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2001.04.30|マスコミ

読書で政策の方向感覚養う

民主党の政調会長に昨年九月に就任し、党内の次世代を担うホープの一人と目されている。「政調会長として新しい政策テーマに取り組むときには、それに関係 する本を10冊から20冊ほど読んで方向感覚をつけてから臨む」という。蔵書は東京・九段の議員宿舎にあり、「ほとんどが床に平積みになっている状態だ」 という。

本格的な読書歴は大学生時代から。東大法学部で、故・佐藤誠三郎氏のゼミに在籍。「ゼミに出席する際には3、4冊の本を読む宿題を出され、鍛えられた。そのおかげもあってか、今では本中毒のようなところもある」という。

1日の読書時間帯は、早朝と深夜とを使い分けている。「朝の6時に起きて、頭がすっきりとしているときに仕事関係の本を読み、夜の10時過ぎには歴史小説など自分の好きな本を読む」という。

一昨年の11月に財界人らが中心となって古典を読むために開いている「日本アスペン・エグゼクティブセミナー」に参加。学生時代に親しんだプラトンやルソーなどの古典を久しぶりに読み返した。

そのときに1週間のうちに最低1時間は哲学書を読むようにアドバイスを受けたが、「なかなか続かない。学生時代のような感受性がなくなってしまったのではないか」と苦笑い。

年間の読書量は百冊余り。読書中に重要だと思った部分には必ず線を引き、後で読み返すように配慮している。「パソコンに入力し、検索しやすくしようと思っているが、時間がかかり実現できていない」

最近では、米国のベーカー元国務長官がブッシュ政権時代に携わったソ連崩壊や湾岸戦争などの外交を回想した『シャトル外交 激動の4年』(新潮社)が印象に残っているという。

『歴史としてのドイツ統一』(高橋進著、岩波書店)は、「敗戦国のドイツが周辺諸国の信頼を得るための努力を徹底したにもかかわらず、英国のサッチャー 元首相が最後まで統一に反対した事実は、日本にとっても大きな教訓になる」との思いを抱いたという。

また、日本が満州事変などに突き進むプロセスを描写した『日本の近代5 政党から軍部へ』(北岡伸一著、中央公論新社)は「なぜ、政治が軍部の暴走を抑えることができなかったのかということを考えさせてくれた」という。




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