。こうして岡田さんにお話をうかがっていると、民主党も政権までもうそこまでという感じがしますけど、そう思ってダメだった歴史が何度となくありましたよね。でも、今回は違う?

岡田 党が一丸となれば、必ず政権が取れると思います。細川政権のときは7党8会派だったんですが、場合によっては社民党の力を借りたとしても、基本的には民主党一党ですから。政権を取れば、かなり安定した運営ができます。

林 疑ってるわけじゃないんですけど、ホントに、いまの民主党ってうまく固まってるんですか。

岡田 この前の参院選の前にグッと固まって、その状態が維持されてます。僕は当選5回ですけど、議員の多くは当選1回から3回で、6回以上というのは十数人しかいないんですよ。当選回数の多いわれわれがしっかりしていればまとまるし、まとまらなければ政権は取れないと思います。その意味で、小沢(一郎)さんとの関係が重要なんです。

林 小沢さんが意地悪してるという巷の声がありますけど……。

岡田 (首を振って)そんなことありませんよ。

林 このあいだ、岡田さんが臨時国会の初日にアメリカにいたんで、小沢さんが怒られて、だから代表選で協力しないんだ、なんて記事もありましたよね。

岡田 いろいろ書かれましたけど、みなさんが思っているようなことはないです。小沢さんは政策の人ですから、政策がどうなんだと議論はしますけど。

〈誰とも食事しないなんて つくり上げられた姿です!〉(岡田)

林 じゃあ、民主党が政権を取ったとしたら、いまのところ岡田さんが総理になるわけですよね。夜、寝る前に、「総理になって初めての所信表明演説はこうしよう」なんて、考えてみたりします?

岡田 まずは、2年間の代表任期中に、民主党がいかに政権を担える政党に育て上げるかが最大の仕事ですからね。かりに総選挙があって総理になったときに、その職が務まるだけの準備をすることは当然必要ですけど、でも、まだまだ足りない。大変な努力がいると思います。ただ、「森(喜朗)さんや小泉さんでも務まったんだから大丈夫だよ」と言う人もいますけど。(笑い)

林 おっ、言いましたね(笑い)。最近、岡田さんの小泉さんに対する発言のトーンがキツくなってきたように思いますけど、いよいよライバルとして視野に入ったわけですか。

岡田 ライバルってことじゃないです。ただ、もうちょっと仕事してほしいですよね、小泉さん。

林 岡田さん、自民党時代は小泉さんと仲よかったんですか。

岡田 まったくつきあいありませんでしたね。彼は政治改革反対派のリーダーでしたから、僕とは対立してたんです。彼が厚生大臣だったときに、私は野党で、厚生委員会の責任者だったものですから、国会で議論する機会がけっこう多かったんですよ。そのとき、小泉さんから「メシでも食わないか」と誘われたんですが、お断りしたんです。

林 あら、断っちゃった。

岡田 立場がありますから。厚生委員会の責任者をやめたあと一度だけ2人で食事をしましたけど、それっきりですね。僕、けっして小泉さんのことは嫌いじゃないですよ。自民党では従来と違うタイプですから、そこは好意を持って見てたところもあるんです。ただ、総理として見たときに……。

林 注文をつけたくなる?

岡田 いろいろ言われるのはいいんですけど、実績がともなってませんからね。国民もそれがだんだんわかってきた。いまの自民党の中ではあれが限界なのかもしれませんが、国民にかなうはずのない夢を見させたというのは罪ですよ。

林 例の年金問題で、岡田さんが言わせたという、「人生いろいろ」発言とか。

岡田 ああいうことを是認するのが許されないんですよ。別に昔のことをほじくり出したいんじゃなくて、「総理なんですから、国会の中で謝ったらどうですか」と言ってるんです。そしたらあの発言が出たので、私も怒ってしまったんです。

林 けっこう、怒ってましたよね。

岡田 厚生年金は国民年金に比べると有利な扱いですから、自営業の方でうらやましく感じる人がいるわけですよ。厚生年金に入りたいけど入れない人から見たら、許せないはずです。これから自営業の人が名前だけ借りて会社員になるという人が出てきたときに、政府も厚生労働省も「ノー」と言えなくなりますよ。それを開き直ってああいうふうに言われるとねえ。総理としての自覚を欠いてるんじゃないかと思いますね。

林 小泉さんが総理になったとき、「あの軽さがいい」「話がわかりやすい」なんてみんなが持ち上げてたのに、いま、魔法がとけたみたいにいろいろ言われてますよね。

岡田 もう、魔法はとけたんじゃないですか。

林 岡田さん、通産省をやめた直後に国民年金に入ったそうですけど。

岡田 翌日から入ってるんです。2ヵ月ぐらい期間があって、さかのぼれるんで、さかのぼったのかやめた翌日に役所に行って入ったのか、記憶がありませんけど、いずれにしても、すき間はないです。

林 岡田さんらしく、手堅い。

岡田 ふつうですよ。年金が切れたら困るでしょう? 通産省をやめたとき、ちゃんとそう勧められましたよ。それを忠実に実行しただけで。

〈継ぎのある背広着てる! ちょっと感動しちゃった〉(林)

林 通産省時代の岡田さんって、どんな感じだったんですか。

岡田 まじめですよ。

林 やっぱり。(笑い)

岡田 みんなまじめですよ、役所の人間は。

林 私が知ってる役所の人、まじめじゃない人もいますけど。(笑い)

岡田 最近、ちょっと使命感が薄れてるんじゃないですか。もちろん立派な人はたくさんいると思いますけど、いろんな事件を見てると、いったいどうなってるのかと思いますね。リクルート事件で労働省と文部省の次官が逮捕されたじゃないですか。あれはたいへんショックでしたね。使命感と自覚があれば、ああいうことは起こるはずがないんです。

林 通産省をやめて政治家を志したのは、限界を感じたからですか。

岡田 第2次石油危機のときに石油行政を担当してたんですが、ああいうときって国というものを認識するんです。ややおごりかもしれませんが、役人がハンドリングを間違えると、第1次石油危機のようなパニックが起こるわけです。そうならないような対策や危機管理体制を練るんですが、石油行政といっても、通産省の仕事の範囲に縛られるわけですよ。あのとき、志を持った人間が政治家になって国を動かしていかなきゃいけないなと思いましたね。

林 岡田さんは、(スーパーのジャスコなどを展開する)イオングループという大企業の経営者のご子息でいらっしゃって、しかも東大出身ですけど、実業家の道というのもあったんじゃないですか?

岡田 大企業と言っても、生まれたときは地方の中小企業ですから。中学校ぐらいまでは地方の量販店という感じでしたよ。上場するのはそれからずっとあとですし。父親自身も反権力だったんですよ。規制の中で役所とずっと闘ってきて、痛い目にあってきた歴史がありますから。そういうところのDNAは共通してるんじゃないかと思いますけどね。

林 おぼっちゃま扱いされて、お父さま(イオン名誉会長・岡田卓也氏)から援助されてるんじゃないかなんて言われると、ムッとします?

岡田 ハハハハ。いちおう、独立した人格を持ってますからねえ。

林 岡田さんご自身は、財界との強いパイプはお持ちなんですか?

岡田 私個人としては、かなり長くおつきあいさせていただいてる方がいらっしゃいます。経団連の奥田碩会長もトヨタの常務時代からのつきあいですし、経済同友会も、代表幹事の北城恪太郎さんとは最近おつきあいがないんですが、副代表幹事クラスは10年以上のつき合いの方もいらっしゃいますから。

林 党に対してはどうなんですか。

岡田 それは……まだちょっと信用されてないところがありますね。ひと昔前に比べるとだいぶ変わりましたけど。政権政党としてしっかりした存在であることの理解を深めていかなきゃいけないと思ってます。

林 理解を深めるために、会合に出て食事したり、お酒を飲んだりってことはしないんですよね。

岡田 食事ぐらいしますよ。僕が誰とも食事をしないなんて、つくり上げられた姿なんで。

林 あら、すいません。(笑い)

岡田 お酒はダメですけどね。飲むと寝ちゃうものですから。僕がつきあいが悪いと言われるのは、どちからというと永田町よりも、マスコミや経済界のほうのつきあいが広いからだと思うんですよ。

林 マスコミの方というと、朝日や読売のトップの方ですか。

岡田 現場のみなさんの場合がほとんどです。

林 そういう方と侃々諤々(かんかんがくがく)?

岡田 いや、雑談ですよ。

林 岡田さんの雑談って、どういう雑談ですか。想像が……。(笑い)

岡田 雑談はしますよ(笑い)。ナベツネさんがどうだとか、オリンピックの話とか。アテネ五輪では、僕の地元の三重県から、金メダリストを2人出しましたからね。

林 えっ、どなたとどなた?

岡田 レスリングの吉田沙保里さんと、マラソンの野口みずきさん。

林 でも、アテネから帰国すると、小泉さんと握手しちゃうんですよ。悔しくないですか。(笑い)

岡田 アハハハ。「僕の彼女をとるな!」という感じかなあ。

林 オリンピックの中継は、たくさんごらんになったんですか?

岡田 ちょうどその時期、代表選挙の準備があったものですから、宿舎にこもって、党の政策や改革案をまとめていて。気分転換にオリンピックを見たり、映画のDVD見たりしてました。

林 夏はどこにも遊びに行かずに?

岡田 家族は地元ですしね。悲惨だったのは、議員宿舎ってお盆中や土日は食事がないんですよ。コンビニで買ったパンを食べたりして、お米を3日ぐらい食べられなかったときがありました。九段宿舎の周り、スーパーもないんですよ。

林 あらー、地味な生活なんですね。

岡田 生活は地味ですよ。

林 食生活はともかく、スーツはいつもステキなものをお召しになってますけど。

岡田 きょうはこのあとお葬式があるものですから、黒い服で失礼してますけど、ステキじゃないですよ。(ズボンのもものあたりを指さして)だって、ここ……。

林 あ、継ぎがある! 継ぎ発見!信じられな~い。(笑い)

岡田 やっぱり継ぎはまずいかな。

林 いまどき、継ぎのある背広を着てる人なんて、見かけないですよ。ちょっと感動しちゃった。

岡田 (うつむいて)いやあ……。

林 そういうの、案外ポイントがあがったりして。(笑い)

岡田 いやあ……。(笑い)

構成 本誌・大波 綾

その後いかがですか

「お待たせしました」と、ニコニコ笑いながら入ってらしたのに、ちょっと驚いてしまいました……というのも、私もマスコミにかなり洗脳されていたんですね。岡田さんは笑わない方というイメージがありました。

でもお世辞じゃなく、テレビで見るよりもずっと素敵です。日本人ばなれした大柄な体にスーツがよく似合っていらして(ツギがあたってたけど)、ハーフみたいに彫りの深いお顔です。

ご本人は「マジメ」と言われ続けるのはあまりお好きじゃないようですが、やっぱりマジメな方でありました。が、実際におめにかかると、このマジメさに何ともいえないユーモアがあり、チャーミングなんですよね。この面白さがもっと伝わるといいのにね。ところで、今度本当に、ブレーンにおすすめする同年一九五三年生まれの人のリストお持ちします。もっとふまじめな人たちともつき合ってくださいね。

(了)
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