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2003.12.31|その他

定例記者会見録 2003年12月

12月26日

○波乱万丈の1年:政権交代の足場固め、国民の信頼回復を果たし感慨深い

○外国での日本政治家の発言、国会での野党政治家の発言も報道してもらいたい

○外国の要人に靖国批判をしたことはない、現地で日本人記者の質問に答えただけ

○通常国会の議事に入る前に、まずイラクへの自衛隊派遣の国会承認を諮るべき

○米中韓関係、北朝鮮問題などで積極的な党外交を展開していきたい

○国幹会議:十分な議論をすべき、形式だけなら政治家を入れる必要はない

○西村議員が退院すれば、詳細を確認するよう総務局長に指示

○北朝鮮のサインをしっかり見極め、チャンスがあれば見逃さず対応すべき

○年金改革:与野党協議の前に、まず政府・与党案をしっかり議論するのが先決

この1年を振り返って

【幹事長】先ほども党職員の皆さんの前で簡単に申し上げたんですが、今年1年は去年の今頃から見れば波乱万丈、いろんなことのあった1年でした。

もちろん、総選挙もありましたし、合併もありました。去年の12月の段階で、党に対する信頼感が非常に落ちていたなかで、そういった合併や選挙を経て、次の総選挙で政権交代ができるその足場を確実に作ることができたこと、国民の皆さんに一定の支持を得ていること、そのことはここまで来られたことについて非常に感慨深いものがあります。

先ほどの場でも申し上げましたが、職員の皆さん、あるいは党所属の国会議員、そして支持者の皆さんの力を合わせたご尽力の賜物だと思っています。

来年は、次の総選挙で政権を取るための第一歩の大事な年です。ここでさらに求心力を高めながら、もっともっと国民全体との連帯感を高める。

今日は経済界との協力が強調されている記事もありましたが、別に経済界だけではなくて、従来からしっかり民主党を支えていただいている労働界や、あるいは幅広い国民各層との連帯を強め、理解していく努力、そして国会の中でのしっかりとした、メリハリの利いた戦い。もちろん、常に反対するわけではありませ

ん。モノによってはもちろん賛成する、あるいは与党を引っ張ることもあると思います。

そして、私自身の固有の仕事としては党改革。これは、そのための組織を党の中に作って、そしてしっかり議論していきたいと思いますが、だいぶ民主党もいろんな改革を進めるなかで、透明性とか説明責任という意味では、相当この1年大きな一歩だったと思いますが、民主党もできて時間も経ちますので、長年の宿題であるような大きなテーマについても、党改革という視点で取り組む必要があるのではないかと思っていまして、そういったことについて、これからしっかり議論をし、そして夏頃までのその成果を出していきたいと思っています。

野党政治家発言の報道

【幹事長】次に、中国に行ってきたことについては、中国でも記者会見をしましたし、特に付け加えることはありませんが、いろんな報道を見ていまして1つ残念なのは、中国で私が何を述べたかということはあまり報道されない。そのとき相手が何を言ったかということは報道されるということですが、ここはお願いになりますが、日本の政治家が中国相手にどういった主張をしてきたのかということも、やはり報道していただく、その責任があるんではないかと思います。

これは国会の議論なんかでも、野党が自らの見解を述べて、相手に見解を質しているときに、そのことはほとんど記述されずに、総理がどう答えたかということのみが記載される傾向があると思います。

政権交代が可能な時代の報道というのはそうではなくて、やはり野党がどういう考え方でいるかということもきちんと報道するということが大事で、それで国民の皆さんはどちらがいいかということを判断できるんだと思います。

海外に行ったときも同じで、もちろん海外の要人がどう答えたかということも大事ですが、そういう要人の前で日本の政治家が何を述べたかということも報道していただくと大変ありがたいと思います。

産経新聞記事への抗議

【幹事長】その関連で、何を述べたか報道してもらうのはありがたいと言ったうえで、産経新聞が2日前に「産経抄」の中で、私の訪中における発言を取り上げました。これには正式に抗議をしておきます。

何を抗議するかと言いますと、記者会見で私が小泉総理の靖国参拝を批判したとということを取り上げて、「外国で自国を批判することで相手の機嫌を伺う習性があるらしい」と。「これは一種の叩頭外交に他ならない」と断じているわけです。

しかし、私は外国の要人との会談で靖国神社の問題を取り上げたことはありません。そういう意味で、「自国を批判することで相手の機嫌を伺」ったということはありません。

記者会見で、日本人記者の質問に対して私の持論を述べたまでです。もし、こういう記事を書こうとして質問したとしたら、それはマッチポンプです。そういう姿勢に対して、いかがなものかと私は思います。

私自身の答えは、総理にこの問題を質問しました。どこで聞かれても同じ答えを答えます。それは私の方針です。外国にいようが、日本にいようが、聞かれれば同じ答えをします。

それを、日本での発言は取り上げずに、外国で、しかも日本の記者が質問したことに答えたことをもって「自国を批判することで相手の機嫌を伺う習性がある」というふうに記述することは全く見当外れです。

こういった記事に対しては、社会の公器として、多くの国民の皆さんは新聞で書かれていることは正しいと思っておられるわけで、こういう記述に対しては極めて遺憾だと申し上げておきたいと思います。

<質疑応答>

通常国会の対小泉戦略

【記者】来年は政権獲得に向けての第一歩ということですが、参院選に向けて通常国会の論戦の中で小泉政権をどう追及していくのか、お聞かせください。

【幹事長】私は「追及」という言葉はあまり好きではありません。国会は論議の場であって、相手を批判するだけの場ではないと考えていますので、「岡田幹事長は国会でこういうことで追及した」と書かれるのは少々心外なんですね。

生産的で前向きな議論をすると。もちろん、その前提として相手のおかしなところは指摘をするということは当然ですが、それは議論を通じてより前向きな答えを出したいためにするのであって、追及そのものが自己目的ではないということをまず申し上げておきたいと思います。

私も予算委員会で質問をすることに恐らくなるだろうと思いますが、1つはやはりイラクの問題。ここはこれから本会議がどういう順序立てになるかと。我が党はまずイラクへの自衛隊派遣問題についての事後承認を本会議・委員会で済ませたうえで、本題の通常国会での論議、つまり施政方針→代表質問→予算委員会に入っていくべきだと述べています。

したがって、私が予算委員会に立つときにイラクの問題が一通り議論が終わったあとなのかどうかにもよると思いますが、常識的に考えれば、まずイラクの問題についてなお議論を、その時点では本隊の出発は恐らくまだですから、なお議論が必要だと思っています。

それと小泉改革の遅れ、いい加減さについて、道路公団についても三位一体改革にしても年金にしても、総選挙において総理が述べたことすら実現できていませんし、抜本改革というにはほど遠いわけですから、そういうことに対して民主党の考え方をしっかりと示しながら議論したいと考えています。そういったことが中心になると思います。

来年の党外交

【記者】中国の話が出ましたが、来年の党外交の抱負・展望をお聞かせください。

【幹事長】今日も藤田幸久国際局長と話をしました。藤田議員のところで意欲的に構想を練ってもらっていますので、具体的なことは年明けだろうと考えています。

アジアで言えば韓国、中国、またアメリカ、そういった国々との党外交を進めると。イラクの問題に関して言えば、国際的な協力の枠組みがもう少し具体化してきた段階で、ヨーロッパの国々に対しても党として直接働きかけるということもあるかも知れません。

あとは、党の拉致問題対策本部ができましたが、その関連で党として何かできることはないかということも構想を温めている段階です。そういったことについて総合的に展開していきたいと思います。

国幹会議の対応

【記者】昨日開かれた国幹会議(国土開発幹線自動車道建設会議)で岩国議員が反対、北沢議員と阿久津議員が賛成しました。分かれること自体を問題視されているのかどうか。また、党としてこれは反対すべきだったのか賛成すべきだったのかどちらなんでしょうか。

【幹事長】ややコミュニケーションが良くなかったなという感じはしますね。今、枝野政調会長が日本におりませんので、中川政調会長代理には事前に、国幹会議があるのでよく出席者と打ち合わせをしておいてくれとは申し上げました。

中身について賛成すべき、反対すべきということは幹事長が申し上げることでは必ずしもありませんので、政調にお任せしましたが、その連絡がうまくいっていなかった部分もあると思います。年末で非常に忙しい時期ではありますが、残念なことだと思っています。

民主党の考え方は岩国ネクスト国土交通大臣の談話に表れていると思いますね。つまり、もう少しきちんとした議論も必要だし、あの時点で賛否を問われることはある意味では想定外だったこともあると思いますね。やはり形式的な大会ではありませんので、きちんと大事な問題ですから議論することは必要だったと思います。

こういういい加減なやり方をするなら、私は国会議員の出るこういう政府の審議会的なものは必要ないんじゃないかと思います。もしやるのならきちんと国会並みに議論をすべきであって、「野党も賛成していますから」というような名目に使われるような会議なら、私はむしろないほうがいいんじゃないかと思います

【記者】するとこれは事務連絡上の問題と解釈されているということですか。

【幹事長】党として特にきちんと方向性を示さなかったということでしょうね。各議員の判断に委ねると。もちろん各議員の判断に委ねる部分もあると思いますけれども、非常に重要な問題ですから、本来ならなるべく方向をきちんと合わせて対応した方が分かりやすかったと思います。

しかし、それは政調・国対に基本的にお任せしている話で、私がどこまでそこを細かく言うべきなのかという感じもしましたので、指示を出しただけです。残念ですね。

西村議員問題の現状

【記者】西村慎吾議員の件ですが、発覚した直後に鉢呂総務局長に調査するように指示を出されたということですが、1週間ほど経って現状はどのようになっているでしょうか。

【幹事長】まず、西村議員は今入院されていまして、総務局長が直接コンタクトできていません。ただ、近々退院されて記者会見をするという話もあります。退院されるということであれば党としても総務局長からしっかりお話を聞くようにとに指示を出しているところです。

現時点でのイラク問題への取り組み

【記者】イラクへの自衛隊派遣について伺います。今日午前中に航空自衛隊の先遣隊が成田から出発したということですが、イラクの情勢自体はそれほど大きな進展はないのかも知れませんが、現時点での取り組み等について改めて一言お願いします。

【幹事長】我々は具体的な対応は変わりません。現段階でイラクに自衛隊を出すことには反対ということです。

理由は大きく2つ。1つは憲法との関係。非戦闘地域・戦闘地域についての説明、先般もNHKで討論しましたが石破長官の説明は全く論理的に破綻していると思います。

もう1つは、日本の成すべきことは今自衛隊を出して占領軍の一部と見なされることではなくて、国際的な協調体制をつくることに日本の外交力を集中すべきであるということです。

ただ、行かれる人たちに対しては、これは命令に基づいて行かれるわけですから、そういった方々の前であまり反対と声を上げるよりは、行かれる以上、安全に任務を果たされるよう、そこは彼らの立場を考えれば、そういう思いも一方でしながら、行くこと自身について問われればもちろん反対であるということにな

ります。

北朝鮮問題に対する党外交

【記者】党外交についてですが、北朝鮮の関係で、党としてもできることはないかということでしたが、もう少し具体的に、中国・韓国との連携についてなどもしあれば伺えますか。

【幹事長】訪中の間にある1つの議論の中で、日中国交回復には野党が重要な役割を果たしたと。日朝についても同様に民主党の果たすべき役割があるのではないかという議論が出ました。

私はこのことについて否定するつもりはありませんが、ただ一方で、日中外交のときにはなかなか政府が動きにくかったところ、自民党の中にも賛成・反対があって、政府としても動きにくいところを野党が補完したということだと思います。北朝鮮の問題は状況が違いますし、下手をすれば二元外交になってしまいま

すので、そこは慎重に考えなければならないと思っています。

先ほど申し上げた、拉致問題対策本部ができたのでという話は、ちょっとそういうこととは次元の違うことで、具体案は今練っているところですので申し上げられませんが、民主党としてできることがあるのではないかと思っております。具体論は今申し上げられません。

それから、平沢議員、また我が党の議員も含めて北朝鮮側と接触されたようですが、ここは情報が限られていますので、特に今コメントすることはありません。福田官房長官の言っておられるように、基本的には政府ルートでやるべきだというのは、筋論としてはその通りだと思います。

ただ、1つのサインが示されたわけで、それを政府として受け取って、単に無視するのではなくて、それがどういう背景に基づいてそういうサインが送られたのかということはしっかり踏まえて、もしチャンスがあるのなら、5人の皆さんのご家族が離れ離れの状態がもう1年以上続いているという極めて非人道的な状況が続いているわけですから、チャンスがあるのであればそれは見逃すことなく掴んでいくことも必要だと思います。

私が申し上げたのは北朝鮮に行くべきだということではありません。そういったサインを見逃すことなく対応していくことも政府の責任ではないかと思っています。

【記者】与党側も、日本独自で送金を停止するような外為法改正案や特定船舶の検査をより行いやすくするような法案を準備しているようですが、そういったことも念頭に置いて民主党としても対応を考えていくのでしょうか。

【幹事長】私が先ほど言ったのは少し次元の違う話です。送金停止は我々もマニフェストの中で約束していますので、法案を国会に出したいと考えています。

ただ、出すこととそれを直ちに発動することとは別の話ですので、まず出して、カードを増やすということですね。これは選挙で申し上げた通りです。

年金改革の与野党協議

【記者】年金の問題についての与野党協議についてどう考えていらっしゃいますか。

【幹事長】今、具体的にそういう話は私は聞いていませんが、今出てくるとしたらそれは用心したほうがいいと思いますね。

今、政府案がまとまりました。法案の形で出てきます。それに対してきちんとした議論がまず必要だと思いますね。そういったものが全て終わったあとで、つまり今回の案というのは全くの目の前にある辻褄合わせで、長い目で見た安定した年金制度というには、マスコミ各社も社説で述べておられるように、そういう

ものではないわけで、やはりそこは国会の中できちんとした議論が必要だと思います。

そういった議論が終わり、国会が終わったあとで、法案がどうなるかは分かりませんが、次のステップとしての議論が出てくるというのであれば、時と場合によっては可能性があるのかも知れません。

しかし、今それを言うことは、今度出てくる法案がいい加減なものであることを覆い隠すために、目くらましとして出てくるという部分が強いと思いますので、そういう話に簡単に乗るわけにはいかないと思っています。あるとしたら参院選の後ではないでしょうか。

【記者】どちらかというとまったく新しい年金制度を提案していくという意味合いでしょうか。

【幹事長】基本的にはそうだと思います。まず、与党の提案をまとめていただくのが先ですよね。我々は大きな方向として持っているわけですから、その中で議論をしていくというのはあるのかも知れません。

他になければこの辺までにします。引き続き、夏までは幹事長を一生懸命やらせていただきますのでお付き合いをいただきたいと思います。では、良いお年を。

12月18日

○税制・年金・三位一体改革は予想どおり、具体的提案をしながら国会で議論

○実施要項の決定:国民に説明責任を果たさない小泉総理の姿が明確に

○党職員人事:適材適所、意欲を持って働けるよう結党以来初の大幅な異動

○国連中心の枠組みをつくらない限り、イラク復興は軌道に乗らない

○党訪中団:総理が首脳外交を出来ないなか、野党第一党を代表して訪問する

○田名部・松岡両参院議員に民主党入党を要請、両人とも「同じ思い」と了解

問題先送りの税制・年金・三位一体改革

【幹事長】1つは、政府・与党は税制改正そして年金改革、あるいは三位一体の地方分権改革の方向性がかなり出ていますが、いずれも予想されたこととは言え、結局ほとんどが先送りの中身のない改革であることが明確になっています。

これから、次の通常国会で出てきたものについて、彼らが選挙期間中に語っていたこと、あるいは政権公約の中で述べていたことと対比しながら、やはり小泉内閣ではできないんだということを明確に述べて、そしてより良い改革になるように具体的な我々の提案をしながら、議論していきたいと考えています。

イラクへの自衛隊派遣の実施要項の決定

【幹事長】それから、イラクへの自衛隊派遣について、実施要項が決定されました。国会の質疑の中で「なぜバグダッド空港が非戦闘地域なのか」という問いに対して、言を左右して明確に答えなかった石破防衛庁長官ですが、実施要項の中でもバグダッド空港は自衛隊活動の実施区域として指定されていますので、やはりその説明責任があると思います。

実はもう、あの質疑の段階で実質的な中身は決まっていたはずですから、国会審議が終わるまで実施要項を決定するのを待っていたというのが現実だと思います。そういった逃げの姿勢に終始しているところに、今の小泉政権の本質が明らかになっていると思います。

いずれにしても、国民にきちんと説明責任を果たさない小泉総理の姿が、今回の実施要項の出し方、そして中身も含めて、極めて明確になったと思っています。

松岡・田名部両参議院議員の民主党入り

【幹事長】3番目に、今日、松岡参議院議員と田名部参議院議員が代表と私のところにお出でになりまして、民主党入党について私どもからお願いし、そしてお二人ともそのことについて「同じ思いだ」というお話をいただきました。仲間が増えるのは本当にありがたい話で、これから一緒にやっていけることを嬉しく思います。

同時に、次なる参議院議員選挙について、これは党内手続きはこれからですが、それぞれ候補者として頑張っていただきたいと期待をしているところです。

党職員の人事異動

【幹事長】最後に、総選挙がありましたので、いろんな日程が押せ押せになっていますが、かなりまだ忙しくしています。そういう中で、党職員人事について、明日、北橋幹事長代理から発令したいと考えています。

したがって、今日中身を申し上げるつもりはありませんが、80名以上の職員の皆さんが、しっかり意欲を持って働けるということに最も力点を置いて、適材適所で人材配置をさせていただいたつもりです。

結党以来、ほとんどそういった本格的な人事異動というのはありませんでしたので、今回初めて本格的に、そういったことに政治主導で取り組ませていただきました。

いろいろ揶揄するマスコミもありますが、そういう斜めでしかものを見られないマスコミは大変気の毒だと思います。我々としては、いろんな経験をしながら人材を育てるという観点で、もちろん参議院選挙も近いものですから、あまり大幅に異動するということにはなっていませんが、参院選後もう一度異動する部分も含めて、人事の今回の配置をしたところです。

自由党からもたくさんの人が来られましたので、そういった人たちも含めて一体になって、党の中が協力できるような、そういったものにしたつもりです。

<質疑応答>

実施要項の中身に対する感想

【記者】実施要項についてですが、出国の日時を明記しなかったりといった問題点もあるようですが、実施要項の中身について幹事長がどういうご感想をお持ちか伺えますか。

【幹事長】先ほどちょっと申し上げたところですが、具体的な地域が本当にこれで適切かどうか、説明がなされていません。

それから「武器・弾薬の輸送はしない」と書いてありますが、現実にはチェックしようがないわけで、そういう意味で「希望」が述べてあるに過ぎないわけです。そういったところは極めて不十分であると思います。

ただ、我々は出すことそのものに反対していますので、そういう前提で考えたときに、そうコメントすることはないわけですが。

欧州・中東各国大使館の訪問

【記者】イラクの関連で、幹事長はヨーロッパと中東の大使館をだいぶ回られていると思いますが、民主党の考える「国連を中心とした枠組みづくり」ということに対する各大使館の反応と、そういう状況がいつぐらいに出来上がってくるという見通しを持っていらっしゃるのかという2点をお願いします。

【幹事長】この前もちょっと申し上げましたが、フランス大使とドイツ公使のご意見は、我々とほとんど同じです。

「いつできるか」というより、「やらない限り本当の意味でのイラクの復興というものは軌道に乗らない」と判断しています。そのために、これから一層の努力をしなければいけないと考えています。

英国大使の反応

【記者】今日もイギリス大使館に行かれましたが、イギリス大使の反応はどういう感じだったんでしょうか。

【幹事長】もちろん、イギリスはアメリカと並んで戦争を行った国ですし、現在も占領行政の中心を担っているわけですから、我々とは明らかに考え方は違うわけですね。そこは、考え方の違いというのは相互に認識をいたしました。

国際的な協力についても、どちらかと言えば悲観的なお考えをお持ちです。そこは、立場の違いというのは当然ありますので、我々は今のままではとても現在のスケジュールどおりの展開は無理だろうと考えているわけです。そこは意見が違うということなんでしょうね。

党訪中代表団

【記者】訪中の期日が迫っていますが、改めて向こうに行かれて中国政府の方々とお会いになって、どういうことを伝えたり意見交換をされたいのか、その意気込みみたいなものをお聞かせください。

【幹事長】日本国総理大臣が中国に行って首脳外交が出来ない状態ですから、それに代わって私たちが行くと。野党第一党を代表していくと。そういう思いです。

具体的案件は多岐に渡ると思いますが、幅広く意見交換をしてきたいと思います。特に、北朝鮮の問題は、6カ国協議もまだ開けない状況ですので、そういったことについて中国政府の考え方を聞くとともに、早期開催に向けて努力をお願いしてきたいと思います。

もちろん、あわせて拉致の問題について、6カ国協議の中でしっかり取り上げるように、その要請もしてきたいと考えています。

あとは幅広く意見交換をしてきたいと思いますが、台湾問題も、我々が特に望んだというわけではないんですがテーマになるようですし、経済問題も当然なると思います。

我々は政治家に会いに行くんですから、そういうことと並んで、政治家同士の信頼関係を深めて、長い目で見た日中関係を良くしていくということについて確認をしたいと思っています。

田名部・松岡両議院の入党手続き

【記者】田名部参議院議員と松岡参議院議員の件ですが、先ほどお二人とも同じ思いだっであったということで入党のお話がありましたが、お二人からは今日は口頭で了解を得たということでいいのかというのが1点とですね……

【幹事長】口頭というのは?

【記者】いわゆる入党願という形で書面であったのか口頭であったのかという点が1点とですね、あともう1点、今後の入党の手続きについてお願いいたします。

【幹事長】むしろ私どものほうからお願いをしたということです。それに対して、お二人から「同じ思いである」というお話がありました。

方向性はこれでもう確認されましたので、あとは実務的な手続き、それは大した手続きがあるわけではありません。一定の様式に従って入党手続きをしていただくということが残されているだけです。

もちろん、常任幹事会で最終的にご報告しなければならない問題だと思っています。来週の木曜日ですね。

12月12日

○イラク問題について仏大使・独公使と意見交換、相当共通部分があると感じた

○自衛隊派遣ではなく、国際的な枠組みづくりに日本の外交力を集中すべき

○国連憲章の枠を出た米国への支援は、結局日米同盟自体をおかしくする

○菅・岡田体制発足から1年で足場固めはできた、次は攻めの1年にしたい

○高速道を造り続けないための民営化論がどこかに行ってしまっている

○新人議員研修担当を設置、次期選挙で確実に小選挙区で勝ってもらうため

○参院選:各県連に候補者擁立を急ぐよう指示、本部も公募を含めて進めている

仏独大使館訪問と閉会中審査

【幹事長】私からは2つほど申し上げたいと思います。1つは、今日、在京のフランス大使館を訪れて大使、そして今先ほどはドイツ、大使が東京におられませんので筆頭公使と、イラク復興支援の問題について意見交換をしてまいりました。

基本的には、我が党の考え方と相当部分共通するところがあると感じましたが、いずれにしても、月曜日に閉会中審査もあります。

今日一緒に行ってもらった前原さん(ネクスト外務大臣)も私も質問に立ちますので、今日の議論も非常に参考になったと思いますが、とにかく、今我々がなすべきことは自衛隊を出すことではなくて、国連中心で国際協調の中でイラクの復興支援が実現するような枠組みをつくっていくこと、そこに日本の外交力を全力を挙げて集中する、実現に向かって努力するということが、日本の国益にも資するし、同時にイラク国民のためにもなるということだと思います。

自衛隊を出して、600人以内の陸上自衛隊、そして8機以内の輸送機・航空機ですね、そして4隻以内の艦船を出して、それでどれだけイラク国民のための復興支援に貢献するのか。それは象徴的な意味しかないと思います。

そして、その象徴的な意味というのが、イラク国民にとって良い意味での象徴であれば救いがありますが、それは結局、占領軍である米英軍に日本も一体となってやっているという印象を与えるだけで、そうであればプラスはほとんどなくて、マイナスのみ大きい自衛隊派遣ということになると思います。

そういったところに日本の力を注ぐのではなくて、先ほど申し上げたような形で日本の外交力を枠組みづくりのために集中的に投下していくということが極めて大事だと考えています。

今日、お2人の外交官とお会いして、そのことをについて私の確信を強めたということだけ申し上げておきたいと思います。

月曜日の質問要旨はお配りしてありますので、特に申し上げることはありませんが、まずは総理の説明責任が果たされていない。先般、記者会見でいろんなことに触れましたが、憲法前文のつまみ食いに象徴されるように、それぞれ国民に対して誠意を持って説明していないということが1つ。今日もどこかの新聞に書いてありましたが、安全確保支援活動を行うにもかかわらず「人道復興支援のために行くんだ」と言い切ったところなどは、その1つの典型です。

それから、憲法との関係、日米同盟と国際協調の両立と総理は言われますが、言葉の意味自体明らかではありません。

私が非常に懸念しているのは、一方の日米同盟は小泉総理の下で範囲がどんどん広がっていますので、日米安全保障共同宣言の中で「アジア太平洋地域の平和と安定」という言葉が使われたわけですが、今や中東まで当然のように日米同盟が広がって、自衛隊をそこに出して、日米同盟の名の下に自衛隊を出している。

しかし、そのアメリカは先制攻撃・単独主義ということを言ってるわけで、日本がこのままこういう形で日米同盟の下でアメリカの支援をしていくということになりますと、もうすでに国連憲章とアメリカの考え方の間には大きな開きがありますが、その矛盾がますます高まってくる。

そしてそのことは恐らく日本にとって、私は長い目で見れば日米同盟の維持をむしろ難しくしてしまうのではないか──。そういうふうにも思っています。

ここをきちんと原理・原則を立てて、どういう枠組みの中で日米同盟というものを行っていくのか。言葉を変えれば、やはり国連憲章の枠の中での日米同盟という位置付けをしないと、どんどん両者間の乖離が大きくなって、そして結局は日米同盟自体がおかしくなってしまうのではないかと、そのことを非常に懸念していますので、そういったことについて、総理としっかり議論をしたいと考えています。

その他、先ほど申し上げた、国際的な枠組みづくりに日本がもっと役割を果たすべきだというようなことを含めて、1時間ですので、しっかり議論し、そして何とか自衛隊の派遣を思いとどまる、そういう選択を総理が取っていただけるように、私なりの努力したいと考えています。

菅・岡田体制発足1年

【幹事長】もう1つは、実は丁度新体制といいますか、菅代表・岡田幹事長体制がスタートして1年になります。この1年を振り返って、いろんな思いがあるわけですが、1年前に代表選挙をやり、そして菅さん、鳩山さんに言われて幹事長をお引き受けしたときは、党の支持率は5%を切っていましたし、国民からの信頼は全くない状態、そして党の中はまとまりを欠いていましたし、あるいは連合始め従来民主党を支持していただいていた支持者の中からもいろんな声が挙がっていた時代でした。

それが1年経って、総選挙で政権は取れませんでしたが、1つのまとまりを持った民主党になり、そして若い力、58名の新人も当選し、政権交代に向けてしっかりした足場ができたということは、私にとって大変感慨深いものがあります。

昨日新しい体制について両院議員総会でも報告しましたが、これからは「攻め」だと思っています。この1年は地固め・足場づくりをしたと。これからはまさしく攻めの1年にしたいと考えていまして、正確に言えば9月までが私の任期だと考えていますが、それまでの間、1つは仙谷さんに党の対外的な活動についての責任者(団体交流委員長)になってもらって、従来の支持していただいたところだけではなくて、よりウィングを広げて幅広い支持を求めていくと。こういうことだと思います。

そしてもう1つは、我々いい政策を持ちいいことを言ってるんですがなかなか伝わっていないということですから、広報体制をより強化するということ、そういったところを中心に新しい民主党の組織をつくったわけです。

そして同時に、党の中がしっかりまとまっていくように地域担当の常任幹事というものを改めて位置付けをし、昨日、常任幹事会の後、地域担当常任幹事だけに集まっていただいて、山岡筆頭副幹事長にリーダーになっていただき、我が党は派閥のない政党ですから、しっかりと地域単位でコミュニケーションを良くしていくと。そのために地域担当常任幹事の皆さんに責任を果たしていただくということをお願いしたところです。

政権に向かって、これから1年間、攻めの1年にしたいと思っています。

<質疑応答>

仏大使と独公使の意見

【記者】今日のフランス大使、ドイツ公使との会談の模様を、幹事長からどういうことを説明して、仏独それぞれからはどういったご意見があったのか詳しくお聞かせください。

【幹事長】こういう会合ですので、あまり議事録的なものは作っていません。まず、民主党の考え方、すでにペーパーにまとめたもの、皆さんもご承知だと思いますが、その考え方について説明し、そして国際的な枠組みをつくっていくために日本やドイツ、フランスがお互い協力すべきことはないだろうかといったことを中心に意見交換をさせていただきました。

もちろん、その間、アメリカの今の政策あるいは政府をどう見るかとか、今後どういう展開になるだろうかだろうかとか、そういったことも意見交換しましたが、これはあまり具体論に触れないほうがいいだろうと思いますので、以上ポイントだけ申し上げておきたいと思います。

【記者】民主党の考え方に対して、フランスとドイツの方はどういうふうに?

【幹事長】「非常に近い」というお返事でした。事前に民主党の考え方は、紙では我々がまとめたものを英訳したものを送ってありましたので目を通していただいてまして、「非常に近い」ということでした。

【記者】改めて要請書か何かそういうものを渡されたということではなくて?

【幹事長】要請書は渡していません。我々の考え方について翻訳したものを事前に渡してありましたので、見ておいていただいたということです。

【記者】民主党は国連の新たな決議を採択すべきだと主張されていますが、それについての賛同なり留保なり、どういった反応だったんでしょうか。

【幹事長】そこは基本的に共通していると思います。これは中身を言ってもいいと思いますが、ドイツ公使は「今の国連決議1551はドイツ軍を海外に出す根拠たり得ない」という趣旨の発言をされました。つまり、一般的な国際協調の中で復興支援をしていくということは書いてあっても、軍を出すということの根拠にはならないとドイツとしては判断しているということでした。

もちろんそれだけではなくて、もうドイツとしては海外に1万人以上の軍を出していますので、アメリカに次ぐ多くの人数を人道支援のために出しているということで、それだけの余裕がないということも言っておられました。したがって議会の承認を得られる状況にはないだろうと。そういうことを言っておられました。

高速道路建設に対する自民党道路調査会・国交部会の見解

【記者】先の総選挙で焦点になっていた高速道路について1つお聞かせください。今日、自民党が午前中に道路調査会・国土交通部会を開きまして、国として残りの高速道路を造るという考えで一致したようですが、これは小泉総理と意見が相対するものとなってしまいました。このことについて幹事長のご意見をお聞かせください。

【幹事長】総理と合わないだけでなくて、安倍幹事長も「全てを造るわけではない」と選挙中に明言されてましたから、幹事長とも違いますね。

自民党の部会が決めたことが自民党全体の意見になるかどうか分かりません。安倍幹事長は選挙で約束したわけですから、それははっきりと「それはそうではない」と言われるはずだと私は思いますよ。言わないとおかしいですから。

ですから、まだ議論は途中だと認識をしますが、何度も申し上げていますが、この高速道路、道路公団民営化の議論のスタートは、要するにこれ以上残る2000kmを造り続けるのかどうかということが最大のポイントであって、そこから民営化という議論が出てきたわけですね。道路公団を民営化することで、採算性という視点を入れて高速道路を造り続けるかどうかの判断ができると。

そこのところがもうどこかに行ってしまって、結局何のために民営化の議論をしたのか分からないという状況に今陥っていると思います。

それはひとえに、小泉総理が道路公団民営化の議論をする前提として、「全てを造るわけではない」あるいは「このぐらいは造るが、このぐらいは造らない」といった考え方をまず政治決断して、そのうえで民営化の形態の議論、技術的な議論に委ねるべきだったのを、一番大事なことを先送りして、議論してきたからこういうことになるんだと思います。

一体この、大騒ぎしていろんな議論をしましたが、猪瀬さん(民営化推進委員会委員)随分頑張ったし、今井さん(前民営化推進委員長)も揉みくちゃになりましたが、ああいう議論は一体何だったのかということになりますね。

まあ、安倍さんがしっかり、選挙のときにテレビで述べられたことを実行されることを期待したいですね。

山崎前自民党副総裁の参院選出馬

【記者】自民党の山崎前副総裁が来年の参院選に出馬するということで、比例代表を考えているようなんですが、それについてのご感想がありましたら一言お願いします。

【幹事長】それは他党の中のことですから、出るなと言う立場に私はありませんし、コメントは控えたいと思います。

【記者】山崎前副総裁はスキャンダルのこともありましたが、比例代表ということですと党の公認ということになりますので、自民党の姿勢の問題にも関わってくるわけですが、その点についてはいかがですか。

【幹事長】党としてもう決めたということですか?

【記者】いえ……

【幹事長】ですから、その判断がない状況であまりコメントするのは控えたほうがいいと私は思います。

新人議員研修担当の設置

【記者】昨日、新人議員研修担当を総合選対本部に新たに設置するということですが、これをつくられた理由と、実際どういうことをこの担当に期待されているのか伺えますか。

【幹事長】じ玄葉さんにその役割を担っていただくということで決めてありますが、まず形から言うと、年内に選対本部会議を一度開いて、そこできちんと確認したいと思っています。

狙いは、58名の新人が当選されて、やはり彼らが次に確実に小選挙区で通ってもらうことが政権獲得に向けての非常に大事なステップだと考えているからです。

そのために、もちろん政策あるいは国対、それぞれ政調会長と国対委員長の下でいろんなトレーニングといいますか、やっていただくんですが、あるいはそういう活動をするなかでそれぞれ学んでいただくわけですが、やはり次の選挙に向けてのいろんなアドバイスをしっかりしていったほうがいいと。

私も選挙期間中いろいろ回ってみて、日常活動が非常に不足しているといいますか、やはり風頼り、あるいは支援団体頼りの選挙というところがかなりあるということは、それは小沢代表代行に指摘されるまでもなく私自身も感じていることですので、やはりそこは自分の足でしっかり立って当選できるような、そういったことについて、もちろんこれは選挙区ごとに状況が違いますから最終的にはご本人に判断していただくことですが、いろんなメニューや活動の仕方についてアドバイスしなければいけないと思います。

例えば今の時期に、昨日は両院議員総会がありましたからそこには出ていただく必要があるんですが、例えば今日や明日も東京でウロウロしている新人議員がいたとしたら、それはたいぶ感覚が違うんじゃないかと、そういうふうに申し上げなければいけないですよね。

そういったことをきちんとアドバイスしていくということが主な仕事になると思います。

【記者】玄葉さんをそこに指名したのはどうしてなのかということと、あと勉強会とか面談とか、具体的に考えていらっしゃることがありましたら。

【幹事長】今日たまたま私が理髪に行きましたら玄葉さんと鉢合わせしまして、前回行ったときは小沢さんと一緒だったんですが(笑)、そこで一言二言話をしたんですが、来週くらい彼にどういうことがメニューとして考えてもらって、少し相談したいと思っています。

面談とか、そういうことを今具体的に考えているわけではありませんが、それは玄葉さんのところというより、幹事長としてやはり新人の皆さんといろんな意味で意思疎通を良くしていくということは大事だと思いますので、この前代表のほうで4つぐらいのグループに分けて意見交換をしていただいたんですが、私も次の国会が始まって多少時間ができた段階で、少し木目細かくコミュニケーションを良くしていく必要があると考えています。

今はむしろそんなことする暇があったらむしろ地元に帰ってろと、こういうことですので、国会が始まってからだと思いますが。

【記者】指名の理由は?

【幹事長】人事について「なぜか」というのはいちいち言うべきじゃないと私は思いますね。ただ、私が非常に信頼する、能力のある政治家ですし、そして選挙も強いわけですから、いろんな意味でそういった当選1回生の監督役・指導教官としては適任ではないかと思います。

もちろん、玄葉さんの下に若い人をさらに何人か指名してもらって、手分けしてやっていただくということになるんだろうと思いますが。

参院選の候補者擁立

【記者】来年の参院選についてですが、現在の公認候補者は選挙区で20人、比例区で13人ということですが、もうちょっと急いで擁立しないと選挙は半年後ですから、現時点で選挙区では何人、比例区では何人立てたいというお考えでしょうか。

【幹事長】これは相手のあることですが、私の考えは順次各県連の方に来ていただいて述べてありますので、それに基づいてご努力いただくしかないと思います。本部が無理に立てるわけにはいかないんですよね。

ただ、とにかく急いでいただきたいということでご努力いただいてるはずですが、比例区の候補者については本部主導の部分がかなりあります。そういう意味で、もう少し候補者を立てなければいけないと思います。比例ブロックですね、まだ東海とか、東北とか、中国・四国が空いています。そういうところに候補者を擁立したいと思っていますが、他のところは大体何人か名前が挙がっているわけですから。できれば、女性の候補者をそういったところに立てていきたいと考えています。しかし、今具体的な名前があるわけではありません。

数日前に赤松選対委員長、堀込選対委員長代理に指示を出しておきましたが、前回の衆院選の前にかなり大々的に公募をしたんですね。その中で、今回当選された方もいらっしゃいます。同様の公募を何とか1月中にして、そして間に合えばこの夏の参院選にもその中からいい候補者がいれば立てていくと。そして、もちろん衆院選も睨んでやることなんですが、そのことの指示を出しておきました。

何とかそういう形で、今民主党に対する期待も高まっていると思いますので、さらにいい候補者が集まるんじゃないかと期待しているところです。

とにかく先を先をと思っていますので、攻めの1年にしたいと考えています。衆院選の候補者も21名内定しましたが、年内にもう少し増やせると思っています。そんな形でやっていきたいと考えています。

12月5日

○明日6日の合同葬に参列し、亡くなった2名の外交官への哀悼の意を表したい

○イラク問題に関する現時点での考え方:現下の自衛隊派遣には断固反対する

○自衛隊派遣を阻止するため、街頭活動・デモ・集会などの国民運動を展開する

○新たな国連決議の枠組みやイラク人政府の要請に基づく協力は将来あり得る

○大義なき戦争が続くなかで自衛隊を派遣して協力することが国のあるべき姿か

○マニフェストで掲げた年金改革が早々に頓挫した公明党の政治責任は大きい

○大阪知事選:江本議員の離党届を受理、推薦問題は今後常幹で議論する

外交官襲撃・殺害事件への哀悼

【幹事長】まず、2名の外交官がお亡くなりになり、昨日の棺が日本に帰ってきたときのご家族の状況を見ても、まさしく言葉もないような大変残念な、悲しい光景だったと思いますが、それは多くの日本国民が同じような気持ちでお迎えになったのではないかと思っています。

明日には合同葬が行われますので、是非参加をして、少しでも私たちの気持ち、民主党としての2名のお亡くなりになった外交官に対する哀悼の意を表したいと考えています。

民主党「イラク問題に関する現時点での考え方」

要旨→http://www.dpj.or.jp/seisaku/gaiko/BOX_GK0130.html

本文→http://www.dpj.or.jp/seisaku/gaiko/BOX_GK0131.html

【幹事長】それから、イラクの問題につきましては、先ほど配布させていただいた形で、民主党の「イラク問題に関する現時点での考え方」を今日、代表と私と政調会長、それから前原ネクスト安全保障大臣の4名で協議をして取りまとめました。

今、『次の内閣』がなかなか開催できない状況ですので、これを党の考え方ということで、関係するいろいろな党の組織、地方組織などにも流して周知・徹底したいと考えています。

中身はここに書かれたとおりで、あえて読み上げることはしませんが、我々もイラク国民の立場に立ったイラクの復興のための支援が重要であるということは繰り返し申し上げていますが、現状での自衛隊の派遣には断固反対するということです。

将来的に新たな国連決議、今も国連決議はありますが、ヨーロッパのフランスやドイツも「実質的に」賛同するという形、そして中東諸国も含めて、きちんとした形での国連決議がなされる。

つまり、今の国連決議は、アメリカとの関係で合意はしたものの、じゃあ本当に自らも参加してまでやろうということでの国連決議ではありませんので、そういった主な国あるいは中東の国々が必要だと本当に考えての国連決議ができる。あるいはイラク国民の手による政府ができる。

そういう状況において、もちろん憲法の枠の中で、日本がPKOの要件を緩和して参加していくということは将来あり得ると考えていますが、現時点ではここに書いたような理由、つまり戦闘地域と非戦闘地域の区別ができない状況の中で、憲法9条の禁ずる海外での武力行使につながることになりかねない。

そして、もちろん戦争の大義がないなかでの戦争であり、その戦争を行った米英軍が今、イラクを占領しているという状況での自衛隊の派遣とうことになりますから、そういったことには参加すべきではない、自衛隊の派遣には反対であるということを改めて確認したものです。

自衛隊派遣阻止のための国民運動

【幹事長】これから、そういった考え方がまとまりましたので、私と国民運動委員会の名前で、各地方組織にもこれからの活動の取り組みについて指示を出そうと考えています。

街頭演説、街頭における宣伝活動も来週の月曜日にまず行う予定にしていますし、各都道府県連においても同様の取り組みをしていただきたいと考えています。

それから、次の14日の日曜日には、連合とともに日比谷でデモと集会を考えていまして、我が党と連合を中心にそういった活動を行っていきたいと考えています。それぞれの都道府県連に対しても、同様の活動を求めていきたいと考えています。

近々閣議決定という報道もありますが、いずれにしても党として全力を挙げて国民に呼びかけ、国民運動を展開するなかで、自衛隊の派遣を阻止するということを、是非とも成し遂げなければならないと考えています。

アンケート調査を見ても、国民の圧倒的多数が今自衛隊を送るべきではないと言っているなかで、基本計画を閣議決定し、あるいは自衛隊を送るということになれば、これはまさしく暴挙だと言わなければならないと思っています。

<質疑応答>

JICA、NGO等との連携促進

【記者】今日いただいた考え方の中で、「国際協力機構(JICA)、非政府機関(NGO)等と連携を促進するための取り組みを強化する」とありますが、具体的にはどのようなことをお考えになっているのでしょうか。

【幹事長】これから関係のNGOとも協議をしていくなかで、具体的に何ができるか検討していきたいと思います。

陸上活動なき自衛隊

【記者】2点伺います。将来的に国連で枠組みができたらという話でしたが、その可能性がどの程度かということをどんな形でどのような方の話を聞いているのでしょうか。例えばフランスやドイツの人に話を聞いているか、コフィ・アナン以下国連の人たちにどんな話を聞いた、あるいは聞かなかったのか、これが1点です。

それから、アフガニスタンでは、もちろん海上では自衛隊が給油活動をしていますが、広範な連合軍の形成されていて秩序の任務に当たっています。しかしここでも地上には自衛隊は1人も行っていない。そうすると、テロ戦争の中で地上のプレゼンスは何もない。これは経済大国第2位である日本としてどう考えるべきなのか。この2点です。

【幹事長】まず2番目の点は、日本も憲法を持っている国ですから、憲法に反したことはできないということは世界の国が当然理解していると考えています。

戦闘地域と非戦闘地域に分けて、非戦闘地域でなければ憲法9条に抵触するおそれがあることは政府自身も認めているわけで、そのことを無視して自衛隊を派遣するということは、それは憲法を自ら踏みにじるものであって、そんなことは許されるはずがないと考えています。

それから第1点ですけれども、これはこれから各国大使館と連携しながら具体的に、我が党は政府ではありませんので非常に限界はありますが、それぞれのフランスやドイツといった国の大使館と今連絡を取りつつあるところですが、そういうところに代表や私がお伺いをして、協力をして国連決議を作っていくということについて、可能な限りの努力をしていきたいと考えています。

国連決議のできる可能性があるかないかということは、これからの状況次第だと思いますが、私は現状のまま、アメリカも含めて、今あるスケジュールの中で順調に進んでいくとはとても思えませんので、やがてそういった時期が必ず来ると思います。

新たな国連決議と自衛隊派遣の見通し

【記者】国連決議ができて自衛隊派遣の可能性が出てきた場合に、戦闘地域、非戦闘地域の問題がある以上、なかなか民主党の言う理屈で派遣できない状況が続くのではないかという気がするんですが、その点の見通しはどうなんでしょうか?

【幹事長】それは状況次第です。今は明らかにイラク全体が戦闘状況にあると我々は考えているわけです。

これは、アメリカ自身もかつてのフセイン政権時代のナンバー2が全体の指揮を執っているということも暗示しているわけで、間接的にはそういったことも言っているわけですから、まさしく戦闘状況、つまり戦争は続いているということですね。確かに降伏したということもないわけですから。

しかし、そういう状況はこれから何らかの形で終了して、散発的なテロ的な行為になれば状況が違ってくるかもしれません。それから地域的な問題も当然あると思います。やり方もあると思います。そういう中で自衛隊の協力の道というのを探っていくことは可能だと思います。

しかしそれはいろいろな条件が満たされただけのことですから、今あまり先の話を具体的に論ずるのは意味がないと思います。頭の中の整理として論理的な整理をしたということです。

イラク問題に対する民主党の姿勢への批判

【記者】国連決議ということは枠組みの話だと思うのですが、一方で実際そういうお膳立てができない限り民主党は何もしようとしないのかというような批判も出てますが、その点についてはどのようにお答えになりますか。

【幹事長】じゃあ、逆に占領軍があり、戦闘しているところに日本が協力するというのは、憲法上もあるいは国としてのあるべき姿から言っても、それが必要だというのは違うのではないかと私は思います。大義なき戦争を起こして、その戦争がまだ続いているときに、なぜ日本がそれに協力すべきなんでしょうか。

政府・与党年金協議

【記者】政府・与党で年金の協議が続いていますが、国庫負担の2分の1への引上げについて、財源問題を先送りするというような報道もありますが、それについてまずどうお考えなのか。また、総理が野党との広汎な協力・協議をして年金問題についてやりたいと言っていますが、民主党はどういう場でどのような協議をしたいと考えているのか伺いたいと思います。

【幹事長】前者のほうは、選挙の最中から「これはまとまらない」と私は断言していました。公明党は所得税増税ということを言っていましたが、自民党はそれに賛成するはずがない、あるいは経済の状況がそれを許すはずがないということを私は断言していましたが、その予想どおりになったということです。

公明党がマニフェストに掲げて、そして「この選挙は年金選挙だ」と言いながら、そのマニフェストに反する結果になったことについて私は大きな責任が公明党にはあると思います。選挙が終わったのはまだつい最近です。そして早々とその最も大事と自ら主張したマニフェストの内容を貫徹できなかったということは、大きな政治的責任があると考えております。

小泉総理がいろいろとおっしゃっているようですが、基本的に大きな話をするのであれば、それは結構だと思いますが、その前にそれじゃあ総理あるいは政府は、与党はどういう考え方をしているのかということをしっかりまとめていただきたいと思います。

我々の基本的な考え方はすでに述べてあります。それが政府としての考え方がないままそういった協力を呼びかけられるということは、そういう大きな話ではなくて目の前の具体的な年末の改革の話を、自ら責任を負わないように争点をズラしていると受け止めています。そういう政治的な発言に過ぎないと考えています。

外務・安保部門原案への代表・幹事長の指摘

【記者】先ほど代表、政調会長、前原さんとお会いになったということでしたが、そこで代表、幹事長から先日の外務・安全保障部門会議で出た原案に対してどのようなご指摘をされたんでしょうか。

【幹事長】党の中のことですからそのことについてコメントをすることはありません。大きな違いはありません。少し考え方の整理をしただけですから。

PKOの要件緩和

【記者】先ほど「憲法の範囲内でPKOの要件を緩和して」とおっしゃいましたが、恐らく5原則の話ですとか、武器使用基準の緩和のことじゃないのかなと思うんですが、どういうことを想定されておっしゃったんでしょうか。

【幹事長】武器使用基準の話もあるかもしれません。それから、PKO5原則のうち相手国の同意というのは、政府ができればその政府が同意すればいいわけですが、当事者間の停戦合意は相手が消えてしまうとできないわけですね。そういったところについてどう考えるのか。これは東ティモールのときもよく似た問題があったのですが、そういったことを念頭に申し上げました。

イラク問題とエネルギー安全保障

【記者】ペーパーの日米同盟のところで、エネルギー安全保障との関係に考慮すべきであるということを述べておられます。この点をもう少しどういう意味なのかお伺いできますか。

【幹事長】ブッシュ政権との関係についてということで触れるべきなのかどうかというのは、必ずしも明確ではありませんけれども、私の考え方を言わせていただくと、確かにイラクというのは重要な産油国ですが、ただ、あまりそういう短期な視点で考えるのではなくて、もしイラクが国としてまとまりを欠く状況になり、テロリストが支配するということになれば、イラク一国の問題ではなくて中東全体に不安定な状況を招くだろう。そういうことになるということは、これはかなり大きな問題だと思っています。ただ、その元を招いたのが大義なきイラク戦争であったということも、これまた事実です。

江本参議院議員の離党

【記者】江本参議院議員が離党届を提出したということなんですが、これの確認とですね、今後常任幹事会などでの対応についてお聞かせください。

【幹事長】今日、江本さんが離党届を持ってこられました。日付が少し前になっていたのですが、11月26日だったかな、江本さんとしては参議院の議員会長のところに持っていかれて、それで届出が完了したと思っておられたようなんですが、執行部として受け取ったわけではありませんので、改めて今日持ってきていただきました。したがって、離党届は受理されました。日付がどうとか細かい話は申し上げません。

江本さんとは多少お話もいたしましたが、今後のことは大阪府連として太田現知事を推薦するという決定をして本部に上げてきていますので、常任幹事会でこれから議論することになります。

どうなるかというのは議論は両論ありますので、今私からあまり申し上げるべきではないと思いますが、府連が決定したということは1つの重要な事実だと思います。

ただ、党の中には同僚議員だった江本氏に対して、「想いを寄せる」というとちょっと恋愛みたいになりますが、江本さんに対して評価する声もありますし、太田知事の知事としての業績というのは基本的に府連が判断されればいいと思いますが、例えば北海道知事選に自民党の候補の応援に行ったとか、選挙の応援その他で民主党の推薦候補としてはいかがなものかという行動もかつてあったんじゃないかという声もありますので、そういったこと全体でどう判断するかという問題だと思います。まだ常任幹事会を開いていませんので、結論が出ているわけではありません。




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