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2003.01.31|その他

定例記者会見録 2003年1月

1月31日

○施政方針演説は「盛り沢山」だが役所の作文で心に響くものはない

○代表質問では小泉総理が総理としての責任を果たしていないことを追及

○野党結集—-委員会の報告を今後議論していく

○企業・団体献金禁止にはいくつかの論点があり、責任ある回答が必要

総理の施政方針演説を聞いて

【幹事長】まず、先ほど本会議で小泉総理始め、各大臣の演説がありましたが、代表も同じことを言われたのではないかと思いますが、非常に 中身はいろいろ「盛り沢山」で、「盛り沢山」というのは皮肉を込めて 言ってるんですが、いろんなことを言ってるんだけども心に響くものはない。

かつての所信表明演説は、いろんな役所が持ち寄ったものを単純に足 し併せて作っていたわけですが、小泉さんが登場したときはかなりそれ を変えて絞り込んで、自分の言葉で情熱でお話しになったと思っていたわけです。特に最初の演説は。

しかし、今日の演説を見ると、完全に元に戻ったなと。役所の作文のつぎはぎだと。そこに小泉総理自身の理念、あるいはやりたいこと、情 熱、そういうものは全く感じられないわけで、「普通の総理」になったんですね、という気がしました。

私自身代表質問を、本来なら1日空けるべきだと思いますが、「残念ながら」月曜日に行うことになりました。 文案については今、検討していますが、1つはこの1年9カ月を見て きて、小泉さんが総理として本来すべき判断を先送りしたり、あるいは丸投げをしたという場面が何度かありました。

そのとき、「もし私が総理ならこういうふうにしたのに」と感じたわ けで、そういうことを率直に「あのときこうすべきだったのではない か」というふうに申し上げたいと思います。

それからもう1つは、やはり来年度予算案を中心に当面の経済運営について、民主党ならこうするということを、我々の予算案のご紹介も兼 ねながら申し上げたいと思っています。

その他、政治とカネの問題やイラク情勢を例に取った外交姿勢、合計して4つですね。予算を含む経済問題、構造改革の遅れ、政治とカネ、 イラクを中心とする外交、ということです。

35分という時間ですから、多少早く終わって、必要があれば再質問、再々質問を考えています。

野党結集検討委員会報告

【幹事長】それから、先ほどの本会議が終わったあと、石井一先生から、野党結集検討委員会の報告書がまとまったということで、短時間で はありましたが、代表と私に対して、説明をいただきました。

恐らく石井先生から中身について皆さんにもお話があると思います が、かなりボリュームのあるものなんですが、本質的な部分は提言のと ころでして、一言で言うと、統一地方選挙までの間、いろんな意味での協力を進めていくと。

しかしその際、「自由党との合流をも視野に入れて」と、こういう表 現になっていたと思います。この表現も委員会のなかでいろいろ議論が出て、そういうふうに落ち着いたと聞いてますが、いずれにしても委員会では「たたき台」を作っていただくということでしたので、それができたわけで、それを素に党の役員会、常任幹事会で、あるいは必要があれば両院議員総会、そういうところで具体的な議論を進めていきたいと考えています。

景気回復には財政出動が必要という見解についての考え

【記者】今日の午前中、桜井議員や海江田議員が中心になって勉強会を 立ち上げました。景気回復にはさらなる財政出動が必要だという認識の ようですが、昨日の連合の要請にも同じような趣旨の項目がありまし た。それについての幹事長の見解を伺えますか。

【幹事長】まず認識の問題として連合の昨日のご説明は、必ずしも追加 的な財政出動を求めるものではなかったと思います。そうではないとも 言っていませんが、つまり5兆6000億円だと思いますが景気経済対 策へのご提言で、そのなかにその部分の財源をどうするのかということ についていくつかの具体的な項目も含めて書いてありました。

5兆6000億円のうち、どの程度を予算の組み替えに委ねるのか は、数字が書いてありませんので分かりませんが、単純に5兆6000 億円分をプラスしろという趣旨のものではなかったと私は理解していますし、そういうご説明もいただきました。

いろいろな勉強会があることは私はいいと思いますし、それぞれ考え方があるのでまさしく党のなかで、『次の内閣』あるいは関連の部門会議のなかでご議論をいただければいいことだと。ただ、勉強会をやって、意見交換をするということも結構なことだと思います。

野党結集委員会の中間報告を受けて

【記者】今日野党結集委員会で中間報告が出ましたが、「自由党との合 流をも視野に」という表現だということですが、合流によるメリット、 デメリットはどんなものがあるとお考えですか。

【幹事長】石井さんからあとで説明があると思いますが、報告は「現在 の小選挙区制度のもとでは、政権交代の実現のためには野党結集は不可 欠であり、野党との連携を強化すること。その第1段階として、自由党との間に合流をも視野に入れて政権構想、政策合意、選挙協力を協議する機関を設置すること。以上の行動に直ちに取り組むとともに、政権交 代勢力樹立のための新たな態勢構築については本年4月の統一地方選挙 後、できるだけ速やかに結論を得ること」ということで、結論を出して いるわけではありません。

自由党とのメリット、デメリットということですが、実はこのこと自 体がこの検討委員会に求められていたことなので、ざっとしかまだ読ん でいませんが、どこかにそういうことも書いてあるのではないかと思っ ています。

【記者】それを幹事長としてどう思われますか。

【幹事長】それを検討委員会で整理してもらって、その整理をもとに役 員会あるいは常任幹事会で議論をするということだったと思いますの で、検討委員会が整理するということで設けられたので私が勝手に言う べきではないと思います。これから党内で議論していくことです。

【記者】今日の中間報告をざっと見ての評価は?

【幹事長】大変ご苦労してまとめていただきましたので、先ほど代表と 一緒に石井先生には誠意をもってお礼を申し上げておきました。これを たたき台として議論が始まるということです。

【記者】地方議員や党員にはどのように説明をするんでしょうか。

【幹事長】まだ方向性が固まっていませんからね。最終的に結論を決め るときには政党ですから、いろいろ手続きが必要になると思います。

【記者】提言では「統一地方選後に結論を出す」ということですが、党 としてはこれをたたき台として結論を出すんでしょうか。また、いつご ろ結論が出る見通しですか。

【幹事長】それはやってみないとわかりません。ただあまり長く延ばし ていいと思いません。 結論というのは2つあって、検討委員会の報告ついて議論をして結論 を得るというのと、結集そのもののあり方について議論をして結論を得 るというのと両方あるんですよね。

検討委員会はあとのほうについて、「統一地方選が終わったあと」と 言っているわけで、私もそんなところかなという気がしますが、もっと 早くという意見もあるでしょうし、ゆっくりという意見もあると思いま す。そこは今私が申し上げるべきではないと思います。

【記者】提言を見て、役員会そして常任幹事会で今後検討していくのと いうことですが、今回の検討委員会の位置付けというのは?

【幹事長】結集委員会というのは別に最終的な報告をとりまとめる場で はありません。結集委員会としてはこれで仕事をされたわけです。何度も言っているように、結集委員会は議論のたたき台を作る場であって、 結論を出す場ではありません。

【記者】では、これで結集委員会の役割は終わりということでしょうか。

【幹事長】終わりかどうか、これが最終報告なのかということがありま すので、そこはまだ石井先生とご相談しなければなりません。ただ、あくまでたたき台を作るという位置付けだということは頭に置いておいていただきたいと思います。

企業・団体献金禁止についての見解

【記者】河村議員や細野議員が企業献金禁止を検討する会をつくり会合 をやったようですが、それについてどのように思われますか。また、 献金禁止についての党としての議論の進捗状況はどうなってるんでしょ うか。

【幹事長】まず我が党所属の国会議員が個人として、企業や団体から献 金を政党支部でも受け取らない、あるいはパーティーもやらないと決め ることは自由です。大いにやっていただいたらいいと思います。

しかし、民主党としてどうなのかということについては、私のもとで 今日も正副幹事長会議をやり、そこでも議論をしました。今、論点整理をしております。それができ次第、党の機関できちんと議論していきた いと思います。

方向性については私から申し上げることはありませんが、すでに議論のなかで浮かび上がっているいくつかの論点はあります。

例えば、国会議員の場合には、政党交付金を受けた党からの支給とい うのが今ありますが、地方議員の場合に党本部からの支援は原則ありません。そのときに企業・団体献金を支部で受け取れない、パーティーもできないといった場合に政治活動のための政治資金をどのようにして得ることができるのか、やらなくていいということなのかというのが1つ あります。

パーティーも駄目、政治献金も駄目ということになると、なぜ個人は 良くて企業・団体は駄目なのかということに対する論理的に答えられる よう整理が必要であります。

また、党の財政を預かる立場から言わせてもらいますと、我が党の今 の収入は年間100億円ぐらいあるのですが、95%は税金です。あと の5%はパーティーとか献金なのですが、個人献金は60万円から80 万円にすぎません。そうすると、ほとんど今の状況では税金に依存しているわけで、それでいいいのかと。

もちろん、個人献金をどんどん確保できればいいのかもしれませんが、それがなかなか増えない状況において政党としての活動、例えば新人に対する支援あるいは地方組織に対する支援ということもどんどん制 限されていく。

特に、知恵のある人がいて、民主党はそういったものを認めていない から、政党交付金なども制限してしまおう、あるいは額を半分にしてし まおうと考えたときに、それ以外の収入がないわけですから、たちまち 活動は立ち行かなくなります。

そういったことをどう考えるのか、例として申し上げましたが、責任 ある答えを我々執行部としては用意していかなければならないというこ とです。良い悪いという判断は今の段階ではしません。

小泉総理の施政方針演説の評価

【記者】今日の小泉総理の施政方針演説についての評価は?

【幹事長】 先ほども言いましたが、非常に網羅的でいろいろなことを入れていますが、あまり中身のあるものはなかったと思いますが。

【記者】デフレ対策について、日銀に責任を押し付けている感じですが。

【幹事長】そのとおりだと思います。今の予算の配分を前提にしている わけですから、結局手がないということですよ。

野党結集検討委員会の今後

【記者】野党結集の話で、今後最も重要な論点は何になっていくんで しょうか。

【幹事長】私は自由党と社民党との関係を今後どうしていくのかという ことだと思います。関係という意味は合流までか統一会派までか。ある いは今のような小選挙での調整をしていくのか。どれを選択すべきなの かということだと思います。残念ながらそういうことについてメリッ ト、デメリットはあまり報告書には書かれていないようです。

1月24日

○予算委—-菅代表の一本勝ち。総理の失言も取り上げられるようになった

○「貸し渋りはない」発言—-中小企業の現実を見ない総理に猛省を促したい

○企業・団体献金全廃—-正式には聞いていないが論点整理は始めた

○先制攻撃—-一般論として述べるべきであって特定の国を挙げるのは軽率

○定年制—-まだ手が回らない状況だがなるべく早く議論を始めたい

○私は5人の拉致被害者を北朝鮮に帰せと言ったことは一度もない

予算委員会を見て

【幹事長】昨日から、予算委員会で菅代表を筆頭に我が党の質問が始まりました。特に、菅代表と小泉総理の対決は、非常に見応えがあったと思います。もちろん、報道されているとおりですが、 菅代表の一本勝ちだと思っています。

小泉さんを見ていて私が感じたのは、一昔前、彼が登場した1年数カ月前であれば、いろんな失言をしても、それが問われることもなく通ってしまっていたと。

例えば、私が予算委員会で質問したときに、大臣の人事は非常に大事だ、自分の主導で行うとおっしゃいましたが、それじゃあ副大臣はどうなんだ、派閥均衡じゃないかと私が指摘したところ、 小泉総理は「それは些事だ。こだわるな」と言ったんですね。

副大臣人事が些事であるはずがないんで、私はそこでも「なぜ些事なのか」と申し上げましたが、 結局そのこはほとんどマスコミに取り上げられることもなく、それで済んでしまったんですね。当時は、そういう雰囲気だったと思います。

しかし、今や総理の失言は、それは失言として取り上げられるように なり、そういう意味では、総 理を見る目がそれだけ冷静になっているということだと思います。時代がそれだけ変わってきた、 空気が変わってきたということを改めて感じました。

総理の、身振り手振りの答弁が段々滑稽に見えてきた、そして物悲しく見えてきたという感じすらするわけです。

「貸し渋り」についての総理発言

【幹事長】それから、今朝のいくつかの朝刊が報じていましたが、20日の経済財政諮問会議で、貸し渋りの問題についての小泉総理の発言というのがあります。

ここで奥田議員が、これはテレビ番組の話ですが、「優秀な技術を 持った中小企業でも貸し渋り、 貸し剥がしに遭っている。それが事実とすれば非常に問題ではないか」 ということで問題提起をされました。

それに対して総理が「一部しか報道していないのではないか。ある信用金庫から聞いた話では 『カネは十分にある』と言っていた」と。「国会で野党が『貸してくれ ない』と主張しているが、そんなことはなく、良いところにはたっぷり貸しているということだった。野党やマスコミの言う『貸し剥がし』などの乗せられてはいけないと忠告された」と、こういうふうに議事録にも載っています。

私は奥田さんの問題提起は、非常に重要だと思いますが、別に奥田さんも(貸し剥がしが横行していると)決めつけているわけではなくて、そういうふうに報道されているが、それが事実なら大変なことだと。だから、そういうことがないようにこれからちゃんと対応していこうという前向きの提言だったと思います。

ところが総理はそれを確認することなく、「信用金庫から聞いているけれども、それは一部しか報 道していない。カネは十分にある」と切って捨ててしまったわけで、ここに総理の基本的な姿勢が表れていると思います。

今の不況の深刻な状況が分かっていないし、あるいは中小企業の立場に立った見方もない。強い金融機関、貸す側の論理で物事を判断している、切って捨てているという姿が非常に出ていると思います。これは総理に猛省を促したいと思います。

こういうことを続けているから、どんどん痛みが厳しくなっている、 しわ寄せが進んでいるということだと思います。

代表と総理の予算委員会での対決

【記者】民主党の支持率が低迷するなかで、昨日の予算委員会での菅さ んと小泉さんのやりとり は、反転攻勢のきっかけになったと思いますか?

【幹事長】まさしく反転攻勢に転ずるきっかけになったと思っています。いいスタートが切れたと思っています。

プレ統一選ともいわれる知事・政令市長選

【記者】今週末、青森・愛媛の知事選と北九州市の市長選が行われますが、これはプレ統一選と して注目されています。幹事長としてはこの選挙の位置付けをどのように捉えていらっしゃいます か?

【幹事長】もちろん、今度の日曜日だけではなくて、その翌週には山梨その他の選挙がありますが、 特にそのなかで我が党が推薦をしている山梨・青森といったところでいい結果が残せるように、党 としてしっかり頑張っているところです。

企業・団体献金の全廃論

【記者】今日の正副幹事長会議で企業・団体献金のあり方について多少 意見交換されたと思いま すが、幹事長のご認識と今後の意見集約について伺えますか?

【幹事長】全廃という議論は私のところには正式な形では来ていませ ん。私も新聞を通じてでしか 承知していないのですが、名前が出た議員には少し立ち話で聞いたりは しましたが、是非それは 党にきちんと提案していただきたいとは申し上げておきました。

政治献金を党としてどう扱うかという問題、一般論としてパーティーをどう扱うかという問題と、党主催のパーティーをどうするかという問題、そして党全体の収入をどう確保していくかという問題で すね。

そういったいろいろな問題を含む論点として、私のところで一度論点 整理をして党内での議論に持っていきたいと考えております。その論点整理を今日からフリーディスカッションの形で、正副幹事長会議の場で始めたと。ある程度まとまれば、それを党の機関に諮って議論をさらに進めていきたいと考えています。

【記者】どういった論点を?

【幹事長】今言ったようなことです。

予算委員会での川口大臣の北朝鮮攻撃発言

【記者】今日の予算委員会で川口外務大臣が対北朝鮮で、北朝鮮のミサイル基地を日本が攻撃することもあり得るという趣旨の答弁をされています。ややちょっと違和感があったんですが、北朝 鮮を攻撃する可能性があるという、その発言については?

【幹事長】 石破防衛庁長官の発言もあったと思います。私は現実にその場におりませんでしたの で報道でしか承知をしていませんが、一つは正確に知りたいと思いますので確認でもあるのです が、日本が攻撃するということではなくて、米軍の攻撃の支援を求めることができるかどうかという話だったと思うんです。というのは日本にそれだけの能力は基本的にありませんから。

今まで、攻撃を受ける直前に自衛権の範囲のなかでどれだけのことが できるのかということは、国会でもいろいろ議論されてきた問題だと思います。そういう議論を国会ですることはそれは必要なことだと思いますが、特定の国を挙げて議論することは私は適切では ないのではないかと。

質問者がそういうことだったのではないかという議論もありますが、 少なくとも政府側としてはそ のときに一般論としてということで答弁すべきであって、そういう意味 では軽率だったと言われても 仕方ないと思います。必要以上の緊張感を高めてしまうと思います。言われたほうも仮定の議論をされたら気分がいいはずがありません。

別に私は北朝鮮の立場に立つ者ではありませんが—-最近そうではないかという報道もされるんですが—-もちろん、北朝鮮は非常に問題のある国です。しかし、そういうことについては、慎重に一般論として議論していくというのが本来ではなかったかと思いま す。

定年制導入の進捗状況

【記者】党改革の関連ですが、議員の定年制の議論は今どうなってるんでしょうか?

【幹事長】やることがたくさんありまして、だいぶ整理をしてきたので すが、担当を決めたりしてその なかで定年制の問題、あるいは当選回数の制限など、そういった問題に ついてはまだ議論が始ま ってません。

例えば、新人支援の問題や党改革と言われるなかのいくつかのことは担当者や責任者を決めてスタートさせましたが、残念ながらそこまでは手が回っていないとい うのが今の姿で、それはなるべく早く議論をスタートさせたいとは思っています。

とにかく、幹事長になってまず離党問題、党大会の関連、連合との関係、そして自由党との関係などかなり骨太な議論が続きましたので、そういうものが軌道に乗りつつあるというなかで、党改 革の問題はこれから取り組んでいきたいと。こういうことです。

日曜討論での北朝鮮問題に関する発言

【幹事長】あと、例の私の日曜日のテレビの発言についていろいろマス コミを賑わせたり、党のなかでもご発言があったりするんですが、一つだけこの場で明確に申し上げておきたいことは、テレビの前でも、こういう場でもお話をしたことがあったと思いますが、私 は「5人を北朝鮮に帰せ」と言ったことは一度もありません。

ただ、いただくメールなどを見るとそういうふうに受け取っている方が圧倒的で、それは伝え方の問題、つまり私自身限られた時間のなかで発言した。それを一般の方が見ていてそう受け取ったということがありますので、そこはもう少し伝える場面や言い方などを考えなければいけないと思っていますが、5人を帰せと言ったことは一度もありませんので、そこは確認をしておきたいと思いま す。

1月17日

○小選挙区での協力について自由党の幹事長・選挙責任者と作業を始める

○総理の靖国参拝—-盧武鉉氏と小泉氏とを比べると大人と子供

○政治とカネ—-自民党総裁として小泉氏の責任は重い

○自由党との合流については党内の検討結果を見てから判断したい

○政策合意は骨太なものでよい、大事なのは決めたことをきちんと守ること

○統一名簿の話は出ていないが、小選挙区での協力は正式に党として確認

○企業・団体献金の是非について、まずは論点の粗ごなしをしたい

自由党との会談

【幹事長】まず、先ほど行いました、自由党の小沢党首、藤井幹事長と、我が党の菅代表、そして私との4者会談についてですが、会談後に両党首・代表がお述 べになったことに尽きていますが、藤井幹事長ともよくご相談して、近々両党の 選挙責任者も入れて、具体的な作業をスタートさせたいと考えています。

「作業」という意味は、次回の総選挙に向けての、まずは小選挙区に向けての調整を始めたいということです。すでに両党の候補者が擁立されてかち合ってい る選挙区、あるいはこれからかち合いそうな選挙区について調整作業を始める。

それからもう一つ大切なことは、これから本格的に候補者を立てていくことになりますので、その際に、一旦公認してから調整するのはなかなか難しいことです ので、そういう意味で、両党が候補者を立てる際には、事前によく連絡を取って 将来的な競合が起こらないようにしていくことだと考えています。

なるべく早く4者での会合を開きたいと思っています。具体的作業は両党の選 挙責任者にやっていただきますが、「幹事長の下で」ということで、藤井さんと話したところです。

総理の靖国参拝

【幹事長】次に、やや時間が経ちましたが、小泉総理の靖国参拝の問題は、タイミングも含め、大変問題のある参拝だったと思います。

従来から我が党は憲法上の問題、そして何よりもA級戦犯が合祀されている場所に総理大臣が行くことの問題を指摘してきました。

小泉総理も、以前靖国に行ったあとの訪中・訪韓では、参拝の言い訳のような話をして、そして中国には今、かなり行きにくい状況になっていると思います。そ ういうなかで、また靖国に参拝されたということは、日中間の話し合いができない 状況になっているのではないかと懸念しています。

韓国でも金大中大統領が川口外務大臣とお会いになりませんでしたし、盧武 鉉次期大統領は大人の対応をされたと思いますが、盧武鉉さんは非常に本質 的なことを提起されたと思います。

日本もそういう思いの下で、国立墓地構想などを検討していたはずなんですが、 小泉さんは「いや、靖国に行くんだ」ということで参拝されたわけで、盧武鉉さんと 小泉さんとを比べると、大人と子供という感じがして、同じ日本の政治家として大 変残念に思っています。

いずれにしても、問題提起がされましたので、しっかり日本国政府としての対応 を考えていただきたいと思っています。

中村代議士と自民党長崎県連

【幹事長】それから、中村喜四郎代議士の有罪判決確定については、この前の自民党長崎県連前幹事長の逮捕と並んで、いかに自民党政治が公共事業がら みのカネで歪められているかということの現れです。

特に、長崎県連の話は、報道によると裏金の問題も指摘されているようですが、 それが本当に長崎県連だけの問題なのか、それともあちこちで起きていることなのか。自民党総裁として小泉さんの責任は免れない。他人事みたいに言ってな いで、しっかり調べて、そういうことが起こらないようにする必要がある。そして、 我々が提案している、公共事業受注企業の献金規制の問題について真剣に考 えてもらいたいと思っています。

もう一つ言えば、中村代議士の問題で、有権者が悪いような言い方を総理がされてますが、これも、自民党総裁としての自らの責任を転嫁する発言で、確かに 中村氏は現在自民党ではありませんが、選挙区に自民党候補者を立てずにい るわけですから、自民党と盟友関係にあることは明らかで、その責任を問わずし て有権者のせいにしているというのは、いかがなものかという感じがします。

鳩山・小沢合意

【記者】昼の自由党との党首会談では、昨年の暮れに鳩山前代表が小沢党首と 合意した両党の合流や統一会派構想は白紙に戻ったということで理解してよい のでしょうか?

【幹事長】まずその前提が、確かに自由党からのご説明は鳩山前代表が選挙も 国会も一緒にやろうという提案があって、小沢党首としてはそれに同意したという お話でした。

ここのところは前にも申し上げましたが、役員会で私が確認したとき鳩山前代 表は「合流の話はしていない、連携を強める話をしただけだ」というご説明をされ ました。役員会の説明ですから正式な説明だと私は理解していますが、ただその 後テレビなどを見ると、講演会のような公の席で、代表が合流の議論をされてい るような場面も映像で見ておりますので、私自身は率直に申し上げて事実関係 はよく分かりません。 従って、今のご質問の最初の前提への回答は留保させていただきますが、今 後のこととして一つの党になるとかいった点については今回はそういことについ て現時点では合意はしなかったと。

今後の検討課題として、我が党は今、石井一議員の下で検討機関を設けて党 内的に議論をしているということを説明して、その結論が出たところで将来的に 機関できちんと議論をしたいと説明いたしましたので、白紙に戻すとかそういう言 い方は私は適切ではないと思いますが、今の段階ではそれ以上ではないという ことです。

自由党との政策のすり合わせ

【記者】先ほどの会見で、小沢党首は民主党との政策の違いについて、「自民党 内部での意見の違い程度なら大したことない」という言い方をしましたが、3年前 の自自公政権で意見が違うと言って最後には離脱した経緯があることを念頭に、 その辺の政策のすり合わせということについてどのように思われますか?

【幹事長】まず、小沢党首のご発言については他党のことですのでコメントは控え たいと思いますが、これから自由党とあるいは他の野党も含めて、次の総選挙 に向けて協力関係を築いていくなかで、政策は同じほうがいいというのはその通 り事実だと私は思いますので、政策責任者間でよく協議をしていく必要があるか と思います。

ただ、一つの党になるということになれば、きちんとした政策の議論はその途上 で必要だと思いますが、例えば連立を組むとかこういうことであれば選挙政策と いいますか、政権政策というものがきちんとあれば細かいところまで一致する必 要はないと私は思います。

細川政権のときの合意はいろいろありましたが、基本的に政治改革を成し遂げ るということだったんですね。それで細川政権ができたということです。

もちろん、合意の文書もありますが、そういう意味では我々は自民党政権を倒 して政権交代をするなかでこの国の経済を立て直していくんだとか、たとえばそ ういう形で骨太な合意があれば十分だと思います。そして、その骨太な合意とい うのは選挙が近づいたときに、具体的に用意し決めればいいとそんなふうに思っ ています。

いろいろな議論があることはいいと思いますが、決めたことは最後はきちっとま とまるということが大事です。これは党内でも連立でも、いずれにしても大事だと 思います。

自由党との選挙協力

【記者】結局、小選挙区の協力については前回並みということでしょうか?

【幹事長】率直に言って、前回はあまりできてませんよね。今回は候補者も増え ますから、非常にバッティングするんですね。そういう意味でしっかり調整していく ことは必要だと思います。

ただ、完全に調整できるかどうかは分かりません。もうすでに公認候補者が両 党から立って現実に活動しているときに、一本に絞るということが難しいという場 合も想定されますが、努力はしたいと思います。

自由党との候補者調整

【記者】一本化の調整の取り組みは難しいということですか?

【幹事長】いや、そんなことないと思います。それから、統一名簿のことは今日は 全く出ませんでした。選挙区の調整の話は、両幹事長に具体的なことは委ねら れていますので、あえて両代表のトップが会って、「選挙区の調整」という言葉は 使っていませんが「選挙における協力関係」ということをお互い確認をし、そして 両幹事長に具体的に具体的な作業に入れというふうに言われたわけですから、 そういう意味では今までと違って正式な党対党の事実上の確認ということになっ たと私は理解しています。

前回の選挙協力との相違点および企業・団体献金問題

【記者】従来の小選挙区での協力と違う点と、企業・団体献金の問題についての 民主党としての今後の取り組みについて伺えますか?

【幹事長】今までは具体的にはしていないんですよね。事実上、選挙責任者が話 をしている部分はあるかもしれませんが、党としてきちんと調整をするということを確認はされておりません。

現実に、ダブって立っているところもかなりありましたし、最近民主党が公認したところでもかち合っているところもあるので、今まではやってなかったというのが正しいと思います。それをこれからやるということを確認したということです。

後者の話はそういう提案が一部の議員からあることは、私もマスコミを通じて知 っていますが、直接私のところには話はありません。できれば党内できちんと問 題提起をしていただきたいと思っていますが、私のところで少し論点の粗ごなし をしたいと考えていて、担当副幹事長を決めてそこでまず議論をしたうえで、党の役員会や常任幹事会に諮りたいと思っています。 いろいろな論点がありますが、私が聞いるのは民主党に対しての政治献金は 本部だけやめにして総支部は残すというご提案もあります。

それからパーティーはどうするのかという問題もあります。そういうことについてきちんと議論しなけ ればなりません。個人献金はどうやって増やしていくのかということも検討課題で すね。昨年で60万から80万くらいの個人献金が党本部に対してありましたが、 収入の95%が税金です。

そういうなかで、逆にいうと企業・団体献金の党本部ベースではそんなにたくさ んないのですが、私としては新人の支援とか政党として活動していくなかで税金 だけに頼っていていいのか、もっと幅広く活動していくための政治資金というのも 必要ではないかと考えていますので、それを個人献金あるいは企業・団体献金 という形で調達していくのか、あるいは調達することをやめるのか、そういう議論 をきちんとしていく必要があると思います。

民主党大会への小沢党首の出席

【記者】今日の党首会談では小沢党首が明日の民主党大会には出席するかどうかという話は出たんでしょうか?

【幹事長】明日は欠席されます。前から名古屋のほうで先約があるということです のでというお断りがありました。

合流問題の意見集約

【記者】一つの党になる、ならないというのは今後のことだということですが、石井 委員会で中間報告がそろそろ出るようですが、それを受けて今後どれくらいの目 途で党としての意見を集約していくおつもりでしょうか?

【幹事長】早ければ早いに越したことはありませんが、やってみないと分からない ですよね。最終的には常任幹事会あるいは場合によっては両院議員総会という ことになると思いますのが、石井委員会の結論がどういう形で出るのか、きちん と集約されて出てくるのかという問題もありますので、それは見てみないと、ある いはやってみないと分かりません。

合流に対する党内の慎重論

【記者】今日の党首レベルの会談では、両党間の連携の確認にとどまり、合流に は至らないということだが、合流について自由党のほうが積極的という感じで民 主党は慎重という印象があるが、その理由についてどうお考えですか?

【幹事長】自由党のなかでどういう状況なのかというのは私は承知してませんの が、小沢党首のお話は「鳩山さんからご提案があったのでそのことについて自分 も同意をした」と言っておられました。それ以上でもそれ以下でもありませんでし た。

我が党で党の合流について慎重論があるということですが、まさしく議論してい る最中ですので、議論のなかでどういうメリットまたはデメリットがあるかというこ とを見て判断したいと思っています。

でも、結婚するときに、いろいろ考えるのは普通の姿ではないかと思うのです が。この話が具体化して出てきたのは昨年の暮れですから、まだ1カ月経ってい ないわけです。党内の議論はほとんどなされていないわけです。

国民を広く巻き込んだ運動という代表の提案

【記者】今日の会談で党の枠組みだけでなく、国民を広く巻き込んだ運動をして いきたいという提案が菅代表からあったようですが、それについてはどんな意見 が出たんでしょうか?

【幹事長】これは具体的な話はたぶん明日の党大会でそういうご提案があるので はないかと思っていますので、そういう形で公になったところで具体的な検討に 入りたいと思っています。

【記者】これには自由党も加わるというような方向になりそうですか?

【幹事長】具体的に自由党のほうから直ちに参加をするというような話はありませ んでした。やはり各野党に対しても呼びかけはするというのは当然だろうと思っ ていますが、具体的な構想がはっきりした上で申し上げたほうがいいと思いま す。

12月27日

○今年前半は国会で健闘したが、後半の混乱と低迷は残念だった

○二度の代表選で密になったコミュニケーションを資産に反転攻勢に出たい

○地方選、補選、総選挙に向けて小泉政権との対決、党内改革等を進めたい

○ハナ信組—-説明責任が果たされないなかでの公的資金投入は問題

○自由党との選挙協力について早めに枠組みをつくらねばならない

○新たな離党者—-具体的に何も聞いていないし想像もしていない

○有事法制—-法案化よりも、まず民主党の考え方をまとめることが第 一

○総理は道路公団民営化委の報告を尊重し、次の国会に法案提出すべき

○定年制—-優先順位を見ながら、党内で一度議論してみたい

この1年を振り返って

【幹事長】年末ですから1年を振り返りますと、今年は民主党としては いろんなことがあった年だったなという感じがします。

前半は、国会での対応ということで、いろんなスキャンダルが噴出し たなかで、比較的健闘し、皆頑張って民主党に対する期待感がある程度 高まったのではないかと思っています。

ただ、通常国会終了直前から代表選挙モードになりまして、そして代 表選挙が終わったあとの混乱、そして再度の代表選挙、新執行部の出発 ということでかなり混乱し、民主党に対する期待感も非常に下がってし まったわけで、大変残念だと思います。

ただ、「残念だ、残念だ」と後ろ向きのことばかり言っていても仕方 ありませんから前向きな話をすれば、二度の選挙を通じてお互い毎日のようにコミュニケーションし合いましたので、それは仲間だけではなくて、党内の180名の国会議員がいろんな形で意見交換をし合う機会がありましたので、そういう意味では普段あまりお付き合いのない方とも お話をしたりして、コミュニケーションが密になったことだけは間違いないと思います。そういったことを一つの資産にして、年が明ければ反 転攻勢に出なければいけないと思います。

来年は、統一地方選挙、衆参統一補欠選挙、そして恐らく、菅代表に 言わせれば99%、衆議院総選挙がありますので、それらの選挙をいか に戦い抜いていくかということを問われるわけで、そういう意味でも、 1月20日に通常国会がスタートすれば、その国会でいかにして我が党 が小泉自民党政権と戦う姿勢、そして我々のきちんとした案を示しなが ら、小泉自民党政権では何もできない、進まないということをしっかり 示していくことが、民主党の存在感を高めることだと思っています。

もちろん、そういった戦う姿勢に加えて、私が従来から言ってるよう に、民主党が信頼に値する、そして政権を任せるに値する政党であると いうことを、党改革をしっかりと行っていくなかで示していくことも、 最初の話に劣らず重要なことで、民主党が今年1年の経験を踏まえて、 こんなことを何回も言わなければいけないのは恥ずかしい話なんです が、決めたことは皆でしっかり守っていく政党であり、責任を果たして いく政党にしていくと。

そして、野党であることに安住するのではなくて、本気で政権を取り に行く政党であるということが国民の皆さんにしっかり伝わるように、 党活動も充実させていきたいと考えています。 そういうなかで、先ほど言ったいくつかの選挙を乗り越え、総選挙で足がかりをつくりたいと考えています。

そういう意味で、来年は大きな勝負の年になると考えていますので、 民主党はもちろんですが、菅・岡田執行部にとっても大きな勝負の年で すから、菅代表と力を合わせながら、しっかり頑張っていきたいと思っ ています。

皆さんにも今年1年、いろんな意味でお騒がせし、大分お疲れの方も いらっしゃると思いますが、来年は少し明るさが見えて、前向きに進ん でいける年にしたいと思っていますので、宜しくお願いを申し上げたい と思います。

ハナ信組への公的資金投入

【記者】預金保険機構がハナ信用組合への公的資金の投入を決めました が、北朝鮮や朝銀の絡む話ですからいろいろと問題があると思うんです が、これについての幹事長のお考えをお聞かせください。

【幹事長】党のなかではまだ結論を出していないと思いますが、従来か ら我が党は「慎重に考えるべきだ」「安易に国民の税金を使うべきでは ない」ということを申し上げてきました。

もちろん、朝銀だから他の銀行と違う扱いをするというわけではあり ませんが、そこは日本の国内法に基づいて設立された金融機関であれ ば、同じ扱いをしなければいけないわけですが、それにしても、いろい ろと不透明な経緯もありますから、そういうことの説明責任が果たされ たのかどうか、私は非常に疑問に思っています。

そういう意味で、説明責任をきちんと果たしたうえでなければ、税金 投入を安易に認めるわけにはいかないと考えています。

最初から難しい話が出たね。久し振りに政策の話で(笑)。

自由党との協力関係

【記者】来年、自由党との選挙協力、野党結集についてどのように取り 組むおつもりですか。それから、幹事長になりまして、これからいろんなことに取 り組んでいかなければいけないと思っています。

【幹事長】石井委員会(野党結集準備委員会)も昨日開かれたと聞いて いますが、まだ詳しい報告を受けていませんが、党内でこれから議論を 進めていかなければいけないと思っています。

ただ、どういう形を想定するにせよ、つまり今のままで協力していく のか、統一会派や一つの政党ということも視野に入れて進めるのか、そ こは石井委員会で議論していただいたうえで執行部で最終判断するとい うことにしています。

しかし、どういう協力をするにせよ、選挙協力が必要であることは言 うまでもありません。選挙協力というのは、衆議院だと小選挙区です ね。

そういう意味で、特に自由党との間で具体的な選挙区における協力に ついて基本的な考え方をまず合意し、そして個別の作業に入っていかな ければいけないと感じています。

藤井幹事長とも数日前にお会いして意見交換を始めていますので、年 内にもう一度話をするかどうか分かりませんが、いずれにしても早めに 大きな枠組みをつくらなければいけないのではないかと思っています。

【記者】比例区は?

【幹事長】比例区で協力するということは、具体的には一つの政党にな るということですから、さっき言った統一会派とか合流とか、そういう 話に結論が出ないとできないことなので、その話はしばらく横に置い て、まず選挙協力、一つひとつの選挙区について、お互い調整できると ころがないかという話をまずスタートさせるべきではないかと考えてい ます。

さらなる離党者

【記者】後ろ向きな話で恐縮ですが、年明けにも新たな離党者が出るの ではないかという話があるようですが、幹事長はどのように見てらっ しゃるんでしょうか。

【幹事長】そういう噂はよく流されるんですが、どこが発信源か分かりませんが、私は具体的にそういう話を聞いていませんし、そういう想像 もしていません。

有事法制

【記者】有事法制ですが、対案をつくるにしても、政府が出すようなものまでつくるのかどうか、通常国会でどういうふうに進めていくのか、 もう一度改めてお聞かせください。

【幹事長】有事法制については、年が明ければ党内で議論もしますの で、まだ具体的イメージを固めているわけではありません。特に、法案 の形で出すのかどうか。法案化作業をするとなると、これは膨大な量の 作業が出てきます。

なかなか法律をつくったことのない我が党の幹部の皆さんは気楽に おっしゃる傾向もありますが、法制局で一つひとつ詰めていくとなる と、有事法制のような構えの大きな法律は相当の作業が要りますから、 そう簡単なことではないと思います。国民の皆さんから見ても、果たし てそういうことを求めているのかどうか、という感じもします。

ですから、まず第一ステップとしては、我々の考えをきちんとまとめる。基本的には、政府案に対する考え方という形でまとめてあります が、それを「ここが問題だ」というだけではなくて、「こうすべきだ」 ということも含めてまとめる作業が、1月には必要になってくると思い ます。

そのうえで、それを法案という形で出すのか要綱で出すのか、あるいは別の形を取るのか、それは2月、3月、そういう時間のなかで考えて いけばいい。いずれにしても、有事法制の審議は予算審議のあと、4月 の話ですから、そこは2月、3月をどういうふうに有効に使っていくか という話だと思います。

【記者】その点について、熊谷さんが離党する際にも話が出てました が、「必要なんだから完全なものでなくてもより良いものにしていく努 力をすべきだ」という方もいらっしゃれば、是々非々で「中身のあるも のかどうかだ」という方と、広い意見があると思うんですが、そこはど ういうふうにお考えですか。

【幹事長】そこは前通常国会からスタンスは決まっているわけで、我々 が求める有事法制の考え方をしっかり出して、それに対して政府・与党がしっかり受け止めて、今の政府案、これは全く問題外なんですが、そ ういうものを全面的に改めるということであれば、分かりやすく言えば、我々の要求を100%呑むんであれば合意できるわけだし、0%なら反対なわけだし、じゃあ50%のときどうするのかという話であって、それは我々が案をまとめたあと、政府がどういう対応を取るかにか かってくる問題だと思います。

前通常国会では、残念ながら答弁すらまともにできないなかで、我々 が具体的に疑問点を指摘したにもかかわらず、ほとんどそれに答えられ なかったというのが現状です。それではやはり賛成できないわけです ね。相手の出方にかかっていると思います。

道路公団改革

【記者】道路公団問題ですが、年明けにもこの問題が政治の議論の俎上 に載ると思うんですが?

【幹事長】この前、民営化推進委員会の意見書が出ましたが、小泉総理 は委員会に任せて、その委員会が結論を出したわけですから、その結論 を総理として尊重していくべきだと思います。もし、異論があるなら、 委員会の審議の途中で述べるべきであって、委員会の結論が出たから、 またそれを党内でもんでくれだとか、あるいは国土交通省に丸投げする とか、そういうことであれば総理としての責任を果たしていないと思い ます。

民主党としては、委員会の報告は基本的に大きな方向としてはいいと 思っています。もちろん、細かい具体的な点になれば、いろいろ議論し なければいけませんが、枠組み・骨格としてはあれでいいと考えていま すので、是非あれが法案の形で出てくること、しかもそれが次の通常国 会に出てくることを期待しています。

ここで1年間空けるということは、結局やらないということと一緒だ と思います。

それは立場によって違うわけで、きちんとした議論をするのはやぶさかではありませんが、一方的な考え方だけで判断するわけにはいかない 問題であると思います。

定年制

【記者】自民党では、比例区選出の衆議院議員の定年制の議論が本格化 していますが、民主党では現在、定年制についてどのようにお考えで しょうか。

【幹事長】自民党はいつも議論は本格化するんですが(笑)、尻すぼみ に終わるというのが毎回のことなんですが、実は我が党は自民党のよう に80代の方がたくさんいらっしゃるという状況にはありません。民主 党の最高齢は70歳の方ですから、そういう意味では、あまりまだ具体 的に高齢化の問題はありません。

私自身は定年制を導入すべきだという意見ですが、どっかの選挙で6 5歳と私が言ってるわけではないし、もちろん一定の経過措置も必要だ と思っていますが、しかしこれは党内でまだ議論していませんので、党 改革の一環として議論の俎上に載せていきたいと考えています。

ただ、どのくらい優先度を持って議論すべきかというと、もう少し急 がれることもあると思いますので、代表とよくご相談したうえで、どこ かのタイミングできちんと議論してみたいと思っています。

値上げ法案

【幹事長】道路公団問題なんて、完全に先送りだよね。いつ、誰が次の 次の通常国会でやるなんて決めたんですかね。

今度の国会は有事法制なんかも重要だと思いますが、そういった小泉 構造改革がどれくらい口約束されて、現実いかに無視されてできていな いかということも大きなテーマだと思います。もちろん、経済政策は最 大の問題ですし、外交問題もあります。

それに加えて、いろんな値上げ法案が目白押しで、特に医療費の3割負担などは我々は最後まで反対したわけですが、現実にそういうタイミングで入ってきますので、反対の声はあちこちにあるわけですから、そういうことももう一度俎上に載せて、しっかり議論していく必要がある んじゃないかと。医療費3割負担について、明確に反対していく必要が あると考えています。

いずれにしても、1月になれば、国会全体をどういうふうに戦ってい くかということを党でしっかり議論して進めていきたいと考えていま す。

12月20日

○韓国大統領選—-盧武鉉氏の当選を友人として喜んでいる

○盧武鉉氏は信念に基づいて行動する人物だと感じた

○民主党で政権交代すると約束して当選した以上、離党は筋が通らない

○保守党を解党して離党組と新党を結成するのは脱法行為

○比例議員が離党するのであれば議員辞職して議席を民主党に返すべき

○比例単独立候補廃止の決定を実行しなかったのは怠慢のそしりを免れない

○野党間の選挙協力は早急に詰めなければいけない

○有事法制—-民主党の対案づくりを進めるが、法案にするかは白紙

韓国大統領選挙

【幹事長】今日は、幹事長になって初めての記者会見ですので、改めま して、このたび幹事長に就任いたしました、岡田克也です。宜しくお願 いいたします。

私からは、まず韓国の大統領が盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏に決まりま した。正式就任までにはまだ時間がありますが、私は大変楽しみにして います。

今年の春に訪韓したときに、彼が民主党の大統領候補に決まった直後 でしたので、30分ぐらいお会いしましたが、大統領候補になられて、 日本の政治家として恐らく初めてお会いして、意見交換も少しさせてい ただきました。

非常に信念を持った政治家だという印象を持ちましたが、その間いろ いろアップダウンもありましたし、最後には非常に大きな危機に陥った にもかかわらず、それを乗り越えて大統領選挙に当選されたことを、友 人として私も喜んでいます。

我が党と盧武鉉さんの新千年民主党とは政策的に非常に共通点が多い ということで、彼の場合すでに与党ですが、我々のほうも負けないよう に早く政権党にならなければならいと思っています。

具体的にはこれから、政策その他が明らかになっていくんだろうと思 いますが、北朝鮮政策については金大中政権の政策を基本的には継承さ れていくということですから、これから日韓間でよく政策調整をして、 協力しながら、私に言わせると、北朝鮮政策はもちろん日韓の協力は大 事なんですが、それ以上に、直接の当事者である韓国の考え方を日本が 尊重して政策を出していくべきだと考えています。

盧武鉉大統領がどういう政策を打ち出してくるのか注意深く見守りな がら、基本的にはそういう姿勢で進めていくべきではないかと思ってい ます。

熊谷新党

【幹事長】次に、どうせ質問が出るでしょうが、例の熊谷新党問題につ いてですが、これは記者懇の場でいつも申し上げていることですが、民 主党としては、そういうことが起こらないように、最後まで慰留に努め たいと考えていますし、現在そういうふうにそれぞれの議員の関係のな かで、親しい議員、信頼関係のできている議員が説得に当たってる状況 です。

今日、熊谷さんが鳩山前代表のところに伺ってお話をされたというこ とも聞いてますが、一部報道では「鳩山さんが熊谷さんに理解を示し た」と報道された部分もありますが、その点については、直後に鳩山さ んご本人に電話をして確認したところ、「そういうふうに受け止められ ることは、自分の考えているところとは違う」と言われました。

いずれにしても、我々は仲間ですから、是非留まっていただくよう に、最後の最後まで慰留に努めたいと考えています。

幹事長としての取り組み

それから、幹事長になりまして、これからいろんなことに取 り組んでいかなければいけないと思っています。

どうも、この新党問題に時間を割かれていて、党改革その他のことに 本格的に取り組めていないのは大変残念ですが、3回に渡る両院議員懇 談会を、昨日と一昨日にやりました。

それから、この前は47都道府県の幹事長・選挙責任者会議、あるい は新人候補者研修、そういったことを重ねてきて、何とか我々が共通の 問題意識を持てるような、そういう感じができてきたんじゃないかと 思っています。

共通の問題意識とは、結党以来我々が目指してきたもの、つまり「こ の民主党で政権交代を実現する」ということ、それを我々がしっかり認 識し、そして本気でそれに向かって努力していく。

そういうなかで、必要があればもちろん協力もしていかなければいけ ません。政治家ですから当然自分の主張もあるでしょうが、必要な協力 はするし、場合によっては我慢もすると。そして、「政権交代」という 大きな目的のために努力していく。

そういう姿が見えたときに、私は国民の皆さんに「もう一度、民主党 に賭けてみよう」という気持ちが出てくるのではないか。そんなふうに 感じています。

そして、そのことと、国会における厳しい議論などが相まって、民主 党の、今やかなり地に落ちた感のある今の状況を立て直していきたいと 考えています。

今日も、先ほど自民党の山崎幹事長とテレビ番組で1時間30分近い 議論をしましたが、これからいろんな場で山崎幹事長と、そして菅代表 と小泉総理との間でも、厳しい議論をするなかで、民主党の存在感を高 めていきたい。そんなふうに考えているところです。

新党結成の問題点

【記者】今回の熊谷さんの行動のどこに問題点があるとお考えですか?

【幹事長】我々は民主党ですから、民主党として国民の皆さんに信頼を いただいて選挙でも民主党と名乗って、そしてこの民主党で政権交代を するということを有権者の皆さんにお約束して当選してきたわけです。 それが民主党を出て、しかも与党に行ってしまうというのでは大義名分 が立たないと思います。

【記者】ここ10年ぐらい、新党騒ぎというのが年末に出てきますが、 その理由は何だと思われますか?

【幹事長】ご存じのとおり、政党交付金ということが非常に絡んでいる と思いますね。もちろん国会の区切りということもあるのでしょうが。

比例選出議員の身分

【記者】先ほどの番組収録のなかで、幹事長は「比例選出の議員につい ては辞職すべきだ」とおっしゃいましたが、そういう議員から離党届が 出た場合、民主党の対応として辞職を求める、または議員辞職を勧告す るということはあるんでしょうか?

【幹事長】今のご質問について少しご説明しますと、今回離党が予想される議員のなかに比例選出の議員がいた場合には、比例選出の議員というのはご本人の名前ではなくて民主党の議員ということで当選をしているわけですから、それなら他党に移るならむしろお辞めになっていただ いて民主党に議席を返していただきたい。その証拠に、比例選出の議員 が政党間を移動することは現在認められていない。法律で禁止されてい るわけです。

今回はそこをすり抜けるために、保守党を形式上解散して新しい党を作ることで政党間移動を事実上脱法しようとしているわけで、本来法律 が認めないことをやろうとしているわけです。

有権者の皆さんからすれば、民主党ということで投票したわけで、個 人の名前で投票しているわけではないですから、そういう方々がこの民 主党から出ていくとおっしゃるのであれば、ましてや与党に行くという ことであれば、本来民主党の議席なのですから自ら議員辞職をされて、 民主党の議員が繰り上げ当選をすると。今、落選中の方あるいはウェイ ティング・サークルに入っている方を繰り上げ当選する、それが筋だろ うと思っております。

大橋巨泉さんはまさしく比例だったわけですが、自ら議員辞職されて 代わりにツルネン・マルティさんが繰り上げ当選されたわけですね。そ れが本来の姿だろうと思います。

私は大橋さんについていろいろ批判的なことも言いましたが、しかし お辞めになったことは筋を通されたと評価しております。

今のご質問は、そのうえで辞職勧告をするのかということでしたが、 これは比例選出の議員が辞表を持ってこられるかどうか分かりません し、我々は今、全員に慰留を呼びかけているわけですから、その先のこ とはちょっと今の段階ではお答えしかねます。

単独比例候補の原則禁止

【記者】比例議員の扱いに関連して、今回離党騒ぎの要因の一つとし て、単独比例の候補を原則認めないという方針を打ち出したことがある かと思いますが、今後この方針について見直されるお考えはありません か?

【幹事長】これは1年前の常任幹事会で、「比例単独選出は認めない。 選挙区調整の結果、比例区に回った方に対しても原則認めない。小選挙 区から出てもらう」ということが決まっています。

私になって新しいルールが決まったように誤解をされている方がい らっしゃるかもしれませんが、私が申し上げたいのは1年前に決めた ルールをきちんとやりましょうと。私は執行部ですから、常任幹事会で 決めたことをやるのが我々の責任であって、最近になって変わったわけ ではないということです。

むしろ、今までルールがあったにもかかわらず、それをきちんと運用 してこなかったのは怠慢のそしりを免れないということですね。

それを変えるべきかどうか、それは党内での議論があるかどうかで す。先の議員懇談会でも両論ありましたね。今回の騒ぎの背景にはそう いうことがあるのではないかというご指摘もありました。

しかし、他方で若い議員あるいは新人議員の方からは「やはり比例は 減らしてもらいたい。あるいは無くしてもらいたい」という要望がかな り出たことも事実です。新人候補者の場合には「全部単独比例はなし だ」という発言に対して、20人くらいの方が拍手をしたという事実も ありますね。

それは立場によって違うわけで、きちんとした議論をするのはやぶさかではありませんが、一方的な考え方だけで判断するわけにはいかない 問題であると思います。

鳩山前代表と熊谷前副代表の会談

【記者】今日の午前中に行われた鳩山さんと熊谷さんの会談について、 鳩山さんは「理解を示したつもりはない」とおっしゃったことと、一方 で「慰留はしない」とおっしゃったことについて、どのように思われま すか。

【幹事長】具体的にどのように言われたのか、鳩山さんに聞いていただ かないと私もそこまで細かく詰めたわけではありませんし、詰める立場 でもありません。

それから、「慰留はしない」とおっしゃったのは、鳩山さん個人とし てここまで熊谷さんも来られてかなりはっきりおっしゃったので、今さ ら慰留してもとて元には戻らないだろうというつもりで言われたのだと 思います。

私は熊谷さんとはお話をしていませんし、慰留すべき相手はお一人で はありませんので、全体について最後まで幹事長としては最後まで努力 をさせていただきたいと思っています。

【記者】今回の熊谷さんの動きについて、鳩山さんが「今回のみならず 二度、三度と続くのではないか」とおっしゃったようですが、幹事長は どのように思われますか?

【幹事長】鳩山前代表がどのように言われたのか私は承知しておりませ んが、一般論として申し上げると、今、民主党がこれだけ信用をなくし ている状況ですから、それぞれの議員のなかにいろいろな意味での迷い とか葛藤があるのは無理もないことだとは思います。

そういった状況から、もう一度きちんと我々民主党で政権を取ってい くんだという気持ちに早く高めていかなければいけない。それが執行部 の責任だと思います。

私が申し上げたいのは、政権を民主党で取ると約束して選挙を戦って 選ばれてきた人間ではないか。それが例えば与党に行ってしまうという ことであれば、それは政治家としての責任を果たしていることになるの かということです。そのことだけは申し上げておきたいと思います。

自由党との関係

【記者】菅さんが新しいリーダーになって、今後の自由党との関係につ いては?また連携するのであればどういった形でとお考えでしょう か。

【幹事長】鳩山さんの時代に、考え方の整理を一応しました。それは、 一つは自由党だけでなく野党連携、野党が協力するあり方について、まず党でしっかり議論をしましょうということで、「野党結集準備委員 会」という組織をつくり、石井一さんが委員長になって、まず党のなか で議論することになりました。その議論はこれから進んでいきます。

その議論をしっかり踏まえて、党のなかに役員会もあれば常任幹事会 もありますので、そういうところでの議論をきちんと組織としてそのう えで自由党なり社民党と話をするということです。

今、私が申し上げたのは、たとえば統一会派をつくるとか一つの党に なるというときにはそういう手続きが必要だということです。それを飛 び越えて突然執行部だけが走るということはできないということです。

じゃあ、取りあえず何があるのかということですが、もちろん国会に おける協力ですね。それから政策面でももっとすり合わせていくという ことは必要で、例えばこの前の国会でも自由党と民主党との賛否は相当 違いましたが、もう少し努力すれば合わせられるものもあったと思うん ですね。

政策は私が政調会長のときには、2週間に1回ずつ野党4党政策責任 者会議をやっていろいろな意見交換をしながら進めてきました。そうい うことをやりながら、実績を積み上げていく。

そして、一番大事なことは選挙が近いかもしれませんが、同じ選挙区 で野党の候補者がバッティングするということはよく起こることです。 前回の選挙でもありました。あるいは前々回の新進党と民主党の間でも バッティングの問題がありました。そういうことがなるべく起こらない ようにすることが大事なので、そこは特に社民党、自由党の幹事長とは よくお話をして早く対応を見出さなくてはならないと思っています。

有事法制への対応

【記者】有事法制について対案を示すと言っていますが、その対案というのは基本的な考え方を示すということなのか、あるいは法案まで考え ていらっしゃるんでしょうか。もし、そうであればいつ頃までにやろう としていらっしゃるのか。また横路副代表が前回9月の代表選のとき に、「有事法制は必要ない。現行の法律を準用することを考えるべき だ」とおっしゃってましたが、その考えをまとめるなかで、また党が割れる心配があるのではないでしょうか?

【幹事長】まだ法案までつくるかどうかは考えていません。まず考え方 をきちんと示すことが大事だと思います。

政府案に対する考え方はすでにまとめてありますが、むしろ政府案に 対してここがおかしいこのようにすべきだということでありますが、そ れをきちんと文章の形にするということがまず必要だと思って、できれ ばそれを1月中を一つの目途にして、もちろん党内手続きはもう少しか かるかもしれませんが、やりたいと思います。

実質的な法案審議はもっとずっとあとですからそんなに急ぐ話ではあ りません。法案をつくるかどうかは、そういった作業をやりながら検討 していきたいので、今のところ白紙です。

横路副代表のお考えは私も聞いていましたが、「今の法律を準用し て」ということは、有事法制が必要だということはお認めになっている わけです。それは党でも認めているわけです。緊急事態のための法整備 がいるということは認めているのであって、これは副代表も同じ考えだ と思います。

あとは法形式の話で、独立法にするのかあるいは他の法律を引っ張っ てきて準用する形をとるのか、それはいわゆる形式の話であって重要な 話ではないと思います。

ただ、本当に準用でできるのかどうかそれは中身次第ですが、私には かなり無理があるのではないかと思えます。

例えば、災害対策基本法を準用するといっても、より有事のほうが入 口も出口もつまり有事の認定とかこういう場合に有事が終わったとかい うことは、より厳格に書くべきだと思います。

災害の場合は一発起こってそれで終わってしまいます。台風とか地震 とかあまり長く何週間・何カ月も続くことはありません。終わるという のはあまり重要ではないですね。

しかし、有事の場合にはいつ終わるのか、いつ始まりいつ終わるのか、それが大事なんです。そういうことを考えると、準用というのは私 はかなり無理があるように思います。しかし、それも含めて議論してい けばいいと思います。

盧武鉉氏の政治家像

【記者】盧武鉉氏について先ほど共鳴したとおっしゃいましたが、心に 残った具体的な会話の内容や、今後の日韓関係の影響についてどのよう に思われますか。

【幹事長】彼は「感情に流されてはいけない」と言ったんですね。これ は海洋水産大臣のときに韓国のなかでは「竹島問題についてもっと強く 出るべきだ」という意見が多く寄せられたけれど、自分はそういう感情 に流されるのではなくて理性に基づいて対処しなければならないと考えて、竹島問題を政治的に取り上げるということはしなかったと。

そう言われて繰り返して、「感情に委ねるような政治じゃいけない」 ということを言われたんです。ポピュリストだとかそういった見方もそ の時期ありましたが、私はそういう政治家ではない、信念に基づいて取 り組んでいかれる政治家だという印象を受けました。

これからの政策はまだ時間がかかるでしょうが、本来であれば民主党 から誰かが行って、できれば大統領になる前にしっかりと人間関係を構 築してくるということも大事なのではないかと思っております。

私も盧武鉉さん自身とお会いしたのは一度だけなものですから、次の リーダーということで彼が鄭東泳(チョン・ドンヨン)さんと秋美愛 (チュ・ミエ)さんという女性議員と3人で並んで、鄭夢準(チョン・ モンジュン)さんが反発をしたという報道もありますが、鄭東泳さんと 秋美愛さんの2人とは極めて親しい関係で何回もお会いしておりますの で、そういう意味では鄭さんと秋さんと盧武鉉さんとどこかでお会いし たいなと。私がお会いするのがいいのか代表にお会いいただくのがいい のか、大統領になる前に一度そういった機会があるといいなと思ってい ます。




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