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2001.03.30|国会会議録

政府の不良債権処理策を批判

質疑を続行いたします。岡田克也君。

○岡田委員 民主党の岡田克也です。まず、日銀総裁にお伺いしたいと思います。

お聞きする前に、最近、日銀バッシングというのがかなり行われておりまして、午前の議論の中でも一部そういうことがありました。今、景気がなかなか厳しい状況にある、そのことの責任をすべて日銀に押しつけるという、極めて私は無責任な態度だと。政治家であれば、やはり自分が責任を感じろ、そういうふうにまず申し上げておきたいというふうに思います。
その上で、日銀総裁に幾つかお聞きしたいと思います。

まず、十九日にお決めになったことの中で、「実施期間の目処として消費者物価を採用」というところがございます。「新しい金融市場調節方式は、消費者物価指数の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで、継続することとする。」というところでございます。私は、これを見まして心配事といいますか、二つありますので、お聞きしたいと思います。

一つは、これはある種のインフレターゲットなのか、それとも、ただ単に消費者物価指数が前年比ゼロになるまでこの新しい調節方式を続けるという意味なのか、どちらなのかということであります。

そして、もう一つは、過去のバブルの時期を振り返りますと、もちろんゼロではありませんでしたが、かなり消費者物価は安定をしておりました。安定していて安心だと思っていたら、土地や株価やゴルフ会員権といった資産インフレが起こりまして、気がついたら取り返しのつかないところまで来ていたというのがバブルのときの反省だったと思います。そういう意味では、消費者物価のみに着目しておりますが、それで果たしていいんだろうか、そういう疑問もあるわけです。 以上の二点について、お答えをいただきたいと思います。

○速水参考人 お答えいたします。今回の措置は、まず物価の継続的な下落を防止して、持続的な経済成長の基盤を整備するという観点でとった措置でございます。 資産価格との関係で申しますと、一般的には、資産価格が大幅な上昇を示す場合というのは、消費者物価が長期間にわたってマイナスを続けるといった事態は余り考えられないんじゃないかと思います。

したがいまして、今回のコミットメントの時間軸によりまして、資産価格の上昇を起点とする経済活動の行き過ぎや、インフレといったようなものに対応できなくなるというリスクは、余り大きくないのじゃないかと考えております。

もちろん日本銀行としましては、資産価格の動向とか経済、物価への影響につきましては十分注視してまいりたいというふうに考えております。

○岡田委員 次に、長期国債の買い入れの問題であります。銀行券発行残高を上限として、必要があれば長期国債も買い入れを増額するということであります。しかし、これも、まず銀行券発行残高まで長期国債を買い入れていくということが非常に大きなことでありますし、あるいは銀行券発行残高に限定をするというのも、ある意味では何の根拠もないことで、これが一つの歯どめとして意味があるのかどうか。下手をすれば、それをさらに超えてどんどん長期国債を買っていくことになる。いわば日銀の国債の引き受けと同じようなことになってしまうのではないか、こういう心配もあるわけですが、この点、どのようにお考えでしょうか。

○速水参考人 御承知のように、長期国債はこれまでも毎月四千億買っておりましたけれども、今回新しい措置をとりましてから、まだ追加的な買い入れというのはやっておりません。

これを入れましたのは、いわゆる札割れといったようなことが起こって買えなくなるというようなことが生じた場合に、長期国債を、非常に多様化しておりますから買えるだろうということでございます。したがいまして、今後とも、国債価格の買い支えあるいは財政ファイナンスを目的としたような長期国債の買い入れはやるつもりはございません。

もう一つは、やはり現金通貨との関係という意味で、銀行券の残高を限度とする。これはかなりまだ余裕がございます。従来の考え方を踏襲して、銀行券発行残高を上限とするという条件をつけました。

第三には、先ほどから申しております、CPIが安定的に前年比ゼロ%以上になるまでということでございます。この三つの条件を入れておりますから、十分な歯どめを設けたというふうに思っております。

○岡田委員 私は、今回のこの十九日の措置というのは、日銀も恐らくいろいろな思いがあるだろうというふうに思うのですね。総理が訪米する、その手土産が必要だという意味で、政治的なプレッシャーもかなりあったと思います。

そして、本来であればこういう決定は、今問題になっている不良債権の処理、そのことの具体的な政策とセットで出されるべき話だったのではないか、そういうふうに思うわけであります。不良債権を処理していけば、いろいろな意味でデフレ的要素が強くなる、そのことを中和するための政策であるべきだったのじゃないか。ほかに日銀がとれる政策というのは非常に限られておりますので、そういう意味では、同時にといいますか、日銀はこの決定を政府の不良債権の処理策の決定とほぼ同じタイミングで行うべきだった、しかし、それが先ほど言ったようないろいろな事情の中でできなかったというのが実態ではないかというふうに思っております。

最後に総裁はこの十九日の決定の中で、「日本銀行としては、」という書き出しになっておりますが、「構造改革に向けた国民の明確な意思と政府の強力なリーダーシップの下で、各方面における抜本的な取り組みが速やかに進展することを強く期待している。」こういうふうに書いてあるわけですが、ここのところはどういう思いでこういう表現になったのか、総裁のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○速水参考人 何かいささか条件をつけたような感じに受け取られるかもしれませんけれども、私どもはやはりこの十年、財政もそうでございますし、金融の方、特にやるべきことを随分やってきたわけですけれども、幾らマネタリーベースがふえていっても、実体経済の方が一向によくなっていかないという経験を重ねてきたわけでございまして、今回のこのかなり思い切った金融緩和策と同時に構造改革が、金融面はもとよりのこと産業面でも起こってくることが、これが起こらない限り金融面での緩和効果も余り期待できないというふうな気持ちを持っております。

したがいまして、なるたけ早く民間主導の構造改革が起こってくる、それを政府がうまくリードしていくといったようなことになっていければよいがというふうに考えております。

○岡田委員 非常に一般的な言い方をされましたが、もう少し思いを込めて、ここのところ、国民も見ておると思いますから、総裁の、政府のリーダーシップのもとでというところを、どういう思いでこういうふうにお書きになったのかおっしゃっていただければと思います。

○速水参考人 構造改革ということも随分言われて長いのですけれども、やはり実際に動くのは、金融機関にしてもそうだし企業にしても、民間が動き出さなければいけないわけですが、それには、やはり相当先が読めて、これなら大丈夫だということがはっきりしてきて初めてそういう構造改革への飛び上がりというのが出てくるのだろうと思うのですね。

その辺のところを、やはり政府も、官民も一体になって動いていかないと、かつてのイギリスで見たサッチャリズムあるいはアメリカで見たレーガノミックスといったような、十年ぐらいかかりましたけれども、ああいうすばらしい効果は期待できないというふうに思いますので、この際ぜひ政府が強いリーダーシップをとっていただきたいと思っております。

○岡田委員 それでは次に、日米首脳会談についてちょっとお聞きしたいと思います。宮澤大臣にお聞きしたいと思いますが、この日米首脳会談の中で、財政構造改革の問題が議論されたということであります。

参議院の本会議での三月二十三日の議事録によりますと、ここのところについて森総理は、こういうふうにお答えになっているのですね。我が国の財政を含む構造改革の方向性について半年程度で議論の成果が得られるのではないかと考えて申し上げたものでありますと。 日米首脳間でこの財政構造改革の問題はどういう議論があったのでしょうか。宮澤大臣も直接御出席になったわけではないので、総理からどういうふうにお聞きになっておられるかということでありますが、ここで総理が言っておられるのは、半年程度で議論の成果が得られるということでありますが、これは具体的にどういうことなのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○宮澤国務大臣 当初いろいろな報道がございましたし、必ずしもお話そのものが箇条書きで話されたわけでもなかったのだと思いますので、いろいろございましたけれども、こういうふうに今聞いております。

先般の日米首脳会談においては、総理から、財政問題に関し、国、地方合わせて六百六十六兆の債務残高を抱えていることを説明した後、本年一月に発足した経済財政諮問会議の議論において、社会保障のあり方、社会資本整備の方向性、国、地方の関係など我が国の財政を含む構造問題の方向性について、今後半年程度で議論の成果が得られるのではないかとの趣旨の発言がなされたと。

これは、岡田委員にも前にもお聞き取りいただいたことがあると思いますが、経済財政諮問会議で、例の私が申し上げておりましたマクロモデルをつくるということを経済研究所長に指示をいたしまして、その作業が、やってみないとわからないが、夏過ぎごろにはできるのではないかという答えでありました。

それができますといろいろなシミュレーションができるわけでございますが、それはやはり財政改革というものを、どこから切り口をしましても同じでございますけれども、要するに、今後の社会保障のあり方、あるいは国、地方の財政関係、社会資本整備等々、いろいろな問題を現実にシミュレーションとしてとらえるための準備、それが、このモデルが多分その時期にはできてくる、それまでにいろいろな議論もしておりますし、それかも当然するのであるがというようなことで、半年程度で議論のいろいろ道筋がついてくる、こういうことを言われようとしたというふうに私は理解しております。

○岡田委員 今の御説明、ちょっとわからないのですが、半年程度でモデルができる、あるいはいろいろな前提を置いてシミュレーションをするということなのか、それとも、そういったモデルを動かすことも踏まえた上で、財政構造改革についての一定の結論が出るということなのか、いずれなんでしょうか。

○宮澤国務大臣 それは、きちっと申しましたら、岡田委員の言われるように、前者だと考えるべきだと思います。ただ、非常にきちっきちっと箇条を分けて物を言っておられませんので、そういう準備もしていて、大体半年ぐらいでそういうものもできてくる、したがってそのころからいろいろ議論が具体的になっていくのではないか、こう言おうとされたのではないかと私は解釈しています。

○岡田委員 そうすると、総理は、日米首脳会談という場で、とにかく半年でモデルをつくるんだということだけをお約束されたということですね。しかし、モデルができるかどうかというのは、これは非常に実務的な話でありまして、政治家が首脳会談で話すときには、政治家の意思としてこうするんだというのがなければ、それは話したことにならないんじゃないですか。いや、モデルが間に合うようです、半年でできるようですよという、そんなことは首脳会談で話すような中身じゃないんじゃないでしょうか。私はどうしてもそこがわからないのですが、いかがでしょうか。

○宮澤国務大臣 そう言ってしまうとふたも身もない話なんですが、総理自身は、モデルとかいうことを言葉に出して言ったのではないらしいのです。しかし、そういうものもできてくるし、本格的な準備がこう、やっております、したがってそれは半年のと、こういうことを言おうとしたのではないだろうか。もとより、岡田委員の言われますように、モデルができましても、それはどういうふうに使えるか、シミュレーションでどうするか。シミュレートした答えをどうするかが、一番大事な部分は、到底そんなところでは出てくることは難しいのでございましょうから、議論が具体化するといったようなつもりで言われたのではないでしょうか。

○岡田委員 そうすると、もう一度確認しますと、半年で結論というのは、モデルができることであって、そのモデルを使っていろいろシミュレーションをして、そのシミュレーションも踏まえながら財政構造改革の具体的姿が出るのはもっと先である、こういうことですよね。しかし、アメリカはそういうふうに理解しているんでしょうか。恐らく、半年で方向性がきちんと出るというふうに当然理解していると私は思いますが、これは日米のかなり大きなそごがあるんじゃないでしょうか。もしモデルをつくることを言っただけだということになれば、ブッシュは相当びっくりするんじゃないでしょうか。

○宮澤国務大臣 経済財政諮問会議では、もう現にそういう議論をいたしておるわけでございますし、それをもっと具体化するためにモデルが要るな、それは半年ぐらいかかるかなというふうな、今そういう議論をしているわけですから、モデルができたら急に話を始めるというのではないので、それはいろいろな話の中からモデルというところに立ち至ったわけですから、今何にもしていないわけではない。それから、モデルができてくれば一層それが具体化するであろう、こういうようなことだと思います。

アメリカ側が誤解をしただろうかというのは、聞いてみないとわかりませんが、そう長いこと事を分けて言われたわけではないし、かなり一種の大づかみな話をしておられますから、恐らくそこはそう具体的にわたっての誤解はなくて、大体言われるところは向こうも恐らくそう受け取っておるのではないか。そういう種類の、かなり大づかみな、高次の話であったというふうに私は理解しています。

○岡田委員 私には理解不能であります。日米のトップが会って、そこで議論をするときに、いや、モデルができますよということで話が終わっていたという、それはちょっと信じがたいことでありまして、それなら私は、本当にアメリカに行かない方がよかった、そういうふうに改めて申し上げておきたいと思いますし、この点について日米で食い違いがあるとすると、むしろ一たん期待を持たせただけに、後々大変な摩擦になるんじゃないか、そのことを非常に心配をいたします。

それでは、この問題を余りやっていても、大臣の方から率直にお話しいただいたので次の問題に移りたいと思いますが、もう一つ、日米首脳会談の中で麻生大臣の発言ということをどう考えるかということであります。

これは不良債権処理の問題で、むしろ柳澤大臣にお聞きしたいと思いますが、朝日新聞の記事によりますと、個人的な意見ではあるがと断った上で、不良債権処理も含めて半年で骨太な結論を出したいというふうに述べたと報道されております。こういう事実があるというふうに大臣はお聞きでしょうか。先ほど、午前中少し議論があったのを私も聞いておりましたが、その後、何か確認されましたでしょうか。

○柳澤国務大臣 半年云々という話は、先ほど来御議論のマクロ経済モデルに関する御議論だ、このように理解をいたしております。

○岡田委員 この麻生大臣の議事録を見ると、大臣も余りはっきりは言っておられないのですが、しかし、その中で、半年というのは余り明確ではないのですが、三年ということは認めておられるようなんですね。不良債権処理を含める緊急対策は、景気が浮上するのにいろいろなことをやれば、三年ぐらいをめどにと言って、個人的に言ったと思う、そういうふうに言っておりますが、三年で不良債権を処理ということについて、麻生大臣はこういうふうにおっしゃったということについて、大臣はどうお考えでしょう。

○柳澤国務大臣 私も、二十七日朝、朝日新聞の報道を見て、記者の質問に答えて麻生大臣がお話しになられているこの記録を見ておるわけですけれども、特に今岡田委員のお話との関連で申し上げますと、三年度で処理ができるというようにも発言されているのですけれども、それは、答え、景気回復やるのに三年、問い、債権処理です、答え、不良債権処理が完了するのに三年、いや、そんなことは言わないよ、これが麻生大臣の記者会見の模様でございますので、その点についても、時期の点は触れていない、このように理解をいたしております。

○岡田委員 よくわからないのですけれども、朝日新聞を褒めたりしているのですよね。珍しくまともなことが書いてあるとか、自分のことを書いた記事を褒めているわけなんで、全体として肯定されている可能性が十分あると私は思うわけですね。 私は、ここで麻生大臣のことを、いらっしゃらないから言うつもりは余りありませんが、ちょっと話を聞いていて驚いたのは、こういう非常にあいまいな問題について、同じ大臣同士がきちんと確認しておられない。議事録を読んでおられるかもしれませんが、直接聞いて、どうだったんだということをなぜ確認しておられないのか。同じ内閣の中で大臣同士で、そして不良債権の処理の問題は、基本的には柳澤大臣が所管であります。それにもかかわらずほったらかしになっているというのは、もう内閣として機能していないのではないかと私は思うのですね。いかがでしょうか。

○柳澤国務大臣 確認はいたしております。それで、半年云々は不良債権の問題ではないということが明確になっております。

○岡田委員 私も午前中の同僚議員の質問を聞いておりましたが、その後確認されたということですか。

○柳澤国務大臣 いや、そこにいらっしゃった方から直接私はお話をいただきました。

○岡田委員 繰り返しになりますけれども、こういう非常に大事な問題、日米首脳会談で出た問題ですね。しかも、麻生さんは個人的な意見と言っていますが、大臣である人が個人的にというのは私はないだろうと思うんです。しかも、隣に森総理がおられて、森総理が麻生大臣に振ったわけですね。それで麻生大臣がお答えになった。森大臣はそれに対してコメントしていませんから、これは、そういう意味では、森総理も含めて日本国としてこういうことをいろいろお話しになったというふうに受け取るのが普通の考え方だと思います。

そして、その中身は重大だけれどもはっきりしない問題について、担当大臣が直接総理やあるいは麻生大臣に対して確認をしておられない。それも私は、極めて、何といいますか、本当にこれでこの国は大丈夫なのか、そういう気がしますが、これからでも遅くはありませんから、事実関係を確認されるおつもりはありますか。

○柳澤国務大臣 岡田委員のお話でございますが、もうこれ以上もない形で私は確認いたしておりますので、御心配には及びません。

○岡田委員 それではお聞きしますが、麻生大臣が個人的といって言われたことについて、政府としてこれは拘束されるというふうにお考えですか。

○柳澤国務大臣 ちょっと整理しますと、麻生大臣に確認しましたかという御質問に対しては、麻生大臣には確認していません。しかし、私はその場にいらっしゃった方からちゃんと聞いておりまして、半年云々は不良債権の問題ではない、これはもう明確であります。

○岡田委員 これ以上ちょっと聞く気がしませんが、本当に大事な問題ですから、意思疎通をよくしてやっていただきたい。野党の私が言うのは非常に変かもしれませんが、そういうふうに御要望申し上げておきたいと思います。そこで、次の問題に行きますが、日銀総裁にちょっとお聞きをしたいと思います。三月十四日の経済財政諮問会議における議論でありますが、今、私どもの手元には議事の要趣しかないわけですけれども、その中で速水総裁は、不良債権問題について、金融システムをさらに強固にするため不良債権をバランスシートから切り離す必要があり、同時に要注意債権について適切な引き当てを講ずることが重要であるという趣旨のことを述べられております。私は議事要趣しか持っておりませんが、正確に、この場でどういう御発言をされたのか、そしてその意図は何なのかということをお聞かせいただきたいと思います。

○速水参考人 諮問会議で申しましたのは引き当てに関する点だと思いますが、刻々と変化していく金融経済情勢を踏まえつつ、債務者の足元の経済状態とか先行きの見通しを勘案して適切な引き当てを講じることが重要である、金融機関にはこうした観点から適切に対応してもらいたいということを言いたかったわけでございます。

○岡田委員 その先行きの見通しを勘案して引き当てをするというのは、具体的にどういうことなんでしょうか。今引き当てがきちんとなされていないという前提でおっしゃっているんですか。

○速水参考人 御承知のように、不良貸し出しの残高はここのところずっと変わっておりません。償却は随分銀行はしておるわけですけれども、それで減っていかないというのは、やはり、その予備軍といいますか、そういう不良貸し出しになるものがふえていっているということではないかと思います。金融庁の方は、金融検査マニュアルに即して、債務者の経営実態とか、それを踏まえた引き当てについて注意深く不断の見直しを行って、適切に対応しておられると思います。いずれにしましても、この不良債権処理に適切に対応する必要がある、こうした点に関して、私どもとしては、今後とも、考査等の機会をとらえて金融機関経営者に対して繰り返し申し入れていきたいと考えております。

○岡田委員 この後、柳澤長官にかなり厳しく反論といいますか、御発言がありますので、そういう意味で総裁として少し遠慮されて言っているのかなというふうに思いますが、しかし、ここで総裁の言われたことを額面どおり受け取ると、引き当てが適当になされていないという前提で言われているとしか受け取れないわけですね。不良債権について、要注意債権について適切な引き当てを講ずることが重要であるというふうに要約されているわけです。ですから私、先ほど、正確に言われたことをおっしゃってくださいと申し上げたのは、もしこの要約が間違っているのであれば、それはそれで一つの考え方として成り立ちますが、この要約が正しいとすると、総裁としては、要注意債権について適切な引き当てがなされていないというふうに考えない限り、引き当てが重要だという答弁にならないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○速水参考人 私があのときに申しました言葉は、金融システムをさらに強固にするために不良債権をバランスシートから切り離す必要があり、同時に、将来償却が必要となる可能性のある債権についても適切な引き当てを講じることが重要であるというふうに述べたつもりでございます。私のその発言の趣旨は、刻々と変化していく金融経済情勢のもとで、各金融機関とも引き当ての現状を絶えず見直す姿勢が重要であると。取引先の経営状態も変わっていくわけですし、客観情勢も変わっていくわけでございますから、各金融機関とも引き当ての現状を絶えず見直す姿勢が重要であるということに重点を置いたつもりでございます。 この点につきましては、柳澤大臣との間で基本的な見解の相違はないと私は思っております。

○岡田委員 恐らく、これ以上お聞きしても総裁からは今の答弁以上のものは出てこないと思いますが、それじゃ、柳澤大臣にちょっと何点かお聞きしたいと思います。午前中も少し議論になっておりましたが、不良債権の額についていろいろな議論がございます。政府が述べている不良債権の額、例えばリスク管理債権であれば全国銀行で三十一兆八千億ということについて、実態はもっとあるんじゃないかということが、マーケットからもそういう声がかなりあるわけであります。実は、私もそういうふうに思っております。そのことについていろいろお聞きしたいと思います。まず、不良債権を区分する際の債務者の区分の問題がございますね。私は、本来、破綻懸念先に区分されるべき債務者が要注意先に区分されたり、あるいは要注意先に区分されるべき債務者が正常先に区分されているということが実態としてかなりあるんじゃないか、そういうふうに考えております。大臣は、それは金融検査マニュアルに沿って客観的にやっているんだ、こういうことでありますが、では金融検査マニュアルが必ず、例えば科学で言う実験みたいに、常に同じ条件なら同じ結論が出るような客観的なものになっているかというと、かなり判断の要素を含んでいると思うんですね。そういう意味では、現場の判断でかなり幅がある。そういう意味で、大臣のおっしゃるような、マニュアルに従っているから正しいんですというその言い方は、私は実はそうじゃないんだろう、こう思うわけですが、いかがでしょうか。

○柳澤国務大臣 私も、この問題については評価の要素があるということは、かねてここでも何度も申し上げているわけであります。そのことは否定しないわけでありますけれども、しかし、そもそも自己の査定は公認会計士の実務指針というものでやるし、それから引き当ても監査法人の監査のもとで行われるし、それからまた全体として、監査があるときには、最近では特に公認会計士の方々も誤ったことをやっていればその責任を将来追及されるというようなことで、公認会計士の監査をめぐる土壌というか環境も随分変わってきているわけであります。その上に、検査官が行きまして、債務者区分、分類、こういうようなものについて論争をするわけですね。議論をそこで行う。したがって、金融機関にとっては、本当にそれはある意味で生きるか死ぬか、自分の、自己資本比率に最終的に集約されるわけですけれども、それがどういうレベルに落ちつくかということは、まさに債務者区分と分類それから引き当てのレベル、こういうことで決まってくるわけでございますから、何重にもチェックが働き、また議論が行われる。しかも、一応基準となっている検査マニュアルでもって、そういう基準に基づいてお互いに論争をする。これまでのことをやっているということを踏まえて、あえて私に、それはどういうふうに評価されるかといえば、私としては、やはり適切に債務者区分が行われ、分類が行われ、引き当てが行われています、そういうふうに答えるのは当然ではないでしょうか。御理解いただけるのじゃないでしょうか。それを、そういうことをやっていても、なおまだ違うものがあると言うとしたら、それはどこで違うのだということをやはり明らかにしなきゃならぬと思うのですね。そういうことを全部総体として評価して、私はこれまで申し上げてきたようなことを言わせていただいた、こういう次第であります。

○岡田委員 いろいろな疑念が出るのは、過去の不幸な歴史といいますか、例えば公認会計士がちゃんとチェックしていないとか、その評価自身ももう地に落ちている感じが私はいたしますが、そういうことも踏まえて、そういう疑念が出てきているというふうに思います。 ちょっと具体的に申し上げますと、例えば今の金融検査マニュアルの中で、破綻懸念先と要注意先を分ける一つの考え方として、形式的には破綻懸念先に当たるようなものであっても、五年から十年の経営改善計画を持ち、そしてその計画終了後原則として正常先になるという計画があれば、破綻懸念先ではなくて要注意先でいい、こういう基準がございます。しかし、これなども、計画をつくるのは、全く客観的に計画ができているわけではありませんので、かなり恣意的に動かし得ることではないか、そういうふうに思うわけですね。そういった幅広く読み得るところについて、いろいろな条件がつけてあるわけですけれども、もう少し整理をして、考え方によって結果がもっと動かないように、金融検査マニュアルをお変えになるおつもりはありませんか。

○柳澤国務大臣 これは、まず正面から答えますと、岡田委員が御指摘になられるようなくだりが確かにあるのですけれども、これはやはり、合理的でありその実現可能性が高いということが確認されることが必要だということに、当然のことながらなっているわけです。 翻って、もう一つちょっと申し上げたいと思うのですけれども、実は、私ども今度オフバランス化というものを進めるに当たって、それのある種のインセンティブとして、私的な整理の場合にはここにも書いてあるわけですが、法的な整理をした場合でも、残債と申しますが残った債務について、それを今までどおり破綻先だから一〇〇%引き当てを積めとかというようなことをいいますと、これはもう全然インセンティブにならないですね。しっかり再建計画というものができて、これでいこう、あなたはここはバイアブルですから、ここの事業を進めてくださいとやっていたときに、場合によってはニューマネーが出るかもしれませんが、そのニューマネーが、相変わらず低い区分けになって、すごい引き当てを積まなければならないということになったら、そんなこと、もうやる意味がないというのが金融機関の側の利害関係になると思うのですね。ですから、我々は逆に、しっかりした再建計画が立った場合には、それは法的整理の場合でも、やはり残債についてそんなに引き当ては要しないんだというようなことでインセンティブを与えない限り、オフバランス化はうまくいかないのじゃないかというようなことで、このくだり、実は参議院でも議論があったのですが、我々は逆に今そういうことを考えている。ですから、要は、再建計画の確実性、信頼性の問題だ、このように考えているのです。

○岡田委員 私も最後の結論はそのとおりだと思うのですが、では、本当に確実な再建計画が立てられているかどうかという問題であります。これも既に他の委員会で何度も取り上げられておりますが、そごうの問題を考えたときに、長銀の持つそごうに対する債権は、何と平成十年三月期の決算までは正常先になっていた。それが新四カ年計画を策定するという事態を踏まえて要注意先になったということであります。しかし、そごうがつぶれたときに、その主たる取引銀行の責任ある立場にある人が、いや、数年前から債務超過だったんだというふうに発言したと私は記憶しております。ということは、四カ年計画をつくっていたかもしれないけれども、実際は銀行も債務超過だと知っていた。本来、破綻先か、せいぜい破綻懸念先ぐらいに分類しておくべきことだったのだと思うのですね。こういう実例を見ますと、単に計画があるからといってとても信用できない、そういうふうにマーケットが反応するのは当然だと思うのですね。この点について、いかがお考えですか。

○柳澤国務大臣 この問題は本当によく御議論があるところでございますけれども、成り行きは今岡田委員御指摘のとおりでございます。計画が出ていたから長銀としては正常先に分類したものを、検査に入って、少なくとも要注意先ではないかというふうに言ったということでございます。平成十一年二月の資産判定は、その検査結果を踏まえて要注意先というようなことになると同時に、平成十年二月期の決算が黒字であった、それから新四カ年計画の計画どおり返済が行われておった、この二つの事実で要注意先Aというふうに資産判定がなされた。これはもう特別公的管理に入ってからですけれども、そういうふうになされたわけでございます。そして今度は、長銀の特別公的管理下における最初の決算においても要注意であったわけですけれども、十一年九月の中間決算のときには、実はそごうの事業の方が四カ年計画の大幅未達というようなことを受けて、ここで初めて破綻懸念というふうに十一年九月期になるわけでございます。十二年二月の譲渡時には、資産判定のときは要注意であったのですけれども、譲渡時には破綻懸念ということで、破綻懸念相応の引当金を積んだ形で譲渡が行われたということでございます。しかし、最終的には、今委員も御指摘のように、現実に破綻に至ったということでございます。これは、何とも私も、それぞれの手続が、フォローしてみるとそんなに大きな過ちを伴った判断が行われていたとも思えないわけでありますけれども、結論においてこういうことになったということで、それではそれをどうしたら回避できたのであろうかということでございますけれども、検査においての議論あるいはかける時間というようなものをより充実していって実体に肉薄していくということが、結局は、基準にはぴたっと合ったことをやっているわけで、それを突き破った実体判断をしろということに当然なるわけですので、そうした方法しかないのではないか、このように私は思うわけです。

○岡田委員 私は、基本的には、これは主たる取引銀行のモラルの問題だというふうに思うのですね。こういうことがありますと、本当に信用できぬ、マーケットはそういうふうにみなすわけで、私は、それに対してもし反論するのであれば、現実を示して反論するしかないと思うのです。例えば、こういうことはおやりになるつもりはありませんか。過去二年間で倒産をした規模の大きいものから十社の例について、それぞれ倒産前にどのような債務者の分類になっていたかということを金融庁が発表する。確かにちゃんとこういうふうにやっていましたということを立証する。そうでもないと、ほかもみんな同じだということになってしまいますよね。そういうお考えはありませんでしょうか。

○柳澤国務大臣 破綻をしてしまったものですので、個別の問題についてもある程度公表、開示できるかと思いますけれども、ちょっと頭に浮かぶことは、企業の取引先とかその他の関係等を考えますと、個別問題についてどこまで開示できるかというとき、常にそういう懸念を我々は持つわけです。これは隠しておこうとかそういうことじゃなくて、やはり全部、企業の間というのは信頼で、信用の供与、それからまた、それをまた受けるとかというようなことのつながりでございますので、大変貴重なサジェスチョンだというふうに承りますけれども、今ここですぐにどうこうするというようなことを申し上げられないという気がいたします。いずれにせよ、せっかくのサジェスチョンですので、少し勉強させていただきたい、このように思います。

○岡田委員 今大臣おっしゃいましたように、もう破綻した後ですので、私は、その影響というのは余りないというふうに思うのですね。そのぐらいのことをしないと、なかなかマーケットの信頼は戻ってこない。そういうふうに重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。もう一つ、この不良債権の塊が表に出ている以外にたくさんあるのじゃないかというふうに思わせるもう一つの理由は、不良債権の残高が全然減らないということですね。平成十年三月に二十九・八兆円あったものが、十二年九月に先ほど言った三十一・八兆円ということで、多少ふえている、基本的に横ばいですね。しかし、その間に約四十兆円の処理を行っている。ということは、この平成十年三月と十二年九月の時点で見れば、一たん不良債権は六十九・八兆円にふえた、しかし、そのうちの約四十兆円を処理して三十一・八兆円になっている、こういうことですね。毎年毎年で追えば違う数字になりますが、マクロで見ればそういうことだ。つまり、平成十年三月に二十九・八兆円だった不良債権が、処理した額も含めると、十二年九月には六十九・八兆円、倍以上になっているということであります。 それは、その間、景気が悪化をしたりしてつぶれる企業がふえたとか、あるいは貸している先の経営状態が悪くなって分類が変わったということはあるかもしれませんが、それにしても、この短期間で倍にふえるということは、それは現実に倍にふえたのではなくて、隠してあったものをその間それだけ出してきたというふうに見られても仕方がないと思うのですが、いかがでしょうか。

○柳澤国務大臣 まず、ちょっと今手元に数字がそのままなくて恐縮ですけれども、大手行については、岡田委員、やはり減少しています、はっきり減少しているのです。しかし、全国銀行ということになって、地方銀行、第二地方銀行を入れますと、今言ったようにふえている。私もここで、減っているのだ、減っているのだというようなことを言うつもりはありませんけれども。ただ、その一つの理由として、リスク管理債権の定義を変えたのですね。つまり、条件変更の、条件を、かつては国税当局が損金に認めていないというようなことを反映して、それでもう、何というか不良債権と見ないというような評価をしておったのですけれども、国税の方が扱いを変えてくれたものですから、今度はこっちの方の扱いも変えて、リスク管理債権にそれを取り込むというようなことをやりました。それが今ちょっと手元になくて恐縮ですけれども、それがかなりの数字になったというようなことも、特殊な要因としては率直に言ってございます。しかし、今ここに来まして、結論において全国銀行ベースで微増というようなこと、この微増も、一兆もふえて微というようなことでもないじゃないかというような話も我々しているわけですけれども、基本的に微増の傾向にある、こういうようなことでございます。それがどういう背景を持って生まれてきているかということですが、これは先ほど、いわゆる新規発生額は幾らかという議論でもあるわけですけれども、推計なのですけれども我々一応の数字は持っておりますが、その数字の推移を見ると、十一年三月期、つまり、資本注入をして大いに不良債権を出した、表にして処理をした、そういう時期から、十二年三月期は非常に減っていますし、十二年九月期は、半期でございますけれども、これを仮に倍、今度はまたオフバランス化を進めますので倍ではとどまらないかもしれませんけれども、まあ十二年三月期よりも多分大幅に少なくなるだろう、このように思っておりまして、新規の発生額というものもかなり減っております。それをどういうふうに見るかということでございますけれども、やはり十一年三月期のときの処理というのが大いに貢献しているのではないか、このように考えております。ですから、今言った、何というか過去のうみというものは、私は、十一年三月期というものでかなり出たのではないか、出たと評価していいのじゃないか、このように見ているわけです。

○岡田委員 今の御説明でも、私の質問にはお答えになっていないのですが、要するに倍になっているということですね、不良債権の額が、処理したものも含めれば。 つまり、スタートのときに、平成十年三月に二十九・八兆だった。それで処理額が、この平成十年三月から十二年九月の間に約四十兆処理をしているわけですね。ということは、処理をした額も含めれば、その四十兆が乗っかるわけですから倍になる、こういうことじゃないかと思うのですが、私の計算、間違っていますか。

○柳澤国務大臣 どこがどう間違っているか、ちょっとこの問答の間ですので的確に御指摘できませんけれども、少なくとも、不良債権処分損六十八兆、六十七兆九千八百九十六億というものは、平成四年度からの累計でございます。そんなことなものですから、ちょっと先生の今御指摘の数字とは突合しないのではないかと思いますけれども。

○岡田委員 私は、六十八兆という平成五年三月期からの累計の数字を申し上げたのではなくて、平成十年三月期に十三兆三千億、十一年三月に十三兆六千億、十二年三月に六・九兆、そして十二年九月に二・三兆、合わせて三十五兆ということを申し上げたわけです。ですから、当初大体ラフに言って三十兆あって、今も三十兆だと。ということは、この処理三十五兆を合わせれば、三十兆が六十五兆になって、そして三十五兆処理したから三十兆だということじゃないのでしょうかと申し上げているわけです。

○柳澤国務大臣 ちょっと、何というかそういう計算が、岡田委員、実はできないのです。というのは、処分損というのがオフバランス化とぴたり一致しませんので。かねて申し上げているように、処分損に立てるものの中に、本当にオフバランス化するものと、実はオンバランスのままに残しておいて引当金を積む、その引当金が損益勘定の損になるというもので、損としては引当金は入るんですけれどもオフバランス化にならないということがありますので、今のそれを、ではどこがあれで、その議論でいうとどういう推移をたどるかということは、私ちょっと答える用意がないのですけれども、少なくとも今のような計算にはならないということを御指摘させていただきます。

○岡田委員 余りここで細かく言うつもりはございません。しかし、それにしても、これだけの三十五兆という数字があって、ダブルカウントの部分はあるにしても、随分規模が膨れ上がっているなということなんですね。そういう意味では、私は、恐らく実態は、不良債権の絶対額が大体三十兆で、まずそれが先にありきで、あとは業務純益の範囲で、三十兆で数字は動かさずに業務純益が上がった分だけ処理していくというのが実態に近いんじゃないかとすら思えてくるわけでございます。いずれにしても、これだけ不良債権の額についていろいろな議論がある。そのときに一体だれが立証責任を負うのか。つまり、不良債権はもっとあるんじゃないかと言う方が、ありますということを示す責任があるのか。あるいは、いやありませんということを、これでちゃんとやっていますということを政府の方が立証する責任があるのか。通常であれば、それはあるという方が示すべきなのかもしれません。しかし、先ほどのそごうの例などを見ましても、私は、いろいろな疑いがかかるにやむを得ないだけの理由があるんだと思うのですね。 そういう意味で、私は、政府の方が、これがきちんとした不良債権の額でこれ以外ないんだということをもっときちんと説明をされる責任があるんじゃないか、そういうふうに思いますが、いかがでしょうか。

○柳澤国務大臣 何と申しますか、こういうところでそういうことを申し上げるのはどうかと思うのですけれども、経済は一種の生体ですね、生きている体でございまして、刻々変わっているということが大前提に実はございます。それで、我々としては、かつての大蔵省時代の検査の方式から、本当に債務、負債の側もきちっと見るというような検査をやっておりますし、それから検査の手法についても、これはすべてオープンにしているわけでございます。 しかも、その検査のマニュアルを決めるときには、行政部内で自分たちだけで取りまとめるということを避けまして、パブリックコメントを求めたわけです。ですから、今岡田委員もしばしば、多分念頭にあってのお話だと思うのですが、外資系のアナリストの皆さん、こういうような人も、この検査マニュアルについてはいつでも、ここが甘いからこう直してみることを検討したらということを言えたわけでございます。ですから、そういうようなことでパブリックコメントにかけてやった基準、マニュアルですから、これを我々運用する側がいかに的確に運用していくかということに尽きるだろうと思います。一斉検査というお話も、特に御党から出ていることも私知ってはおりますけれども、私どもとしては、一斉検査というものは、平成十一年三月期に資本注入をするときの前提として既にやりました。そのときには、必ずしも金融検査マニュアルが公式に決定というところにはいっておりませんでしたけれども、実際にはその検査マニュアルに基づく形での検査が行われたというのが実態でございます。ですから、それを土台にして我々の不良債権処理というのは進んできましたし、今度新たにまたオフバランス化ということをやって、これをさらに圧縮していくということをやってまいりますので、そういうことの中で、それをきちっとやるということの中で我々の金融機関に対する信頼を上げていくしかないだろう、私はこのように思っております。

○岡田委員 この不良債権の処理の具体的中身まできょう余り議論する時間がなかったのですが、この議論をする前提が、不良債権がどれだけあるかということですね。ここの認識が違っていると、全然手法も違ってくる、あるいは全体の時間的な、時間軸のとり方も違ってくるわけであります。そこで、政府のおっしゃることと、マーケットの一部かもしれませんが外国の、恐らくアメリカ政府にも同じように、不良債権の額が違うんじゃないかと思っている人はいるんじゃないかと思うのですが、そこに差があるというのは大変不幸なことですね。そのことについて、いやいやパブリックコメントを求めているしという御説明だけではなくて、先ほど、破綻した企業についてどういうふうに引き当てがされていたか公表したらどうかというふうに申し上げましたが、それは一つの例ですけれども、もっと政府の方で、自分たちのやっていることは正しいんだということをきちんと立証される、証明される責任があるんじゃないか、私はそういうふうに思っております。最後にもう一度、大臣のお考えを聞かせてください。

○柳澤国務大臣 不存在のものを証明する、極度に抽象しますとそういうことを今岡田委員はおっしゃっているように思います。これはなかなか難しいと思います。私はやはり、要するに的確にやることを時系列的にしっかり続けていく。時系列的に追いかけられるというのは、これはどこかで、うそをついたら逃れられない証拠が挙がるでしょうから、私どもは、そこのところを本当に容赦しないできちっとやっていくということでもって、我々の検査に対する信頼あるいは検査の対象になった民間金融機関、そのシステム全体の信頼を上げていくしかない、このように思います。ですから、こうした場を通じて御議論をいただく、御批判をいただくということは、大いに私どもやっていかなきゃいけない、このように考えています。○岡田委員 我々も、政府の言っておられることを信用したいというふうに思っておりますけれども、後でそれ見たことかということにならないように期待をして、私の質問を終わりたいと思います。




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