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2007.06.15|TALK-ABOUT [ブログ]

パレスチナ情勢を懸念――武力ではなく話し合いを


今日はパレスチナの問題について、少し触れたいと思います。

新聞やニュースが伝えるように、ガザ地区において、イスラム原理主義の武装勢力であるハマスが攻撃を加えることで、従来勢力であるファタハと内戦状態になり、そういう中で、アッバス議長は内閣の解散、首相の解任を発表したということです。大変混乱した状況で、非常に懸念をしています。


私はそもそも10年ほど前に、後に首相を務められた小渕さんが団長になった国会議員の選挙監視団に参加して、パレスチナにおける最初の議会選挙の投票の様子を監視をし、多くの人が民主主義というものに対して非常に期待を抱いていた時期にパレスチナを訪れました。

ごくご高齢の方が一番朝早く投票所にやって来て、「私が生きている間にこういう投票ができるとは思わなかった」と言って、涙ぐんでいた姿はいまでも忘れられません。

palestine2005
そして、その後、私が民主党代表をしているときに、パレスチナとイスラエルを訪れ、アッバス議長にもお目にかかり、現在のイスラエルのオルマート首相にもお目にかかりましたが、何とか日本としてもパレスチナ和平に貢献できないかということを考えてきました。

ヨルダンにあるパレスチナ難民キャンプも訪れ、そこで一生懸命に学ぶ子どもたちの姿も大変印象深いものがありました。

そういういろいろな思いを持って、パレスチナの問題に取り組んできましたので、現在の混乱は非常に残念です。

実は2日前に、パレスチナの外務長官がいま日本に来ておられて、少し意見交換もしましたが、そのときにも少し申し上げました。

つまり、世界の人々の多くは、同情の気持ちを持って、あるいは共感を持って、パレスチナの和平のことを見つめている。

しかし、そういう中で、パレスチナ人の内部抗争、しかも、それが一方で議会の選挙をやりながら、しかし、それにもかかわらず武力でお互い争っているという姿は、パレスチナの問題に関心を持つ世界の多くの人たちにとって失望させるものだし、パレスチナの人たちにとっても何のメリットもない、ということです。

選挙によって代表を選ぶということが現に行われ、ハマスが多数になり、現在はハマスとファタハを含めた連立政権になっています。そして、アッバス議長はファタハの一員です。

そういう選挙で示された民意にもかかわらず、一方で武力・実力で主導権を持とうという現在の動きについて私は全く容認できませんし、世界の多くの人々の理解も得られないだろうと思っています。

しっかりと、話し合いによって物事を解決する、そのことを期待するものです。



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