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2010年02月04日(木)

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夕刊フジコラム「ズバリ直球」10年2月4日号

今回は先月13日早朝(日本時間)に発生した「ハイチ大地震」を取り上げたい。現時点で、死者は17万人以上、被災者は約300万人といわれる。亡くなった方々のご冥福をお祈りするとともに、被災者の方々には心からお見舞いを申し上げたい。
 地震が発生したとき、私はハワイでの日米外相会談を終え、帰国の途についていた。そして、成田空港に到着した13日夕、外務省からの第一報を受けた。
 ただ、その時点ではまだ詳細な情報が集まっていなかった。首都ポルトープランスが壊滅状態となり、現地の日本大使館も倒壊寸前で、通信インフラがほぼ崩壊していたのだ。
 翌14日には、外務省・防衛省および国際協力機構(JICA)からなる緊急調査チームを派遣。500万ドルの緊急無償資金協力や、3000万円相当の緊急援助物資(テントや毛布など)の供与も決めた。16日には国際緊急援助隊・医療チームが日本を出発、18日に現地に到着した。
 こうした初動態勢について、「対応が遅い」「なぜ、すぐに医療チームを出さなかったのか」といった指摘や批判もあった。
 現在、省内で検証している最中だが、地球の裏側にあるハイチへの距離や、同国の混乱状況、「生存の限界」とされる災害発生後72時間といった条件を考慮して、「まず調査チームを出してから医療チームを送るべきだ」と判断した。
 先週末、帰国した医療チームから話を聞いた。現地語が9割で通訳が不可欠なこと。もともと、PKO部隊が首都に配置されるほど治安は良くなかったが、それがさらに悪化し、食料品の略奪などが起きていること。首都近郊にも病院はなく、地震発生後数日して初めて治療を受ける人がほとんどであることーなど、被災地医療の専門家らが「今までで一番悲惨だった」と語っていた。
 「地震で親を失った子どもたちが人身売買に巻き込まれている」というニュースもあった。事実なら、許し難いことだ。
 こうした中、現地の大使館員らは、自身も被災し、車に寝泊まりしながら在留邦人の安否確認などを行った。幸い、ハイチの在留邦人は全員無事だった。私は今回の一連の対応は70点、合格点はつけられると思っている。
 先月末、カナダで開かれた復興支援会議で、日本は総額7000万ドルの支援を発表した。現在、自衛隊部隊が医療活動を実施しているが、今週中には、がれきを取り除き、道路建設などを行う350人規模のPKO部隊の派遣を決定する予定だ。世界各国と協力して、ハイチの再建を手助けしていく。
 昨年100歳で他界した私の祖母は、女学生時代に遭遇した関東大震災(1923年)について、年老いてからも「地震は怖い、本当に怖い」と繰り返し話していた。激しい揺れで多くの建物は崩壊し、地震直後に発生した火災で東京は焼け野原となったという。よほど強烈な思い出だったのだと思う。
 首都を直撃する大地震。ハイチの悲劇は、決して他人事ではない。

(C) 夕刊フジ