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2000.02.17|マスコミ

累積債務は、国債の格下げ・金利上昇などのリスクをもたらす

民主党ネクスト・キャビネットの財政・金融大臣である、岡田克也議員は16日、ロイター通 信のインタビューに答え、国債の格下げや長期金利上昇などのリスクが生じる恐れがあると警告。増税や歳出の一律カットなどの「財政再建」ではなく、歳出項目に切り込んだ「財政構造改革」は、景気回復と両立可能と述べ、政府が改革に早急に着手することを強く求めた。

今後の経済運営では、仮に景気回復が期待通り進まず、補正予算論議が出たとしても、従来型の景気対策を組む必要はなく、むしろ設備投資減税など民需を直接刺激する対策を取るべきだと主張。金融政策面 では、来年度下期以降、日銀は、景気の状況をみながら、タイミングを失することなく、ゼロ金利政策解除を決断すべきだと述べた。

小渕政権の財政運営の問題点と弊害

景気対策を全く否定するわけではない。しかし、小渕政権の財政運営は、景気対策に名を借りたバラマキで、目的がない税金の使い方が目立つ。

膨大な国の借金(累積債務)を背景に、このままでは、民間需要が出てきた時に長期金利が上昇し、結局、民需主導で景気が良くなることと、長期金利の上昇で(回復が)頭打ちになることの繰り返しになってしまう。膨大な累積債務は、金利を通 じて景気回復の足を引っ張る。これが、短期的な弊害だ。こうしたリスクは、今年の秋以降、いつでもある。

中長期的には、巨額の公的部門の借金が財政の自由度を狭め、将来大きなインフレを招くか、大増税するしか道が無くなる。日本の財政は、破たんに向 かっている。国債の格下げがあるかどうかは分からないが、政府が財政構造改革にまじめに取組まなければ、中長期的な問題として残る。

財政再建と景気回復は両立可能か

「財政再建」あるいは「財政構造改革」の言葉の定義があいまいで、議論が混乱している。橋本政権がやろうとしたことは、増税と歳出の一律カットによる「財 政再建」。景気の現状から、これはやるべきではない。民主党が主張しているのは「財政構造改革」で、歳出項目に切り込むことだ。これは、今でも議論出来る し、景気に悪影響を及ぼすとは思わない。公共事業を例にとれば、省庁別 のシェアをニーズに応じて変えたり、公共事業の地方分権化を進めるなど、効率的に公共事業予算を使うことは、景気対策としても、前向きに捉えられる。

宮沢蔵相発言を見る限り、政府は2003年度から財政再建に取り組む考えのようだ

宮沢さんのいう財政構造改革の定義が、増税や歳出の一律カットによる再建であれば、景気がある程度安定しないと出来ないので、その意味では、(そのタイミングは)正しいかもしれない。しかし、民主党は、(財政問題を)もっと本質的な問題として捉えている。

財政健全化までの手段について

我々の財政構造改革には、増税や一律の歳出カットは入っていない。まずは、プライマリーバランス(国債費を除く歳出を租税などの範囲に抑制すること)を回 復することだが、健全化までの手段としては、公共事業のカットを中心に、行政改革推進のほか、防衛費や経済協力、石油開発なども含め、相当思い切った歳出 項目の見直し・再検討が必要だ。実現は、相当難しいだろうが、省益を越えて歳出項目に切り込むべきだ。財政のアンバランスを解消するには、「必要なもので も諦める」発想でないと、出来ない。

財政構造改革実現に向け、今国会での対応は

公共事業コントロール法案を提出する。来年度予算については、組み替え要求をするのか、予算案に反対するのか、まだ決めていない。

小渕首相は、「二兎を追う者は一兎をも得ず」の考えを取り消し、財政構造改革と景気回復が矛盾しないことを、まず宣言することだ。そのうえで、行政改革など、先送りしてきた改革に取組むことだ。役所の縦割り行政を越えて、第3者機関を通 じて、歳出項目の見直しに着手することだ。(2001年から)新たな省庁体制が発足するが、公務員の数にしても、約束通 り、純減させる姿勢を示すべきだ。

来年度、補正予算編成の話が出てきた場合、政府はどう取り組むべきか

民間経済界からも、もう(補正予算は)必要ないといった声が出ているのは、従来型の対策はもはや意味がないことが分かっているからだ。その意味で、景気対 策としての大型の補正は、必要ない。仮に、来年度下期に、民需主導の自律回復につながらなくても、公共投資を追加する必要はない。むしろ、情報化関連投資 を中心に、設備投資減税で民需を直接刺激する対策をとるべきだ。

財政再建を実現するには、日銀による国債引受けも必要との議論があるが

絶対反対だ。タガが、またひとつ外れる。もっと歯止めがきかなくなり、まさしく破たんへの道だ。

ゼロ金利政策解除の時期や、自民党内で出ているインフレターゲット論の導入について

ゼロ金利は異常なものだとの認識を欠いている。基本的には、早く脱出すべきだと考える。日銀は、景気の状況をみながら、タイミングを失うことなく、決断す べきだ。ただ、これは、日銀が決めることで、政府が決めることではない。調整インフレ論には反対だ。まして、地価をターゲットとする考えは、ばかげてい る。論外だ。

自民党内でも、加藤前幹事長などが財政構造改革路線を唱えている。自民党の一部と手を組む考えは

それはない。今度の選挙で自民党が勝てば、小渕さんでいくことになるが、いずれどこかで、破たんする。その時は、民主党の政権だ。その時に、自民党のなかの良識ある方々が出てきて、民主党に入るなら別 だが、こちらからということはない。

衆院解散・総選挙の時期

来年度予算と予算関連法案を通した後、介護保険制度のスタートを見極めた上での4月解散の可能性が50%。もう一つが、サミットをはさんでの衆院解散・総 選挙の選択肢だ。サミット後の解散だと、日程的に窮屈で、サミット前に解散し、与党としてはサミットを宣伝に使った後、サミット後に選挙というスケジュー ルもありうる。




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