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2007.06.29|TALK-ABOUT [ブログ]

宮沢元総理のご逝去――素晴らしいリベラル政治家だった


今日、昨日亡くなった宮沢元総理大臣のご自宅を訪問し、宮沢さんにお別れを告げて参りました。

宮沢さんに関しては様々な思い出があります。1つは、ご自宅に久し振りにお伺いをして思い出したのですが、いまから16年か17年前だったと思います、宮沢さんが総理大臣の折に、私は当時自民党の若手議員の1人として、仲間の議員十数名とともに宮沢総理をご自宅にお尋ねして、政治改革を是非やってもらいたい、そういったことをお話しさせていただいたことを思い出します。


あのときの宮沢さんは、背広を脱いでくつろがれたカジュアルな服装で、あぐらをかいて我々若い議員の、ときには失礼な物の言い方に対して、飄々と話を聞いていただいた、意見交換をさせていただいた。権力で押さえ付けるということではなくて、しっかりと話を聞いていただいたということを改めて思い出しています。

その後、野党が提出した宮沢内閣不信任案に、我々は自民党でありながら賛成をして、そして、解散・総選挙、同時に離党、新党の結成ということになるわけです。

政治改革をめぐる宮沢総理とのやり取りは、私にとってほろ苦い思い出であり、そして、宮沢さんに対してちょっと申し訳なかったなと、そんな気がしています。

2番目は経済の問題。宮沢さんが大蔵大臣、財務大臣の折にかなり議論をさせていただきました。私が特に取り上げたのは、不良債権の処理がなぜ遅れたかということで、宮沢大臣と話をさせていただいたことがあります。

宮沢さんは総理大臣の折に、不良債権の問題が大変な問題であるということを経団連のセミナーでお話しになりながら、結局この問題を先送りしてしまいました。私は、それはなぜかということを問うたわけです。

宮沢さんは、自分としては問題意識は持っていたが、世間にそれだけの認識がなかった、そういうお答えだったと思います。これはちょっと私にとっては物足りないお答えでした。

つまり、一国の総理大臣ですから、もし、不良債権の現状、厳しさをきちんとその当時認識されていたのであれば、これは認識されていたわけで宮沢さんとしては本当に慧眼だと思いますが、しかし、多くの人がそれを認識していないとすれば、総理として説得することが求められたのではないかという気がします。

私は不良債権の処理が遅れたこと、あるいは不良債権を膨大に抱えるに至ったこと、そこにあるのは護送船団方式、みんなで渡れば怖くない、そういうなかで、行政当局と金融機関との過剰なもたれ合いの中で、こういったことが起きたのではないかと申し上げたこともあります。

そして、3番目です。私はときどき宮沢さんをお訪ねして、民主党の政調会長、幹事長――代表のときはお伺いしませんでしたが――代表を辞めたあともお尋ねをして、いろいろとご高説を聞かせていただいていました。見識のある素晴らしい政治家だと思っていましたので、ときどき意見交換をさせていただいていたわけです。

特に平和の問題は、大変心配しておられました。宮沢さんは海外において日本は武力行使をしない、それは戦争の反省に立つと、基本的にそういう考え方で一貫しておられたと思います。

戦争というものを非常に身近で経験された政治家の1つの大きな見識だったと思います。そして、戦後世代がそういった経験を持たないままに、勇ましい議論が横行していることに対して、大変心配しておられた、これは私の実感です。

宮沢さんの本の中に、戦後の大きな境目として、岸内閣時代の安保闘争、これによって岸内閣が倒れて、池田内閣がスタートする、それが戦前的なものを引きずっていた戦後政治の1つの区切りだったということを、宮沢さんは本の中で述べておられたように記憶しています。

安倍さんは戦後レジームの転換、つまり、戦後政治そのものを変えなければいけないということを言っておられるわけですが、宮沢さんはむしろ、戦後の一時期は戦前政治の継続であった、そして、それが安保闘争をもって、池田内閣のスタートをもって変わった、本当の戦後が始まった、民主主義日本が始まった、そういう趣旨のことを言っておられるのだと思います。

それだけ、政治家それぞれにとって、戦後の時代というものの見方も異なるわけです。

いずれにしても、素晴らしいリベラリズムと言いますか、リベラルな政治家・宮沢喜一先生が、後藤田先生に引き続いてお亡くなりになったことは、私にとりまして本当に残念なことだし、宮沢先生にいろんな意味でご指導をいただいたことを心から感謝を申し上げたいと思っています。



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